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株式会社クラレ

1. 基本的経営戦略:“独自技術によるエコフレンドリー企業”を目指して

(1) 基本事業コンセプト

  • 国際競争力を有する事業の拡大
  • 地球環境の維持改善に貢献できる事業の拡大
  • 世界で独自の存在感が主張できる事業の拡大

(2) 事業運営基準

  • 1, 資本コストを上回るROAの必達
  • 2, 経営指標としてROAとキャッシュフローの重視
  • 3, M&Aの活用
  • 4, 業績悪化事業に対しての「事業再評価基準」による判断の実施

(3) 組織運営方針(環境変化に迅速に対応する企業風土の創成など)

  • 1, 組織のフラット化と大幅な権限委譲の実施
  • 2, 各事業・グループ企業の「自立」を指向(「カンパニー制」導入を目指す)
  • 3, グループ全体のシナジー極大化
  • 4, 業績をより反映させた処遇制度の構築
  • 5, BPRの推進、情報技術の活用

2. 事業戦略:プロダクト別及びマーケット別戦略

(1) プロダクト別戦略

酢ビ・ポバール系事業
酢酸ビニル 自製比率引上げなどによるコスト削減を図る。
ポバール グローバル展開と樹脂から一貫した川下事業の充実を図る。
<エバール> 一層のグローバル展開と新規用途開発による拡大を図る。
ビニロン・<クラロンK-Ⅱ> 素材特性を生かした新規事業分野の早期立上げを目指す。
イソプレン系事業
熱可塑性エラストマー 水添系(*)において質・量ともに世界トップメーカーを目指す。
ファインケミカル 徹底したコスト削減などによる業績の安定と、成長の見込める医薬中間体事業の拡大を図る。
(*) 水添系
水素を添加することにより、炭素間の二重結合を単結合に換えたスチレン系エラストマー。これにより通常のスチレン系エラストマーに対し、耐候性・耐熱性が向上している。
人工皮革事業

革新的な生産プロセス改良などの実施、徹底したコスト削減と品質の向上、及び欧米におけるマーケティング力の強化によるトップメーカーとしての競争力回復を図る。

上記事業を基幹事業とする。

ポリエステル事業

規模、キャッシュフロー、雇用確保などで重要な事業だが、急激な環境変化により業績が悪化している事から、徹底した収益構造改善を必要とする事業と位置付けている。

アクリル樹脂事業

ポリマーと高機能加工品を中心とする展開を進める一方、他社とのアライアンスなどを含めたコスト競争力の強化による収益改善を目指す事業と考えている。

(2) マーケット別戦略

電子情報・環境フレンドリー・環境関連・メディカルを戦略領域と位置付け、プロダクト別の基幹事業とともに今後の事業拡大の中心とする。

電子情報領域
  • 液晶偏光膜用ビニロンフィルム、リアプロジェクションTV用オプトスクリーン、電池用セパレーターなどは成長軌道に乗っている事から、市場動向に合わせた積極的な拡大を目指す。
  • 高耐熱性樹脂<ジェネスタ>や配線基板用液晶ポリマーフィルム<ベクスター>はグローバルな製品に育成するための事業戦略を推進する。
  • キャパシタ用素材は市場ニーズ(自動車用途など)に合った新素材の開発を促進する。
環境フレンドリー領域(環境負荷の高い素材を負荷の低い素材へ代替)
  • ビニロン・<クラロンK-Ⅱ>のアスベスト代替は欧州中心からグローバルな展開を図る。
  • ガスバリアー材は<エバール>を核とし、他のバリアー素材を含めた総合展開を図る。
  • 塩化ビニル・加硫ゴム代替は熱可塑性エラストマー<セプトン>を核とし、他のエラストマーを含めた総合展開を図る。
環境事業領域(環境の維持改善に寄与する事業)
  • 活性炭、PVAゲル<クラゲール>、及び工業膜では、PVAゲル及び工業膜、活性炭とを組み合せた水処理システムを展開し、拡大を目指す。
メディカル領域
  • 歯科材料と人工臓器を拡大する共に、分社化なども含め、事業スタイルに適した組織展開も検討する。