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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤正明)は、オーストラリアのGordon Merchant No.2 Pty Ltdより、同社が保有するバイオマス由来のバリアフィルム事業を展開する、オーストラリアのPlantic Technologies Limited(以下「Plantic社」という。)の発行済株式の全部を取得する株式売買契約を締結し、同契約に基づく株式取得手続きを2015年4月2日に完了いたしましたので、お知らせいたします。

本買収の目的

当社は1972年に世界に先駆けて、プラスティックの中で最高レベルのガスバリア性を有する<エバール>(エチレン-ビニルアルコール共重合体)を事業化し、食品包装材料やガソリンタンク等のバリア化のニーズに応えてまいりました。さらに、レトルト食品の普及・拡大に対しては、高いガスバリア性を付与した透明バリアフィルム<クラリスタ>を開発・上市し、幅広いニーズに対応しています。

本買収は、世界的に顕在化している食品包装材料のバイオマス化というニーズに合致するバリア材の提供を可能にするものであります。また、独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与するという当社の企業ミッションに沿ったもので、<エバール>に代表されるバリア素材のリーディングカンパニーとして事業の更なる拡大を図るものであります。

Plantic社は、バイオマス由来のバリアフィルム事業におけるグローバルリーダーです。Plantic社の<PLANTIC>フィルムは、バリアパッケージの分野で幅広く使用されており、豪州、北米、欧州の大手スーパーなどで生肉、加工畜肉、鮮魚や生パスタ等の包装に採用されはじめております。今後は当社のグローバルネットワークを活用して、バイオマス由来のバリア材事業を拡大し、世界的な食品の消費期限延長やロス低減に対する要求の高まりに応えてまいります。

オーストラリアでは、<PLANTIC>フィルムは大手スーパーで採用されるなど、普及が進みつつあります。最大の食肉需要国である米国においては、現地生産あるいは他社とのアライアンスを視野に入れた事業拡大を図ってまいります。また、生肉やその他生鮮食品の消費期限延長が期待されている日本市場においては、<PLANTIC>フィルムによる食品包材のバリア化を推進し、食品ロスの低減に貢献してまいります。これらの施策によりバイオマス由来のバリア材事業の拡大を図り、3年後にグローバルで売上高100億円を目指します。

また、当社で培ってきたバリア材料の応用技術を活かして、食品包装材料以外の用途においても新たな提案が出来るシナジーの発現を目指していく所存であり、世界市場におけるバリア素材の拡大・強化をいっそう加速させてまいります。

Plantic社の概要

会社名 Plantic Technologies Limited
設立 2001年
所在地 オーストラリア・ビクトリア州アルトナ市
代表者 Brendan Morris
売上高 約30億円(2015年予想)
従業員 約70名
事業内容 バイオマス由来のバリア素材<PLANTIC>フィルムの製造販売

Plantic社は製造と研究開発を行う本社をオーストラリアに置き、バイオマス由来のバリア材を世界に向けてマーケティングしています。同社のユニークな高分子技術は、遺伝子組み換えでない特殊なデンプンをベースとしており、世界的特許を保有しています。同社の製品は再生可能な有機資源由来の物質を原料とした地球環境に優しい素材であると同時にガスバリア性を発現する素材として注目されており、既に豪州、北米、欧州の大手スーパー等で生肉、加工畜肉、鮮魚や生パスタ等の包装に採用され始めています。

当社は、本買収以前にPlantic社と日本および韓国市場における総代理店契約を結び、Plantic社のバイオマス由来のバリア素材の国内展開を開始しております。詳しくは、当社ウェブサイトの「ニュースリリース」に掲載しております2014年9月22日付「バイオマス由来のバリア素材<PLANTIC>フィルムを日本市場で展開」(http://www.kuraray.co.jp/release/2014/140922_02.html)をご覧ください。

以上