社会性報告

社会とのかかわり

社会とのかかわりの目標と実績

目標 実績 評価と課題 2019年度目標
【学術】
「ランドセルは海を越えて」キャンペーンの着実な実行
  • 送付実績8,076個
  • Websiteを通じての一般募集、及び各事業所から近隣小学校へランドセル提供を募った
  • 計画通り実行。次年度も同様の取組を継続していく
  • 「ランドセルは海を越えて」キャンペーンを着実に実行していく
【学術】
「少年少女化学教室」を6事業所と本社で年1回以上実施する
  • 開催実績/14回442名(倉敷2回、西条4回、岡山2回、新潟2回、鹿島3回、鶴海1回)
  • 計画通り実行できた
  • 事業所(大阪除く)で年1回以上実施する
  • 社外のイベントへの出展
【福祉】
知的障害者の作業施設の運営
  • 雇用人数 障害者:57名 指導員: 13名
    (倉敷/西条/岡山/新潟/鹿島/鶴海の合計)
  • 計画通り実行でき、雇用数を維持することができた
  • 現作業施設での雇用者数の維持
  • 岡山事業所での運営開始
【文化】【学術】
【環境】【福祉】
  • 事業所・関係会社において、地域とのつながりに重きをおいた既存活動を着実に実行する
  • 海外拠点も含め、グループの活動状況を一元的に把握する
  • 既存の活動に着実に取り組んだ
  • 従前より取り組んできた活動の継続実施を着実に実行できた
  • 海外拠点の活動状況の集約を行った
  • 活動の継続実施
  • 海外拠点も含めたグループ全体の活動状況を継続して把握する

クラレグループは、社会の健全で持続可能な発展が企業としての成長や繁栄の条件であるとともに、企業活動の究極の目標であると考えます。人々にとって価値のある製品や事業を通して社会に貢献することはもちろん、企業市民として一定の節度ある範囲で社会的な問題に取り組むことは、企業として重要な社会貢献であると認識しています。

クラレグループ社会貢献活動方針に則り、文化・学術・環境・福祉分野を中心に活動しています。

社会とのかかわりの目標と実績

クラレグループ社会貢献活動方針

クラレグループは、社会の一員としての責任を果たすため、以下の方針に基づき、社会貢献活動に積極的に取り組みます。

活動のあり方

  • 社会的な課題の解決につながる活動
  • 国内外の事業拠点の地域社会に根ざした活動
  • 社員の主体的参加を重視した活動
  • 長期的に持続可能な活動

活動の領域:「文化」「学術」「環境」「福祉」を重点領域とする。

文化

クラレグループは、初代社長の大原孫三郎が設立した公益財団法人大原美術館の支援を継続的に実施すると共に、事業所での文化活動の支援も行っています。

公益財団法人 大原美術館
岡山:絵画・書道コンクール

岡山事業所では、2005年から「小学生絵画・書道コンクール」を毎年開催しています。本コンクールは、日頃の成果を発揮する場として定着しており、2018年度は事業所近隣の5つの小学校から絵画・書の作品合わせて約200点の作品応募がありました。今後も継続して取り組んでいきます。

学術

従来の活動を継続支援することによる健全な青少年育成を目標に、各事業所での「少年少女化学教室」の開催、社外イベントへの参加、スポーツ大会の主催などを実施しています。

子どもたちに化学実験を通して、化学の楽しさを知ってもらう教育活動として、小学生を対象に「少年少女化学教室」を開催しています。この取り組みは、事業所内の専門教室や、地域の小学校、公共施設などで、社員ボランティアが講師やアシスタントを務めるもので、1992年より毎年国内の各事業所で開催しています。2018年度は、各事業所で合計14回、のべ442名にご参加いただきました。鹿島事業所ではかみすフェスタ(神栖市)に出展し、クラレブースには60名にお立ち寄りいただきました。また、鶴海事業所では備前市産業フェスタに出展し脱色実験を披露しました。今後も継続して取り組むとともに、社外のイベントにも積極的に参加します。

岡山:おもしろ化学教室
事業所 教室名 累計 累計参加人数
倉敷事業所 おもしろかがく館 74回 1,925名
西条事業所 わくわく化学教室 77回 2,253名
岡山事業所 おもしろ化学教室 47回 1,441名
新潟事業所 ふしぎ実験室 59回 1,627名
鹿島事業所 おもしろ化学教室 27回 1,506名
鶴海事業所 出張授業など 3回 233名
合計   287回 8,985名

青少年育成の観点から、各事業所でスポーツ大会を開催しています。各事業所で各種スポーツ大会等を主催しています。また、会社の保有する野球場・体育館・テニスコートを近隣の学生向けに利用を開放し、地域スポーツの振興に努めています。今後も継続していきます。

岡山:児童テニス大会

環境

森林保全活動や清掃ボランティアを毎年実施しています森林保全活動として岡山事業所の「クラレ岡山みらいの森」、新潟事業所の「ミラバケッソの森づくり活動」を実施しています。全ての事業所で清掃ボランティアを継続して行っています。今後も、森林保全や清掃ボランティアに重点的に取り組みます。また、グループ会社においても事業所周辺の清掃活動などを定期的に行っています。

クラレの各事業所では、自治体・NPO法人と連携して、社員ボランティアによる森林保全活動や、公園や道路の清掃、保育園の園庭の芝刈り等の活動に取り組んでいます。

岡山:クラレ岡山みらいの森の作業風景

福祉

知的障がい者の就労支援・雇用数の維持・定着を図ることとクラレふれあい募金の実施を目標に、倉敷事業所、西条事業所、新潟事業所、鹿島事業所での知的障がい者の作業施設の運営、また各事業所でクラレふれあい募金の寄付などを実施しています。また西条事業所と新潟事業所では桜の開花時期に合わせて観桜会を開催しており、近隣の福祉施設の方に来場いただきました。今後も継続していきます。

クラレは、障がい者に雇用機会を提供することによって、その自立を支援するため、地域の福祉施設と連携して知的障がい者のための作業所を設置しています。新潟事業所の「クラレ作業所」は、1997年に中条町(現・胎内市)と社会福祉法人七穂会「虹の家」の協力を得て、知的障害者就労の場として開所し、生産工程で発生する端材をリサイクルするための分別や、備品の製作などを行っています。2007年には西条事業所の「ひまわり作業所」が開所、2011年には、鹿島事業所で、社会福祉法人神栖啓愛園の支援により「あおぞらワークス」を開設しました。倉敷事業所で作業服のクリーニング・製品のラベル貼付作業に従事している社員を含めると、4つの事業所で、あわせて12名の指導員と44名の作業員が働き、様々な業務に従事しています。また社員とスポーツイベントなどを通じて交流しています。今後も引き続き運営を継続し、雇用の維持・定着を図ります。

西条:観桜会 倉敷:倉敷作業所
  作業内容
倉敷 作業服のクリーニング、製品のラベル貼付
西条 製品のリサイクル、作業服のクリーニング
新潟 製品のリサイクル、鍋敷・エプロンの製作、作業服のクリーニング
鹿島 製品の包装袋の二重化、異物選別

クラレでは、従業員の寄付金に、その同額を会社がプラスして行う寄付制度であるマッチングギフトを、「クラレふれあい募金」の名称で1992年7月からスタートしました。制度に賛同する従業員が月次給与100円未満の端数を積み立て、その同額を会社が拠出します。集まったお金は基金として、社会福祉に役立てるよう活用しています。各事業所の近隣にある福祉施設や自治体、学校を中心に、介護用品や図書等を寄贈するなど、地域に根ざした活動を行っています。今後も引き続き、基金を社会福祉に役立てていきます。

西条:ふれあい募金によるクラレ文庫

Focus:海外事業所の社会活動

クラレグループでは海外においても様々な社会活動を行っています。その中から、クラレアメリカ、クラレヨーロッパおよびロシアのOOOトロシフォルの活動をご紹介します。

「チャリティー」
クラレアメリカでは”Bring Hope Home”と言う非営利団体の活動をサポートしています。これは病気に苦しむ子供を抱えた家庭が、お子さんの看病に専念できるよう生活費をサポートする活動です。またクラレヨーロッパでは”Gift for Hope”と言うキャンペーンに参加しています。プレゼント箱の中におもちゃや服、お菓子などを入れ、恵まれない東ヨーロッパの子供たちに届けました。また、”1000Km Cycling Against Cancer”にも参加し、寄付金を集めました。ロシア、トロシフォールでも従業員が幼稚園の設備を修理したり、保育に必要なものを送ったりしました。また低所得家庭の子供たちにクリスマスプレゼントを渡しました。

「化学の楽しさを広める取組み」
クラレアメリカでは地域の子供たちに化学教室を提供しました。ポバールを用いたスライムや万華鏡作りで化学の楽しさを体験して頂きました。また有志従業員によるプラントサイトの見学や事業説明などが行われました。一方クラレヨーロッパでは、地域の学校から先生と学生18名をヘキスト工業団地にあるポバールプラントに招きました。この学生さんたちは日本の高校生に相当する年代で、将来化学を専攻したいと希望している人たちです。プラントマネージャーからポバールの生産に関する概要を説明し工場見学を行いました。「化学者としてどんなキャリアを積めばよいかはっきりわかりました」と参加者からコメントを頂きました。

Focus:ランドセルは海を越えて

「ランドセルは海を越えて」は、戦禍によって教育機会を奪われたアフガニスタンなどの子どもたちに、毎年、日本の小学生が使っていたランドセルを文房具や手紙を添えて贈る国際貢献活動で、これまでアフガニスタン・モンゴル・ネパール・カンボジアで活動実績があります。

2004年のスタートから15年目を迎えた2018年度は、全国各地から8,076個のランドセルの提供がありました。このランドセルは、公益財団法人ジョイセフの協力のもと、関係団体やクラレグループ社員の手で仕分けて梱包した後、多くのボランティアの協力を得て海を渡り、10月~12月にかけてアフガニスタンのナンガハール州にある46の小学校で学用品と合わせてプレゼントされました。今までの累計は、120,055個になりました。今後、他の国にも支援の輪を広げたいと考えています。

年度 個数 年度 個数
2004年度 8,514 2012年度 8,326
2005年度 12,076 2013年度 6,396
2006年度 5,504 2014年度 7,908
2007年度 6,894 2015年度 7,111
2008年度 7,022 2016年度 7,732
2009年度 7,522 2017年度 6,857
2010年度 8,973 2018年度 8,076
2011年度 11,144 累計 120,055