コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

当社は、経営の効率性と公正性を確保する効果的なコーポレート・ガバナンス体制の構築により、多様な利害関係者との適切な関係を維持し、社会に対する責任を果たすことが、長期的、持続的な企業価値向上に資するものと考えます。

当社は「監査役会設置会社」の統治形態を採用しており、この枠組みの中で経営の効率性を確保しつつ監督・監視機能の実効性を高めるため、取締役会・監査役会を中心とした経営統治機能の整備を進め、経営者の報酬・後継者の選定・内部統制・リスク管理等の諸問題に対処しています。

この機能整備により、当社の長期的・持続的な企業価値向上に資することができると考えています。

コーポレート・ガバナンス強化の変遷

当社はこれまで、執行役員制度の導入による監督と執行の分離、社外取締役・社外監査役の選任および増員、CSR委員会、リスク・コンプライアンス委員会の設置、取締役会の実効性評価、経営諮問委員会の設置など、経営統治の強化に継続して取り組んできました。

2020年より、取締役会を構成する12名のうち社外取締役は1名増の4名で、取締役会の3分の1を占めています。また、ジェンダーや国際性など多様性においては、社外取締役と社外監査役の女性2名と外国人取締役1名を選任しました。経営の意思決定において多様な見識や視点から議論を行い、コーポレート・ガバナンス体制をより一層強化していきます。

コーポレート・ガバナンス体制

取締役会と業務執行機関

取締役会(月1回以上開催)は、取締役会規則を定めて法定事項を含む経営上の重要事項を審議決定するとともに、業務執行の監督にあたります。取締役会による機動的な経営の意思決定を図るため、取締役の定員は12名以内と定め、株主に対する責任を明確化するためその任期を1年としています。現任の取締役は12名、うち女性1名を含む社外取締役4名は経済・金融・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から経営の監督機能を担っています。

取締役会で選任された社長は、業務執行の最高責任者として、当社グループの全組織における業務執行を総理します。当社の各組織における業務執行は、取締役会で選任され、社長の権限を委譲された執行役員(任期1年)がこれを行います。執行役員はカンパニー、事業部および主要機能組織の長の職位に就き、執行責任と業績に対する結果責任を負います。

これにより取締役としての経営意思決定・監督の責任と、業務執行上の責任とを明確に分離しています。なお一部の取締役は執行役員を兼務しています。社長は経営会議(原則として月2回開催)のほか各種会議・委員会を設置し、グループの経営方針・執行に関する重要事項について審議・答申させます。

経営諮問委員会

当社は、経営の重要事項に関する意思決定の透明性・公正性・客観性を高め、当社コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、取締役会の諮問機関として、社外役員および社外有識者を委員とする「経営諮問委員会」を設置しています。当委員会が指名・報酬委員会としての機能を有しており、社長を含む取締役候補者の人選および報酬の妥当性に関して取締役会への助言を行っています。

2020年3月26日現在の経営諮問委員会の委員構成は、社外取締役4名(浜口 友一、浜野 潤、村田 啓子、田中 聡)、社外監査役1名(谷津 朋美)、社外有識者2名(小村 武、江上 剛(戸籍上の氏名 小畠 晴喜))の計7名です。なお、委員長は置いていません。

監査役会と内部監査

監査役は5名とし、うち過半数の3名は独立した社外監査役が占めており、男性4名・女性1名の構成としています。社外監査役は金融・法務・経営等に豊富な経験と幅広い見識を有し、独立した第三者の立場から監査機能を担っています。

監査役は取締役会など重要な会議に出席するほか、主要な文書の閲覧、業務状況の聴取などの調査を通じ、取締役の職務遂行を監査します。監査役会は原則として月1回開催します。

監査役は、会計監査人と定期的に会合を持ち、監査計画・実施状況・監査内容の報告を受け、また、内部監査部門である業務監査室(10名)から内部監査結果の報告を受けています。また、監査役は、主要なグループ会社の監査役を兼任し、適宜グループ会社監査を実施するとともに、グループ会社の監査役で構成し定期的に開催されるグループ監査役連絡会に出席し、これを通じて各社の情報を把握しています。

リスク・コンプライアンス委員会

リスク・コンプライアンス委員会は、CSR本部担当取締役が委員長を務め、経営に重大な影響を及ぼす重大リスクの適切な管理、法令遵守・企業倫理の徹底、公正な企業活動の実践を目的とする委員会です。本委員会は定期的に全グループのリスクをモニタリングした上で、重大リスクを抽出し社長に提案、社長は対策が必要なものを経営リスクとして特定し、同時にリスク毎に統括責任者を指名してリスク回避・低減策を実施します。本委員会は対策の進捗状況を確認しリスク対策の着実な実行を図ります。本委員会は取締役会にこの一連の活動を報告し、その指示をリスク対策に反映します。

取締役・監査役の指名に関する方針および社外役員の独立性基準

取締役・監査役の指名に関する方針

  • ①取締役は、当社の取締役として必要な経験、知識、能力を有する者を社外役員が出席する取締役会において候補者として指名し、株主総会の決議により選任します。ただし、社外取締役候補者は、別に定める独立性の基準を満たすものとします。
  • ②監査役は、当社の監査役として必要な経験、知識、能力を有する者を社外役員が同席する取締役会において候補者として指名し、監査役会の同意を得た上で、株主総会の決議により選任します。ただし、社外監査役候補者は別に定める独立性の基準を満たすものとします。

社外役員の独立性に関する基準

①当社は、以下の各号のいずれにも該当しない場合に、当該社外役員および社外役員候補者は当社に対し十分な独立性を有するものと判断します。
  • 当社および当社の子会社(以下、併せて「当社グループ」といいます。)の業務執行者
  • 当社グループを主要な取引先とする者又はその業務執行者
  • 当社グループの主要な取引先又はその業務執行者
  • 当社グループの主要な借入先又はその業務執行者
  • 当社グループから多額の寄附を受けている者又はその業務執行者
  • 当社の大株主(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接に保有している者)又はその業務執行者
  • 当社グループが大口出資者(総議決権の10%以上の議決権を直接又は間接に保有している者)となっている者の業務執行者
  • 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、公認会計士等の会計専門家、弁護士等の法律専門家(当該財産を得ている者が法人、組合等の団体である場合には、当該団体に所属する者をいう。)
  • 当社の法定監査を行う監査法人に所属する者
  • 過去10年間において、上記(1)に該当していた者
  • 過去3年間において、上記(2)~(9)のいずれかに該当していた者
  • 当社グループと社外役員の相互就任の関係にある者
  • 上記(1)~(11)に掲げる者の近親者
②上記の各号のいずれかに該当する者であっても、当該人物の人格、見識等に照らし、独立性を有する社外役員としてふさわしいと考える者については、当社は、当該人物がふさわしいと考える理由を、対外的に説明することを条件に、当該人物を、独立性を有する社外役員とすることができるものとします。

役員報酬制度

取締役の報酬決定に関する方針

  • ①取締役の報酬は、中長期的・持続的な企業価値の向上のインセンティブのひとつとして機能するよう、他企業の報酬水準等も勘案した上で、決定します。
  • ②取締役の報酬は、役位別定額報酬および業績連動型報酬からなる金銭報酬とストックオプション報酬で構成します。ただし、社外取締役の金銭報酬には業績連動型報酬は含みません。
  • ③各取締役の報酬は、株主総会において決議された限度額の範囲で、取締役会の定める算定方法に基づき決定します。各取締役の金銭報酬額算定の基準となる社長の金銭報酬は、社外役員および社外有識者を委員とする経営諮問委員会に諮った上で、決定します。
  •  また、取締役の報酬制度・体系および報酬額の変更についても、前述の経営諮問委員会に諮った上で、取締役会で決定します。

業績連動型報酬制度

取締役賞与金に代わるものとして2006年7月より業績連動型の報酬を導入し、当社の企業価値向上へのインセンティブを強化しました。また、業績向上による業績連動型報酬の増額等に対応するため、2012年6月22日開催の当社第131回定時株主総会において、取締役の報酬額を年額450百万円以内から年額800百万円以内(うち社外取締役分は年額100百万円以内)に改定することが決議されました。

業績連動型報酬の算定方法

短期業績インセンティブとして、前年度の連結当期純利益実績額に一定の係数を乗じて算出した金額を社長の業績連動型報酬の額とし、これを基準として役位別の指数により按分したものを業績連動型報酬としています。なお、社外取締役には上記算出方法による業績連動型報酬は支給していません。

ストックオプション制度

当社取締役について2006年7月に退職慰労金制度を廃止し、当社業績向上に対する取締役の意欲や士気を高めていくことを目的としてストックオプション制度を導入しました。当制度によるストックオプション報酬は、取締役報酬の限度額とは別枠の90百万円を限度額とするもので、新株予約権の総数として年間120個(新株予約権の目的となる普通株式の数として年間60千株)を上限に付与しています。

取締役会の実効性評価

取締役会の実効性についての分析・評価

①分析・評価方法

2019年12月に全ての取締役・監査役に対して、「取締役会実効性評価に関する質問票」(記名式)を配布し、2020年1月に全員から回答および意見等を回収しました。回答内容を取締役会事務局にて集約し、これをもとに分析・評価をいたしました。

質問事項(全32問)

  • 取締役会の構成について
  • 取締役会の議題について
  • 取締役会の運営について
  • 取締役会外の体制
②分析・評価結果の概要

上記による評価の結果、取締役会の規模、構成および多様性等の取締役会の構成、議題選定、付議・報告の範囲等の取締役会の議題、取締役会開催スケジュールの設定時期、開催頻度、審議時間等の取締役会の運営、取締役に対する追加情報提供、トレーニング機会の提供等の取締役会外の体制のいずれの点においても、当社の取締役会は概ね適切に機能しており、取締役会の実効性は確保されていることを確認しました。

今回の評価結果を踏まえ、取締役会での更なる議論の活性化・充実に向け、引き続き、必要な対応策の検討と実行を進めていきます。

政策保有株式

当社は、政策保有に関する方針および政策保有株式にかかる議決権行使基準を以下のように定めています。

  • 1.当社は、安定的・長期的な事業運営の観点から、取引先等との関係の維持・強化を通じた企業価値向上に資すると判断される場合、当該取引先等の株式を保有することができます。
  • 2.当社は、前項に基づき保有する株式(以下、「政策保有株式」といいます。)について、個別銘柄ごとに、保有に伴う便益・リスクおよび資本コスト等を踏まえて経済合理性や保有意義を取締役会において定期的に検証するものとし、その結果、保有の妥当性が認められないと判断された銘柄については適宜売却し、縮減を図るものとします。
  • 3.当社は、政策保有株式にかかる議決権については、前2項に定める株式保有の趣旨に鑑みて、当該会社の経営状況および当社グループの事業運営に対する影響を考慮のうえ、適切に議決権を行使します。特に、当該会社の業績の長期低迷や重大な不祥事が発生している場合、または株主価値を毀損するおそれのある議案が提案された場合には、慎重に議決権を行使します。

政策保有株式の保有適否の検証内容

当社は2019年度において、保有する政策保有株式のうち5銘柄の全数売却、1銘柄の一部売却を実施しました。また、2020年2月26日開催の取締役会において、2019年度(2019年12月末時点保有先が対象)のすべての政策保有株式について、個別銘柄ごとに、保有に伴う便益・リスクおよび資本コスト等を踏まえて経済合理性や保有意義を検証した結果、一部の銘柄について売却を進める予定としています。