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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)は、独自技術による新規光硬化性エラストマーを開発しました。当社独自の高分子技術により、エラストマー部と光硬化性部の分子量や配列を自在にコントロールし、これまでの光硬化性樹脂にはない優れた硬化性と柔軟性の両立を実現しました。
 紫外線を当てると素早く固まる光硬化性樹脂は、その加工性の良さなどから、接着剤やコーティング材をはじめ、幅広い分野に展開されています。例えば、ディスプレイや電子部品に欠かせない材料となっているほか、「3Dプリンター」の素材などとしても使用されています。
当社はこのたび独自開発した新規光硬化性エラストマーにより、粘・接着剤、コーティング材、成形材料の3領域を中心に、市場開拓を進めていきます。

1.開発の背景

光硬化性エラストマー
(硬化前サンプル)

当社は、ポリマーを自在に設計できる独自の「リビングアニオン重合」技術により、成形性に優れたスチレン系の<セプトン>や、柔軟性や透明性、耐候性に優れたアクリル系の<クラリティ>などの熱可塑性エラストマー製品を生み出してきました。
これらで培ったノウハウを生かし、幅広い分野で市場拡大が期待される光硬化性エラストマーの開発を進め、このたび新規光硬化性エラストマーの開発に成功しました。

2.「新規光硬化性エラストマー」の特長

光硬化性エラストマーの分子構造の模式図

  • エラストマー部分の長さの調整が容易で、柔軟性と強度の制御が自在にできる。
  • 各種モノマーとの配合の自由度が高く、様々な性能を発現できる。
  • 一般的な光硬化性樹脂に比べて硬化時間が短く、硬化後にも
    柔軟性を保つ。設計によっては粘着性を発現する。
  • 硬化時に収縮しにくく、寸法安定性が良好。
  •                
  • アクリル系由来の「透明性」「耐候性」「接着性」などの特長を併せ持つ。

3.想定用途

ターゲット領域 想定用途 本材料で期待できる性能
粘・接着剤領域 ディスプレイ、電子部品、光学用レンズ向け等 粘・接着性、硬化性、寸法安定性、柔軟性、透明性
コーティング領域 自動車用レンズ・反射板、印刷製版・インク、塗料、建材等 透明性、耐候性、加工性、柔軟性、硬化性
成形材料領域 3Dプリンター、ナノインプリント等 耐衝撃性、透明性、耐候性、柔軟性、硬化性

参考資料

光硬化性エラストマー(硬化後サンプル)

構造を変えた4種類の光硬化性エラストマーの、硬化後の応力―歪み曲線

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