Planet

地球温暖化防止/GHG排出量と削減の取り組み

GHG排出量(Scope1&2)とクラレグループの取り組み

クラレグループの2021年度の総GHG排出量は、新型コロナウィルスの影響を受けて大きく減少した2020年度からさらに0.8%減少し、3,020千トン-CO2(2019年※対比では6.5%減)となりました。
クラレグループのサステナビリティ中期計画PlanetにおけるGHG排出削減の基準年

国内クラレグループでは、2021年度も各生産拠点で以下のGHG排出削減に継続して取り組みましたが、2020年度に新型コロナウィルス感染症の影響による世界的な需要減のため生産活動を抑制した状況から2021年度は生産量が回復したため、GHG排出量は2020年度に比べ111千トン-CO2増加し、1,340千トン-CO2となりました。GHG排出削減対策として、各製品の収率向上、原料・ユーティリティの回収利用、省エネ機器への更新、省エネ活動(ムダ取り活動)等に取り組み、目標を上回る30千トン-CO2(2016年度からの累計では100千トン-CO2削減)の削減を達成しました。また、GHG排出原単位指数は、2020年度比で7.7%向上しました。これは、多くの主要製品で生産量が回復したことで、プロセスのエネルギー効率が向上したことによるものです。

一方、海外クラレグループでも、各拠点で省エネルギーや収率向上等に取り組んだことに加え、一部の米国拠点において寒波による停電等により一時的に生産停止が余儀なくされた影響もあり、GHG排出量は1,680千トン-CO2と2020年度に比べ136千トン-CO2減少しました(33千トン-CO2相当の分離型エネルギー属性証明書によるGHG排出量削減分を含みます)。海外の生産拠点では使用する電力・蒸気のほとんどを外部から購入しているため、環境改善活動の成果を適正に評価する指標として、GHG排出量ではなくエネルギー使用量を用いた原単位指数で年度目標(対前年比1%以上の向上)を定めていますが、2021年度のエネルギー原単位指数は2020年度に比べ0.3%の悪化となりました。これは米国の寒波の影響で一部の拠点で生産停止が余儀なくされ、エネルギー効率の悪い運転となったことが影響しました。

クラレグループのGHG排出量は2014年度以降、ビニルアセテート事業、活性炭事業(カルゴンカーボン社)の買収などM&Aによる事業編入等の影響で、2019年度まで増加しています。特に、2018年のカルゴンカーボン社の買収の結果、クラレグループのGHG排出量は大きく増加しました。カルゴンカーボン社から排出されるGHGは、そのほとんどが製品である活性炭の製造プロセスで副生するCO2です。活性炭は原料となる石炭の一部を燃焼させ表面に細孔を形成することで製造します。このとき、細孔形成のために除去される石炭表面の炭素はCO2として放出されます。このように活性炭は製造時に多くのCO2を排出しますが、一方で活性炭は工場の排ガス中の有害化学物質の吸着除去、工場排水や飲用水原水などの浄化に不可欠な製品として広く使われており、地球環境の改善、環境負荷の低減に大きく貢献しています。今後は、製造過程で副生するCO2の分離・回収、利用、貯蔵(CCUS)に取り組んでいく予定です。

<GHG排出量(Scope1+Scope2)>

2017 2018 2019 2020 2021
クラレ
グループ
(国内+海外)
GHG排出量(Scope1+Scope2) 千トン-CO2 2,362 3,188 3,231 3,045 3,020
Scope1排出量 千トン-CO2 1,240 2,000 2,060 2,045 1,973
Scope2排出量 千トン-CO2 1,122 1,188 1,170 1,000 1,047

<GHG排出量・エネルギー使用量(国内、海外)>

2017 2018 2019 2020 2021
国内
クラレ
グループ
GHG排出量(Scope1+Scope2) 千トン-CO2 1,330 1,320 1,310 1,229 1,340
Scope1排出量 千トン-CO2 1,147 1,138 1,121 1,067 1,163
Scope2排出量 千トン-CO2 183 182 189 162 177
GHG排出量原単位指数 目標 対前年度比 1%以上の向上
実績 2.9% -3.5% -1.7% -10.9% 7.7%
削減対策量
(千トン-CO2
目標 対前年度比 13千トン-CO2以上の削減対策の実施
実績 9 13 21 14 30
海外
クラレ
グループ
GHG排出量(Scope1+Scope2) 千トン-CO2 1,032 1,868 1,921 1,816 1,680
Scope1排出量 千トン-CO2 93 862 939 978 810
Scope2排出量 千トン-CO2 939 1,006 981 838 870
エネルギー使用量 原油
換算
千KL
500 595 606 553 596
エネルギー使用量原単位指数 目標 対前年度比 1%以上の向上
実績 -7.5% 9.1% -5.9% 0.2% -0.3%

【ご注意】会計年度変更に伴い、本レポートにおける環境関連データはグラフも含め次の通りとなっています。

  • ・2013年度以前:4月-3月の12ヶ月実績
  • ・2014年度 :4月-12月の9ヶ月実績+2014年1月-3月実績(または推定値)(2013年度と重複しています)
  • ・2015年度以降:1月-12月の12ヶ月実績

GHG排出量(Scope3)

GHGプロトコルではGHG排出量をScope1、2、3の3つに区分しています。

・Scope1(直接排出量);
自社の事業所等で燃料などを燃焼させることで発生するGHG排出量
・Scope2(間接排出量);
他社から供給された電気、熱、蒸気など購入エネルギーに伴うGHG排出量
・Scope3(その他の間接排出量);
Scope1、2以外のサプライチェーン全体(原材料の調達から製品の廃棄まで)におけるGHG排出量

このうちScope1、2は事業者が算定し国に報告することが法で義務付けられており、クラレでも国に報告するとともに、クラレグループ全体のScope1、2排出量をクラレレポート、クラレHP等で公表しています。

一方、Scope1、2以外のサプライチェーン全体を考慮したGHG排出量であるScope3の算定は、クラレの直接的な事業活動による排出量だけではなく、原材料の調達から製品の流通、使用、廃棄に至るライフサイクル全体の視点から排出量を把握するもので、2013年度から国内クラレの一部のカテゴリを対象に算定し、公表しています。

Scope3の全15カテゴリのうち、当社非該当、あるいは、算定範囲が当社製品群のごく一部のため公表対象外としたカテゴリを除き、排出量が比較的大きい5カテゴリ(下図の①~⑤)について2021年度実績を算定しました。また、クラレグループ製品のライフサイクル評価による環境貢献の定量化も継続して進めています。

※GHGプロトコル(The Greenhouse Gas Protocol):世界資源研究所(World Resource Institute;WRI)と世界経済人会議(World Business Council for Sustainable Development;WBCSD)が中心になり、世界中の企業、NGO、政府機関等が参加して温室効果ガス/気候変動に関する国際スタンダードや関連ツールを開発するイニシアティブです。

[Scope3] サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量管理イメージ(対象:国内クラレ)
(図中の①から⑮はScope3のカテゴリを示す)

<GHG排出量(Scope3)*1

(単位;千トン-CO2

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
上流 購入した製品・サービス*2 628 684 598 388 563
資本財 92 121 170 108 91
Scope1,2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 126 130 140 130 153
輸送、配送(上流) 12 12 12 10 12
事業から出る廃棄物 25 24 27 26 23
出張 算定していません
雇用者の通勤
リース資産(上流)*3
下流 輸送、配送(下流)
販売した製品の加工 算定した範囲が当社製品群のごく一部のため、
数値は公表していません
販売した製品の使用
販売した製品の廃棄
リース資産(下流)*4 *4,5,6 当社に該当しません
フランチャイズ*5
投資*6
その他 *7 算定していません
合計*8 883 971 946 662 842
  • *1 国内クラレを対象とする(カバレッジ:40%)
  • *2 国内クラレが調達した主要原料57品目の購入金額に、各原料の金額ベースの排出係数(購入者価格ベース)を乗じて算定している
  • *3 リースを受けているものはオフィス、電気製品、社用車があるが、これらはScope1,2で算定している
  • *4 他社にリースしている資産はないため、非該当
  • *5 フランチャイズ制をとっていないため非該当
  • *6 有価証券報告書にも記載の通り、投資目的での他社の株式保有は行っていない
  • *7 企業活動に間接的に関係するカテゴリ1からカテゴリ15の範囲に含まれない任意の排出カテゴリ
  • *8 過去年度分を含め、一部算定範囲の見直しと修正を行いました

<Scope3のGHG排出量削減の取り組み例(製品輸送時の環境負荷低減)>

クラレでは製品をユーザーへ輸送する際の物流段階でのGHG排出量の低減に取り組んでいます。例えば、トラックでの輸送効率を改善するため、製品の保管場所(倉庫)を集約し、複数個所から出荷していた製品を1か所からの出荷として輸送単位を大ロット化することで、複数台のトラックで輸送していた製品をトレーラー1台に切り替える取り組み、トラック等の自動車から貨物列車、船など環境負荷の小さい輸送手段に転換する「モーダルシフト」の取り組みを継続しています。また、国が進める「ホワイト物流」推進運動に賛同し、2019年に自主行動宣言を提出しました。