組織・体制

研究開発本部を中心に、コーポレート研究開発のミッションである①新事業の創出、②既存事業の強化・拡大、③基盤技術の構築・深耕の達成に向けてグループ一丸となって取り組んでいます。また、事業の急速なグローバル化に対応し、グループ海外拠点との連携を強化しています。

  • 研究開発本部
    • くらしき研究センター
      合成研究所、酢ビ系高分子研究所、構造・物性研究所、電池材料研究所
    • つくば研究センター
      高分子材料研究所、成形・加工研究所、フィルム・シートプロジェクトチーム
    • 成形部材事業推進部
      微細パターン付きフィルム
    • ベクスター事業推進部
      液晶ポリマーフィルム <ベクスター>
    • 機能製品開発部
      半導体用CMPパッド
    • 知的財産部
    • 市場開発部
    • 企画管理部
      • KAI Corporate R&D
  • 各事業部
    • 研究開発部門

研究開発本部

クラレのありたい姿である「世界に存在感を示す高収益スペシャリティ化学企業」の実現に貢献するために、研究開発・新事業開発の中核的存在として活動しているのが、研究開発本部です。

研究機関として「くらしき研究センター」(岡山県倉敷市)と「つくば研究センター」(茨城県つくば市)を設置。また、重点テーマの早期事業化を推進する組織として、従来の新事業開発本部を吸収し、「成形部材事業推進部」「ベクスター事業推進部」「機能製品開発部」を設置しています。また全社の知的財産戦略の構築、特許出願・管理業務を担う「知的財産部」、研究センターと共同して開発テーマのマーケティングを実行する「市場開発部」、そして、米国を中心とした技術スカウト、情報収集の拠点として「KAI Corporate R&D」を設置しています。

くらしき研究センター

有機/高分子合成技術、触媒化学、酢ビ系高分子材料関連技術、炭素材料関連技術を基盤技術とし、新事業、新規製品、新技術の研究開発を行っています。また、分析・解析技術、安全性評価技術により、クラレグループ全社の分析センターとして技術課題の本質的解決に向けたグローバルな取り組みを実施しています。

1.設立経過
くらしき研究センターの歴史は、1968年7月に「倉敷レイヨン中央研究所」として青江山地区(現在の倉敷事業所(研究所))に設立されたことから始まります。当時は、日本の製造業が中央研究所を次々と設立し始める時代でした。その後、時代の変遷に合わせ、役割を少しずつ変化させながら分割や統合、移管などを経て、2012年9月、四つの研究所(合成、酢ビ系高分子、構造・物性、電池材料)からなる「くらしき研究センター」に改組し、現在に至っています。
2.特徴
くらしき研究センターでは、日本の合成繊維の先駆けとなったポリビニルアルコール繊維「ビニロン」やイソプレン関連製品の工業化などの過程で培われた合成(有機・高分子・無機)技術、触媒技術、酢酸ビニル系高分子関連技術、高分子複合技術、炭素材技術、分析技術などを基盤とし、新しい技術を付加しながら、環境、エネルギー、電子・光学などの成長市場領域における先端的・独創的な製品の研究開発およびクラレグループの分析・解析の拠点としての活動を行っています。
3.研究内容
合成研究所
触媒、精密有機合成技術や重合技術を駆使し、新規ガスバリア材料や高性能なエラストマー材料などの開発を進めています。
酢ビ系高分子研究所
クラレの基幹事業である酢酸ビニル関連の材料や技術を軸に、事業の一歩先を見据えた酢酸ビニル関連材料の新展開を目指しています。
構造・物性研究所
分析・解析技術を通じ、クラレグループの生産・販売・開発の各部門で生じる技術的課題の解決策を提供しています。
電池材料研究所
炭素材を中心とする電池材料に関わる研究開発を推進し、炭素材料事業部と共同で、成長市場領域である環境・エネルギー分野の新事業創生を目指しています。

つくば研究センター

精密重合および変性、成形材料、成形加工、計算化学を基盤技術とし、新事業、新製品、新技術の開発を行っています。またフィルム・シートプロジェクトでは、アクリル樹脂をベースとした機能性フィルムの開発を行っています。

1.設立経過
つくば研究センターは、東京本社、新潟事業所、鹿島事業所に近接した立地を生かし、高分子材料や成形加工に関する基礎研究から顧客に近い商品開発まで一貫した東日本の研究開発拠点です。1994年4月、つくば科学万博の跡地に設立された「クラレ筑波研究所」を母体としています。2009年に「つくば研究センター」と改称し、将来の事業の種を生み育てる研究開発本部の組織として二つの研究所(高分子材料、成形・加工)を設置。さらにフィルム・シートプロジェクトチーム(新潟駐在)、メタアクリル事業部、ジェネスタ事業部、エラストマー事業部、その他事業部等からの開発メンバーが駐在し、同じ建物内で研究開発を進めています。
2.研究センターの特徴
つくば研究センターでは成長市場での新事業創生を目指し、アクリル系ポリマーやイソプレン系ポリマーを含む新規高分子材料やフィルムを中心とする加工品や、複合技術・精密加工技術をベースとした成形加工に関する研究開発を行っています。
また、各事業部の開発拠点としても機能し、事業部や技術本部技術開発センターなどとの情報交換や交流を通じて、研究開発の一層の促進を図っています。さらにつくば研究学園都市の立地を生かした技術・情報交流に加え、研究員が国内外の市場と直接に相対することで、マーケット感度の高い研究センターを目指しています。
3.研究内容
高分子材料研究所
高分子重合技術をベースとしたメタクリル系・イソプレン系のスペシャリティポリマーの合成研究やその応用、エラストマーの高機能・高性能化に関する研究開発を行っています。
成形・加工研究所
複層化を中心に加飾など機能フィルムの創製や、その加工技術の検討を通じた製品価値の創出検討を行っています。また、所内だけでなく、グループ全般の開発支援のため、解析・シミュレーションの検討・実践も行っています。
フィルム・シートプロジェクトチーム
新潟事業所において、アクリル系を中心とするフィルム・シート商品の開発を行っています。
その他
各事業部がそれぞれの状況に合わせて、新銘柄の開発や顧客サービスなど、立地を生かした活動を行っています。

成形部材事業推進部

微細加工技術と精密成形技術を活かし、微細なパターンを付与したフィルムを開発しています。拡張現実を表現できる高性能な車載用ヘッドアップディスプレイや、バーチャルリアリティーを追求したヘッドマウントディスプレイに、光学的に最適化したマイクロレンズ付きフィルムを開発し販売しています。

アミューズメント向けには、LED光源をさまざまに屈折・散乱させるユニークな光学特性を備えたフィルム<レジェンダ®>を展開しています。

近年は光学用途以外への応用と具体的市場を探索しています。特に、成形物表面に微細パターンを付与することで触感を制御する手法に着目しています。

微細パターン付きフィルム

生産・開発・研究 鹿島事業所、つくば研究センター
販売・マーケティング 東京本社
市場・主要ユーザー 電子機器メーカー(ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなど)、照明装置メーカー、アミューズメント関連メーカー

ベクスター事業推進部

〈ベクスター〉は、クラレが独自の技術により開発した液晶ポリマー(LCP)フィルムです。
高速伝送回路や高周波電子機器に適した高周波特性を有し、回路基板材料として数多く使われています。液晶ポリマーの優れた特性(耐熱性・寸法安定性・低吸水性・難燃性・ガスバリア性・加工性など)を活かして幅広い用途に展開しています。

ベクスター® 液晶ポリマーフィルム

生産・開発 西条事業所
販売・マーケティング 東京本社
用途 デジタル機器用ディスプレイモジュール・CCDカメラ・アンテナ、自動車用ミリ波レーダー など

機能製品開発部

半導体製造プロセスにおいて半導体を積層するための平坦化工程で使用される半導体用 CMP(Chemical Mechanical Polishing、化学機械研磨)パッドおよび半導体プロセス関係の技術を基盤として、事業拡大を進めています。当社品は独自設計の熱可塑性ポリウレタンを原材料とし、他社品に比べてパッドの長寿命化、研磨傷の低減などの特性を備えています。現在、販売拡大に向けて国内外の大手顧客での評価を進めています。

グローバルな事業展開を進めるため、多角的な営業活動、技術対応、機能の差別化を狙った高機能なモノマー、ポリマー設計、大学との連携などに注力しています。

生産・開発・研究 倉敷事業所
販売・マーケティング 東京本社
市場・主要ユーザー 日本、台湾、韓国、米国、シンガポールの半導体メーカー

知的財産部

クラレは自社・他社の知的財産(*1)の尊重を基本とし、クラレグループの経営戦略に沿った事業と研究開発の強化・加速化を目的に、事業戦略・研究開発戦略・知財戦略の三位一体で知的財産の創造・保護・活用を推進する活動を、2003年度から展開しています。

具体的には、事業戦略および研究開発戦略の立案と事業リスクの低減を主な目的として、パテントポートフォリオ(PPF)(*2)、パテントクリアランス(PC)(*3)を全社的に推進しています。
また、発明創出基盤強化策の一環として、発明に対する研究者のインセンティブ向上を主な目的として各種の特許補償・褒賞制度を設け、その充実を図っています。

  • 無形の発明、考案、思想などの表現、営業上の信用などからなり、特許法、実用新案法、商標法、意匠法、著作権法等によって保護されるもの。
  • 特定分野・商品に関する自社・他社の特許群を比較・解析することによって、下記を目指す。
    • 両社の技術上の特徴・強み、弱みを把握。
    • 各種戦略(研究開発テーマ設定、事業化判断、事業推進、特許出願計画等)の立案。
  •  
    • 当社実施予定技術と他社特許との権利的関係を明確化し、事業または研究開発の進め方を判断。
    • 障害特許の排除・回避策の立案・実施等により事業化リスクを低減。

市場開発部

研究開発本部の方針に基づいて新事業の創生に取り組む部署です。具体的には、研究センターやカンパニー、事業部と共同して開発テーマに関わる開発戦略を構築するとともに、マーケティング戦略の企画・実行・渉外等を行います。

企画管理部

研究開発本部の戦略スタッフとして、研究開発本部全般の総合的な企画・推進・調整・管理を進め、経営戦略に整合し、事業成果に結び付く研究開発を実現するための部署です。具体的には、新規事業創出や既存事業の強化・拡大、社外連携の企画・調整、コーポレート研究の資源最適配分・人材育成、本部運営、本部所管テーマの管理と安全の確保を遂行しています。

KAI Corporate R&D

テキサス州ヒューストンに位置する当社米国開発拠点である KRTC(Kuraray Research and Technical Center) に駐在員を置き、米国における事業、生産・開発拠点のサポート、日本国内の研究センターとの連携および、新事業創出に向けた現地大学との協業の推進を行っています。
また、カリフォルニア州シリコンバレーにも駐在員を置き、現地ベンチャーキャピタルを活用したスタートアップの発掘活動も行っています。

事業部直轄の研究開発部隊

各事業部の製品に関する研究開発と技術サービスを効率的に推進し、事業拡大に取り組んでいます。また、お客さまの要望に応じて製品の改良改善を進めるとともに、各事業部存続の基盤となる技術の進展にも取り組んでいます。

主な業務

市場拡大
  • 新規製品の研究開発
  • 用途開発
商品の競争力向上
  • 改良研究
  • 新製法
  • 新加工技術の研究開発
  • 競合製品や競合技術の分析と評価
  • 取引先への技術サービス
知的財産権について有利な運営
  • 自社特許出願と権利化推進
  • 他社特許出願対策
  • 特許情報の収集と管理
  • 技術関連契約締結の推進と履行管理