サステナビリティ・マネジメント

クラレグループのマテリアリティ

2015年に策定した前マテリアリティでは18項目を選定しましたが、事業からの社会課題解決が不明確なものでした。そこでクラレグループではサステナビリティ・コンセプトの中核をなすマテリアリティの見直しを実施しました。

今回の見直し作業において、事業を通じクラレグループが解決に貢献するべき社会課題を明確にすることを主眼におき、またグローバル化する社会の要請に応えるべく、マテリアリティ策定作業に国内外のクラレグループの全事業部長が参画しました。

独創的な技術を生かしたクラレグループの事業は、今回マテリアリティとして特定した5分野「自然環境の向上」「生活環境の向上」「資源の有効利用と環境負荷の削減」「サプライチェーン・マネジメントの向上」「「誇りを持てる会社」づくり」など多くの重要課題の解決に資することができると考えます。

次期中期計画に合わせ、新しいマテリアリティをもとにサステナビリティ中期計画を策定する予定です。

新マテリアリティ

マテリアリティと関連するSDGs

今回のマテリアリティ改定に伴い、「マテリアリティ特定手順」で示すように、SDGsからもクラレグループが取り組むべき重要課題を抽出しております。
また、それぞれのマテリアリティとSDGsとの関連性を明確にしました。我々のサステナビリティ活動は、マテリアリティをクラレグループが貢献すべき重要課題として取り組ますが、この関連付けによりSDGsの目標達成にも貢献できると考えます。

マテリアリティ特定手順

以下の手順に従いクラレグループが優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定しました。今後、国際社会の動向、事業環境の変化などに応じて定期的にマテリアリティの見直しを実施します。

Step 1

社会課題の抽出、整理に用いた国際的ガイドライン、サステナビリティ評価機関の調査内容は以下の通りです。

GRI、環境ガイドライン2012年版、RBA、MSCI、FTSE4Good、DJSI、ISO26000、国連グルーバルコンパクト、Green Paper EU、European Commission Strategy on CSR、German Stability Code、Circular Economy Package、American Chemistry Council

Step 2

「化学セクターのロードマップ」(wbcsd:持続的発展のための世界経済人会議)から抽出した4側面は以下の通りです。

食糧廃棄、水処理、気候変動、人々の健康

Step 3

「ステークホルダーにとっての重要度」および「クラレにとっての重要度」の2軸で総合的に評価したクラレグループのマテリアリティ・マトリックスを以下に示します。

クラレグループのマテリアリティ・マトリックス

「コーポレートガバナンス」「CSRマネジメント」「倫理/行動規範」「リスクマネジメント」「ステークホルダーとのかかわり」「トップステートメント」はマテリアリティとは別枠で取り扱う事としました。
その結果クラレグループが優先的に取り組むべきマテリアリティを以下の19側面として特定しました。

1 2 3 4 5
ダイバーシティ GHG・有害物質の環境への排出 省エネルギ/
再生可能エネルギーの利用
スマートワークと
人材育成
労働安全衛生
6 7 8 9 10
マイクロ
プラスチック
プロダクト・スチュワードシップ 人権の尊重 フード・ロス 水不足への対応
11 12 13 14 15
リデュース/
リユース/リサイクル
気候変動 人々の健康 生物多様性 イノベーション
16 17 18 19
CSR調達 サプライチェーン・マネジメント 廃棄物の削減 水資源の利用

Step 4

Step3で特定しました19側面をグルーピングし、以下「自然環境の向上」「生活環境の向上」「資源の有効利用と環境負荷の削減」「サプライチェーン・マネジメントの向上」「「誇りを持てる会社」づくり」の5項目をマテリアリティ候補として決定しました。
また、大項目として「自然環境の向上」「生活環境の向上」を「事業を通じた価値づくり」、「資源の有効利用と環境負荷の削減」「サプライチェーン・マネジメントの向上」「「誇りを持てる会社」を「基盤強化のための価値づくり」としました。

  マテリアリティ マトリックスで特定された19の側面
事業を通じた
価値づくり
自然環境の向上 2、3、10、11、12、14、15
生活環境の向上 9、10、11、13、15
基盤強化のための
価値づくり
資源の有効利用と環境負荷の削減 2、3、10、11、18、19
サプライチェーン・マネジメントの向上 7、16、17
「誇りを持てる会社」づくり 1、4、5、8

Step 5

Step4で決定したマテリアリティ候補を取締役会で報告し承認を得ました。