ガバナンス

持続的な成長へのガバナンス体制の強化

クラレグループの持続的な成長には、自然環境と生活環境の向上、そして社会の発展に寄与する価値創造が不可欠です。私は取締役会議長として取締役会の全てのメンバーの活発な議論を引き出すことで、この価値創造を高め、促進することを使命としています。このために、多様な知見を持つ社外取締役、社外監査役の積極的なご発言を頂戴するよう心掛け、参加者全員による自由闊達な意見交換につながるよう腐心しています。例えば、市場の成長性や社会が要請する環境技術といったテーマに対し、専門的な視点を取り入れることで、より多角的で高度な視野をベースとした意思決定を目指しています。
 また取締役会の実効性を高めるため、第三者によるアンケート調査を定期的に行って、スムーズな取締役会運営と迅速な意思決定、議論の質的向上に努めています。
 さらに、当社グループは、コーポレート・ガバナンス体制およびリスク管理体制の整備・強化に継続的に取り組んでいます。ガバナンス体制強化においては、2024年3月に経営諮問委員会の構成を見直し、田中社外取締役に委員長を務めていただき、より客観的な視点からの助言を得られる体制とし、運営を行っています。また、経営諮問委員会の提言を踏まえ、2025年から役員報酬の一部に新たにサステナビリティ関連指標を反映させることとしました。役員のサステナビリティへのコミットメントをより高めることで、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
 リスク管理面では、グローバル規模での安全監査を強化し、プラントの運営における安全性の向上に努めています。さらに、機密情報漏洩防止体制を強化することで、企業情報や顧客情報、個人情報の保護にも注力しています。
 クラレグループは社会の持続的な発展に貢献することが、ひいては企業の持続的成長につながるものと考えています。ステークホルダーとの対話をはじめ、社外からの視点という考え方も大事にして社会価値と経済価値の両立を図り、企業価値の向上を目指してまいります。