People

社会とのかかわり

クラレグループは1926年の創業当初より「企業はただ利潤のみを追求するのではなく、社会に貢献できてこそ存在する意義がある」との理念を持ち続けています。製品やサービスによって社会に貢献することはもちろん、長年培ってきた、日本国内の事業所および海外子会社が拠点を置く地域コミュニティへの貢献、創業時から引き継いできた文化や学術への貢献、そして社会的弱者への視点から福祉への貢献を重ねてきました。さらに2016年からクラレの出資により一般財団法人クラレ財団を設立し、経済環境の変化に拘わらずに、独自の観点からの継続的な社会貢献活動を実施しています。
クラレ財団HP

クラレグループは2000年代以降、海外拠点の設立やM&Aによりグローバル企業に発展しましたが、そのことは世界規模で社会と対話し責任を果たすことを意味します。私たちはクラレグループ社会貢献活動方針を基本とし、各拠点が現地に適した社会貢献活動を続けており、これからも、クラレの社会貢献の理念を社会と共有し、協働して持続可能な世界に向けて活動ができるようにクラレグループを挙げて取り組んでいきます。

クラレグループ社会貢献活動方針

クラレグループは、社会の一員としての責任を果たすため、以下の方針に基づき、フィランソロピー活動に積極的に取り組む

活動のあり方

  • 社会的な課題の解決につながる活動
  • 国内外の事業拠点の地域社会に根差した活動
  • 社員の主体的参加を重視した活動
  • 長期的に持続可能な活動

活動の領域:「文化」「学術」「環境」「福祉」を重点領域とする。

地域社会とともに

クラレグループは、国内に9カ所、海外に43カ所の生産拠点を有する化学メーカーです。地域の皆様に育てていただいた感謝を込め、これからも地域を愛し、地域とともに誠実に歩んでいきたいと考えています。
 2023年まではコロナ禍の影響で、地域の皆様との交流や対話が限られていましたが、2024年は国内外の各拠点でコロナ禍以前の活動を再開でき、さらに新たな社会貢献の取り組みも開始することができました。また、各自治体他と連携した森林保全活動や清掃活動、絶滅危惧種の保護など、生物多様性保全に貢献する活動にも取り組んでいます。

<地域における活動>

事業所・拠点 活動例
国内 少年少女化学教室
市民・学生スポーツ大会の開催
事業所周辺・海岸の清掃活動
マッチングギフト「ふれあい募金」の寄付
「観桜会」など地域イベントの開催または参加
「ランドセルは海を越えて」活動
海外 スペイン バレンシア洪水への災害支援
生活困窮者への寄付や支援活動
教育支援に向けた寄付活動
地域施設の改修
環境保全のための地域清掃活動
クラレ財団
クラレ財団HPへ
母子医療への支援
日本文化研究者の顕彰
絵画修復
若手美術家の育成
障がい者雇用促進に資する研究成果の提供


日本国内

倉敷事業所、くらしき研究センター

2024年はクラレ杯子ども会球技大会(ソフトボール、フットベースボール)を開催し、倉敷事業所グラウンドに子どもたちの大きな歓声が飛び交いました。サマーフェスタも例年通り行い、近隣住民の皆様と従業員の交流の場ができました。冬のクリスマスファンタジーでは事業所の正門前にある2本のヒマラヤ杉へLED50,000球の装飾を行い、近隣住民の方々に加えて県外からの訪問者もあり約5,000名が来場しました。また、地元の公園や河川、認定こども園の清掃や芝刈りなどのボランティア活動を継続しています。少年少女化学教室「おもしろかがく館」では、事業所近隣の小学校にて子どもたちと化学の実験を行いました。寄付活動のマッチングギフト「ふれあい募金」では、地元小学校やこども園へ遊具などを贈っています。
 さらに、倉敷事業所内に整備された『小鳥の森』が、公益財団法人日本生態系協会が実施する生物多様性の保全や回復に貢献する取り組みを評価するJHEP認証において、最高ランク(AAA)を取得しました。江戸時代に埋め立て造成された水島臨海工業地帯に位置しており、『小鳥の森』の整備時期(1964年~1966年と見られる)から現在までの間、事業所内の生産施設の改修や建て替えの中においても緑地を保全し続けて、対象地内には散策路と、同地に飛来する鳥類の解説板が設置されています。また緑地の管理として、敷地東側の下草刈り、遊歩道にかかる樹木の剪定等の維持管理を実施しており、今後も継続していく予定です。このように周辺に緑地が限られる工業地帯において、生きものの生息地や鳥類の渡りの中継地として機能しうる環境を確保してきた点で高く評価されています。今後も地域の自然との連続性を保つことで生態系ネットワークの一部となり、生物多様性保全に貢献する緑地を目指していきます。

JHEP(Japan Habitat Evaluation and Certification Program:ジェイヘップ):公益財団法人日本生態系協会が生物多様性の保全への貢献度を、客観的・定量的に評価、認証し、可視化できる国内唯一の認証制度です。事業実施によって得られる「将来50年間の自然の価値」が「評価基準値」を上回る場合、生物多様性の向上に貢献する事業、あるいは生物多様性へ影響を与えない事業として認証します。認証要件を満たすことが確認された事業は、ランク付けが行われます。 (将来見込型を除き、AAA、AA+、AA、A+、A、B+の6段階評価)

クリスマスファンタジー 地元の公園や河川の清掃 小鳥の森 認証式の様子 小鳥の森 全景

西条事業所

西条事業所は地域への貢献と共生を重視し、持続的に発展できる事業所を目指しています。毎年春に開催する「観桜会」は、西条市の桜の名所にも挙げられており、近隣の方に加え遠方からも観覧を希望する声があるため、来場できない方へ向けてドローンで撮影した映像をYouTubeにて配信しています。西条市内の小学生を対象に実施する「わくわく化学教室」や、協力会社を含めた従業員、その家族、地域関係者参加の「サマーフェスティバル」などの行事を通じて、地域との交流を図っています。また、従業員による「事業所周辺一斉清掃」や「ふれあい募金」による社会貢献活動や西条市の文化地域にある愛媛民芸館の支援も継続して取り組んでいます。

観桜会 わくわく化学教室

岡山事業所

岡山事業所は教育支援や環境保全の活動に重点を置いています。近隣の小学校から絵画や書道作品を募集し、商業施設にて「絵画・書道コンクール」を継続しています。また、中学校の職場体験や「ふれあい募金」による小学校への図書寄贈も続けています。
 環境保全活動では、旭川河川敷や事業所周辺道路の清掃を行い、さらに児島湖の清掃活動にも参加しています。また、地域とのふれあいも大切にしています。事業所施設を開放して実施した「サマーフェスティバル」では多くの地域の方が参加し大盛況でした。「ふれあいバレーボール教室」では、事業所体育館で近隣のスポーツ少年団の子どもたちを招待し、プロの選手から指導して頂くなど大好評でした。また、地域のコミュニティーハウスの建て替えや改修の際に費用の一部を寄付するなど、地域の一員として支援活動も実施しています。

ふれあいバレーボール大会 サマーフェスティバル

新潟事業所

新潟事業所は自然環境、生活環境に貢献し、地域から信頼される事業所を目指しています。2024年は、例年春に開催している「観桜会」の規模を拡大し、地域住民の皆様との交流を深めるイベント「クラレ桜まつり」を開催しました。9月の地元の中条大祭の前夜祭「民謡流し」には、約70名の従業員が参加し、中条音頭を踊り、地域の方々と交流しました。また、コロナ禍で開催を見送っていた近隣町内会との情報交換会を再開し、最新の事業活動について紹介しました。一方、地域の生徒や児童の学術・スポーツ振興活動として、秋には第31回中学生ソフトテニス大会を開催し、白熱した大会となりました。学校だけでなく地域クラブからの参加募集を促し、15チーム約120名の中学生が参加しました。さらに10月には近隣の2小学校にて少年少女化学教室「ふしぎ実験室」を実施し、化学の面白さを伝えました。それらに加え「森づくり活動ミラバケッソの森」や「たいないきれい隊」ゴミ拾い活動などの環境保全活動、「ふれあい募金」を通じた地域福祉活動も継続しています。

「桜まつり」消防体験 「中条大祭」前夜祭 民謡流し ふしぎ実験室

鹿島事業所

鹿島事業所は少年少女化学教室「おもしろ化学教室」をコロナ禍以前のように生徒とふれ合い、楽しく化学の面白さを知ってもらう形式に戻して実施しました。さらに、51回目の大会として「鹿島事業所親善バレーボール大会」を開催し、地域住民の約120名が参加して盛り上がりました。「ふれあい募金」では、近隣小学校に図書の寄贈を継続しており、鹿島事業所のある神栖市より表彰を受けました。
 地域の障がい者施設の利用者・スタッフの方々と当社の従業員が楽しく交流する「ふれあいレクリエーション」もコロナ禍での中止を経て2024年から復活しました。
 また、2024年からの新たな取り組みとして、地域小学生を対象としたサッカー大会「クラレカップ市民サッカートーナメント大会」の冠スポンサーとして協賛し、約300名(保護者等含めると約900名)が参加しました。さらに、2025年から地域小学生を対象とした絵画・書道のコンクールも開催予定です。
 また、鹿島事業所では生物多様性を保全する取り組みの一環として、神栖市のコウノトリ保護活動へ寄付による支援を行っています。コウノトリは絶滅危惧種であり国の特別天然記念物ですが市内での飛来が確認されており、神栖市では安全に営巣・孵化させるために人工巣塔を設置するなどの保護活動を実施しています。このたび4基目となる人工巣塔が建設され、1月にはそのお披露目と寄付への感謝状贈呈式が行われました。寄付金は巣塔の建設費の他に、桜の維持活動を行う神之池緑地公園桜守(さくらもり)プロジェクトにも充てられています。今後も生物多様性の保全をはじめ、地域に貢献できるような取り組みを進めていきます。

クラレカップ市内トーナメント大会 コウノトリ巣塔

鶴海事業所

鶴海事業所は、“海と陸の豊かさを守り、住み続けられる街づくり”を合言葉に、2023年から新たに生物多様性保全に関する取り組みを開始しました。2024年は従業員とその家族を対象に「化学教室&生物多様性学習のイベント」として、近隣の海岸清掃と岡山理科大学の山本准教授による特別講演を依頼しました。地域福祉活動では、事業所内献血を3回行い、合計84名の方々が参加しました。2024年は献血活動継続年数15年以上の献血団体として、日本赤十字社より「銀色有功章」を授与しました。また「ふれあい募金」では、備前市内の認定こども園および小規模保育事業所計11か所にワンタッチテントを寄贈しました。近隣清掃活動では、県道清掃を春と秋の2回実施し、毎回80名前後の従業員が参加しました。
 2025年も引き続き、SDGsの目標に考慮した生物多様性保全活動に取り組みます。活動内容として、生物多様性保全の必要性、海のゆりかごといわれているアマモの再生活動、事業所近隣の海洋ゴミの実態についての学習イベントを実施しています。加えて、子どもたちが自らの手で実験を行うことで化学に興味を持ってもらうため、また地域の方に事業所を知ってもらうため、2019年から毎年開催している地元観光協会と連携した公開型化学教室も同時に開催しています。

ワンタッチテント贈呈式 化学教室 海岸の清掃活動

つくば研究センター

つくば研究センターでは、弱視者が参加するロービジョンフットサルのスポンサーとなっています。これをきっかけに当センターのフットサル同好会が交流戦の開催などを通じて、地域との交流の輪を広げています。また、2024年は、先進的な理数教育を推進している茨城県立並木中等教育学校の生徒を招待し、研究センターの見学や座談会を開催しました。今後も、地域社会との連携を深め、未来の科学技術の発展に貢献していきます。

研究センター 見学会

大阪事業所

大阪事業所は西日本最大のオフィス地区に立地する特性を生かし、働く人をつなぐ梅田ゆかた祭や、梅田の良さを再発見する梅田ミーツハートへの協賛、入居するオフィスビル主催行事への参加などを通じて、この地区で働く皆さまの交流と活性化に寄与しています。また、公益財団法人大阪日本民芸館の評議員の一員として、伝統工芸品の優れた技術を伝える役割の一旦を担っています。「ふれあい募金」では、関西地域の社会福祉法人などへの寄付を通じて広く地域社会の貢献に努めています。

梅田ゆかた祭り

東京本社

東京本社はオフィス街の中心地にあり、地域との直接の交流は多くありませんが、同じビルで働く他企業との交流や災害備蓄品の寄付を行っています。「ふれあい募金」では、中央区と葛飾区の小学校へ図書の寄贈を行いました。また、20年以上続けている「ランドセルは海を越えて」のイベント推進、クラレ財団の運営、災害地域支援等を行っています。

小学校への図書贈呈式

国内 グループ会社

クラレトレーディング

クラレトレーディングでは、2024年から新たに東京都の許可を受け「東京ふれあいロード・プログラム」という都と住民、企業が協力して行う道路の美化活動を始めました。2024年は梅雨入り前の5月に就業後の時間を活用して、従業員の健康促進も兼ねてウォーキングをしながら清掃活動しました。楽しく清掃が行えるように、拾ったごみの量と歩いた歩数でポイントを付けるチーム対抗にすることで、部署の垣根を超えた従業員同士の交流の場にもなりました。

歩道清掃活動

クラレプラスチックス

クラレプラスチックスは2016年から「垂井町一周駅伝大会」に単独協賛をしています。第58回を迎える2024年は例年に比べ風もなく暖かい日に恵まれ、当社からは2チームが出場し、一般の部17チーム中、7位・11位と大健闘しました。沿道では町民や応援に駆け付けた従業員の声援が響き渡りました。

垂井町一周駅伝大会

クラレノリタケデンタル

クラレノリタケデンタル三好事業所では、地域社会への貢献活動の一環として交通事故防止を目的とした交通安全立哨活動に参加をしています。三好事業所がある愛知県は交通事故死亡者数の全国一、二を争うエリアで、近くの幹線道路では昼夜問わず交通量も多いため交通安全の重要性が高まっています。このため、毎月1回、みよし市内に事業所を置く会社が順番に主要な交差点に立ち、通勤・通学中の歩行者や車両の安全を見守っています。三好事業所の従業員も参加し、交通安全意識の向上に努めています。今後も地域社会との連携を強化し、安全で安心な街づくりに貢献します。

交通安全立哨活動

海外拠点

クラレヨーロッパ

クラレヨーロッパでは、社会的、文化的、生物保全等の課題に取り組むプロジェクトやイニシアチブを支援しています。社会貢献に積極的な従業員がさまざまな寄付活動や社会活動に参加し、欧州におけるクラレグループの重要な活動になっています。
 社会活動では、例年通りマルタ社交デイ(NGOの主催する教育機関と連携したボランティアイベント)にて、多くの従業員が学校や保育施設の改修に取り組みました。トロイスドルフでは手先の器用な従業員がウェンディーハウス(子どもが中に入って遊ぶ小さな家)を建てたり、木馬を作ったり、地元の保育施設のためにモンテッソーリ教具(自己教育力を育む知育玩具)を作りました。
 寄付活動では、従業員が自ら支援したい団体を推薦する「クリスマス・ドネーション」にて、22の団体・機関に計2万ユーロの寄付を行いました。
 クラレヨーロッパ・スペインは、2024年10月末に発生した大規模な暴風雨で洪水被害にあったバレンシア地方支援のため、555ユーロ相当の食料と500ユーロを赤十字社に寄付しました。

マルタ社交デイ

クラレアメリカ

クラレアメリカは、社会的責任(CSR)イニシアチブを通じて、地域社会の活性化、教育の発展、環境の持続可能性の育成に取り組んでいます。地域社会の社会課題への適応力を強化するため、テキサス州、ノースカロライナ州、デラウェア州などのフードバンクとも協力し地元フードバンクへ食料品や食事の提供・支援を行っています。また、10年以上前から参加している「ジャパン・フェスティバル・ヒューストン」イベントを通じ、地域社会の強化と多様性の尊重、文化理解を促進し日米間の絆の強化を推進しています。
 環境への取り組みとしては、生物多様性と持続可能な活動の推進に重点を置いています。2012年からテキサス州のガルベストン湾財団などの団体と提携し、自然資源の保護と環境意識の育成を目的とした年次イベント「トラッシュ バッシュ(Trash Bash)」に参加しています。また、こうした取り組みの多くは、2020年に設立されたクラレアメリカ財団(KFA:Kuraray Foundation of America)を通じて行われ、KFAはクラレ社員と協力し、ボランティア活動、寄付、スポンサーシップを通じて地域社会の強化に取り組んでいます。

フードバンク ジャパン フェスティバル トラッシュ バッシュ

モノソル

モノソルは地域社会や環境に関するさまざまな取り組みを行っています。ボランティア活動では高齢者や子どもたちの食糧支援として栄養価のある食品を詰め合せたパントリーパックを用意し配布しました。
 また環境プロジェクトに積極的に参加し、自然環境保護に取り組むシャーリー・ハインツェ・ランド・トラストを支援しました。その他、動物愛護協会の支援、休日の寄付活動や高速道路の清掃活動も行い地域社会と環境に貢献しました。

動物愛護団体支援 清掃活動

カルゴンカーボン

カルゴンカーボンは地域社会との関わりを大切にし、さまざまな取り組みを実施しています。2024年は従業員の幼稚園から高校生までの約50名の子どもたちを保護者と一緒にペンシルバニアのオフィスに招くイベントを開催しました。ペンシルバニア日本人会(JASP)が、子どもたちのために日本文化に関するさまざまな体験を準備したり、カルゴンカーボン社の製品である活性炭を使った化学実験や脱出ゲームに挑戦するなど楽しいひと時を過ごしました。9月にはペンシルベニア州インペリアルのセレブレーションズで開催された、ウエスタン・アレゲニー・コミュニティ図書館を支援するイベント「Fall for Your Library」に参加しスポンサーを務めました。
 また乳がん啓発活動として、10月にカルゴンカーボンの従業員有志が、乳がん生存者と闘病者を支援するためピンク色の服を着用しました。また、ピッツバーグ地域のあらゆる年齢層の乳がん克服者に力を与えることを目的とした地元の支援団体「Pittsburgh Hearts of Steel」に寄付を行い、さらに意識と支援を広めるため、乳がんをテーマにしたクッキーを全拠点に郵送しました。

オフィス招待イベント 2024 United Way 乳がん啓発活動

クラレサウスアメリカ

クラレサウスアメリカは、2017年からブラジルのNGO「Casa do Zezinho」とパートナシップを結んでいます。この組織は、低所得の子どもや若者に教育や食料を提供し、社会的・経済的障壁を取り除き、人生の目標を追求できるような自立した思考力を養うことを目的としています。私たちはこの組織への寄付の他、日本料理や折り紙のワークショップを開催するなど日本文化の共有も進めています。
 「日本料理ワークショップ」では、日本食と日本文化におけるお弁当の歴史や意義を学ぶことができ、参加者は実際に調理をしてお弁当を盛り付ける体験しました。「折り紙ワークショップ」では、折り紙の起源やNASAの人工衛星に用いられた折り紙の技法などを学び、カエルや花などを作りました。

日本料理のワークショップ 折り紙ワークショップ

クラレコロンビア

クラレコロンビアはNGO財団であるユナイテッド・ウェイに協力し寄付金を拠出し、主に不安定な地域における教育プログラムの開発を支援しています。そのひとつに、カリブ海地域では初めての学習方法革新に特化した「Laboratorio Vivo (ライブ・ラボラトリー)」があり、新しい教育アイデアの創造と実験を奨励しています。

ライブ・ラボラトリー

クラレインディア

クラレインディアは2023年より女性の社会進出・活躍を推進し、経済的に弱い立場にある子どもたちに学習の場を提供する国連女性協会幼稚園への寄付活動を開始しました。この寄付は貧困層の子どもたちの文房具、本、その他の学用品に使用されています。2024年には幼稚園のアクティビティの一環として、グリーンバザール(Green Bazar)イベントが行われ、子どもたちの作った工作が展示されました。
 また、デリー・シーク・グルドゥワラという腎臓透析を必要とする患者へ無償提供する団体に対して継続的に寄付を行うとともに、2024年から新たにAkshaya Patra(=ヒンデゥ神話に登場する「無尽蔵の器」)というNGO団体への寄付も開始しました。この団体は、貧困層の子どもたちが通う公立学校へ無償で給食を届けています。

グリーンバザール

クラレコリア

クラレコリアは、工場がある蔚山(ウルサン)の福祉支援として2006年に設立されたシングルマザー施設であるMool-Pu-Rae(ムルプレ)へ寄付を行っています。賛同するクラレコリアの従業員からも寄付が集まり寄付金贈呈式を行いました。寄付への感謝として、クリスマスには Mool-Pu-Rae からイベントに招待されました。

ムルプレへの寄付

プランティック

プランティックは、豪州メルボルン郊外のアルトナ市の工業地帯に位置しています。従業員は毎月自社現場だけでなく周辺地域や道路も含めた清掃活動を行っています。プランティックでは、活動が安全かつ効率的に行われるよう従業員に保護手袋や道具を提供し集まったゴミの回収をしています。

清掃活動

上記以外の取り組み以外にも、クラレグループは世界中の拠点のある地域で、心を込めて社会貢献活動を実施していきます。

困難な時代を乗り越えるために

各拠点の独自活動に加えて、クラレグループは災害大国である日本に本社を持つ企業として、世界中の自然災害や戦争被害地域への人道支援を複数のNGO等への寄付を通じて実施しています。日本国内では、2024年に被害を受けた能登半島地震および豪雨災害からの復興支援も行っています。

また使い終わったランドセルを募集し、その中に文房具や手紙を入れてアフガニスタンの子どもたちに贈る活動「ランドセルは海を越えて」を長年実施してきました。現地の子どもや母親たちの困難な状況を理解し、クラレ財団により公益財団法人ジョイセフを通じて母子医療に特化した支援も実施しています。

アフガニスタンで子供の栄養状況を
チェックするカウンセラー

大規模災害支援

クラレグループには大規模災害支援規定があり、甚大な被害に被った地域への援助を行っています。グループ拠点の地域が中心になりますが、上記のように世界的に大きな災害には、適格な寄付先を選定して迅速な支援実施を目指しています。クラレグループが初期的な対応を中心とする一方、より長期的な視野で活動を行うクラレ財団では、復興フェーズへの移行に伴い発生する新たなニーズに対応しています。

ピースウインズジャパンによるハイチ地震からの復興を支援(カシュ―加工研修)

文化の薫り高い企業として

クラレグループは日本の倉敷市という文化の薫り高い地から創業しました。創業者が明治の時代でありながら地元市民のために西洋絵画を収集し、それが世界的にも有名な大原美術館の設立につながりました。クラレグループはその生い立ちから文化を大切にし、大原美術館や愛媛民芸館をはじめクラレグループゆかりの文化施設サポート、クラレ財団での日本文化研究者の顕彰、絵画修復、若手美術家の育成等、多くの文化施設、文化活動を支援しています。

公益財団法人 大原美術館
日本文化研究者の功績を評価し、
顕彰する人間文化研究機構を支援

障がい者とともに

国内5事業所では、1997年から知的障がい者の働けるクラレ作業所を設置し、障がい者雇用に熱心に取り組んでいます。また、クラレ財団では、企業の障がい者雇用促進に資するため、公益財団法人大原記念労働科学研究所と協業し、知的障がい者の就労と雇用後の定着に向けた課題解決の方策を、労働科学の手法により研究してもらい、研究成果は一般に提供しています。

知的障がいを持つ従業員と共に働く
職場の環境づくりマニュアル

Focus:ランドセルは海を越えて

「ランドセルは海を越えて」は、戦禍によって教育機会を奪われたアフガニスタンなどの子どもたちに、毎年、日本の小学生が使っていたランドセルを文房具や手紙を添えて贈る国際貢献活動で、これまでアフガニスタン・モンゴル・ネパール・カンボジアで活動実績があります。

2004年のスタートから21年目を迎えた2024年は、全国各地から寄贈いただいた6,863個のランドセルが海を渡り、アフガニスタンのナンガハール州にある小学校の子どもたちに学用品と合わせて届けられています。今までの累計は、163,408個になりました。今後も、より多くのランドセルをアフガニスタンの子どもたちに届けたいと考えています。