製品のはてな?

<メガフロー>

<メガフロー>は、どうやって水をきれいにしているの?

きれいでより安全な水道水に

Q 夏場は衛生面が心配。水の安全も気になりますね。
A

<メガフロー>は、私たちが普段口にしている水道水を、より安全な水にしようと開発したろ過システムです。水道水にわずかに混入する可能性のあるクリプトスポリジウム(※)を効果的に取り除くことから、自治体の浄水場で使われ始めています。

<メガフロー>を設置した浄水場
※クリプトスポリジウム。約3~5ミクロンの大きさの病原性微生物。塩素消毒では死滅せず、人間の体内に入ると急性胃腸炎を引き起こす恐れがある。

中空糸膜一本一本が活躍!

Q <メガフロー>が水をきれいにする仕組みは?
A

写真のように、<メガフロー>には中空糸膜を束ねたエレメントというものが入っています。この束ねられた中空糸膜1本1本がフィルターとなって、クリプトスポリジウムなどの病原性微生物を取り除き、安全な水を作ります。
中空糸膜1本1本の表面には、小さくて大きさのそろった穴がいくつも空いています。これがフィルターの役割をします。水はこの穴から染み込み、内部の中空部分を通って端に流れます。クリプトスポリジウムなどの病原性微生物は、表面のフィルターによってキャッチされ、ろ過された水だけが得られるという仕組みです。

中空糸膜
中空糸膜を束ねたものがエレメント
中空糸膜の拡大写真。1本1本の表面がフィルターとなり、病原性微生物を取り除きます

省エネ、省スペース

Q 従来の中空糸膜との違いは?
A

<メガフロー>の特徴は、一般の中空糸膜に比べて、膜の穴の大きさ(孔径)がとても大きいこと。一般の孔径は0.1~0.3ミクロン(1ミクロン=1/1000ミリ)までですが、<メガフロー>はその20倍の2ミクロン。世界で最大の孔径と言われているんです。

Q 世界最大?!でも、孔径を小さくする方が有効なような…。
A

大孔径のメリットは、水が中空糸膜に透過するときの抵抗が小さく、大量の水を処理できること。また、土地の高低を利用して設置すれば、加圧ポンプがなくても水をろ過することができるので、省スペース化・低エネルギー化に貢献するのです。
大孔径化はクラレの独自技術によるものです。大孔径の中空糸膜を作る方が、微細な孔径の中空糸膜を作るよりかえって難しいんです。孔径が大きいと中空糸膜を支える素材部分が少なくなり、中空糸膜の強度が落ちてしまうからです。そこで、強度を従来の中空糸膜と同じくらいに保持したまま、孔径を大きくする製造技術を見つけ出しました。

全国の自治体に向けて普及

Q 今後の展望は?
A

2003年春に東京都羽村市の浄水場に採用されたのに続き、全国の自治体に向けて普及を進めていきます。<メガフロー>はプールのろ過装置としても効果を発揮することが実証されつつあります。厚生労働省によるプールの水質基準が厳しくなる中、よりきれいで安全な水質を求めていきたいと思います。