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株式会社クラレ

株式会社クラレ(社長:伊藤 文大 本社:東京都千代田区)は、このたび、「ヒッグス粒子発見に貢献したシンチレーション光ファイバー」が、平成25年度「繊維学会技術賞」を受賞しましたのでお知らせします。
なお、「繊維学会技術賞」は、6月11日、タワーホール船堀(東京都江戸川区)において開催された平成26年度「繊維学会年次大会」の中で表彰されました。

「繊維学会技術賞」は、一般社団法人繊維学会が主催するもので、繊維に関する優れた技術を開発し、繊維工業の発展に貢献した会員を対象として、その功労を顕彰するものです。

受賞者:新潟事業所 メタアクリル開発部
部材開発グループリーダー 新治 修

当社の「ヒッグス粒子発見に貢献したシンチレーション光ファイバー」の受賞は、

  • 独自製法により高性能プラスチックシンチレーションファイバー(PSF)を実用化したこと
  • 世界中の研究施設で使用されるまでに成長させ、素粒子物理学の発展に貢献したこと

などが評価されたものです。

PSFの外観(直径0.7mm)

プラスチックシンチレーションファイバーについて

コア(内側)が蛍光剤入りのポリスチレン樹脂、クラッド(外側)がメタクリル系樹脂とフッ素樹脂の二重構造(クラレ独自)になっているプラスチック製光ファイバー。放射線が当たると光るという性質をもち、放射線検出用素材として20年以上の使用実績がある。当社は独自製法により光学性能・寸法精度ともに優れた製品の製造に成功し、メタクリル樹脂の生産事業所である新潟事業所で生産している。

世界の最先端素粒子研究所で採用

PSFは近年、物理学の世界において、物質の最小単位を捉える「素粒子の眼」として評価が高まり、国内外の名だたる研究機関に導入されている。ヒッグス粒子を発見したCERNのLHCに加え、CERNと並ぶ世界最大級の高エネルギー加速設備を持つ米国の素粒子研究所「フェルミ国立加速器研究所」と「トーマス・ジェファーソン国立加速器施設」からもPSFの大量発注を受けている。両研究所では、「ニュートリノ」と「クォーク」の検出用としてPSFが採用。世界中の研究機関への地道な供給継続と、素材の品質向上のための技術蓄積の結果、今や放射線検出用素材のデファクトスタンダードとなっている。

【ご参考】当社における過去の本賞受賞実績

2010年6月 人工皮革<クラリーノ>環境対応型無溶剤タイプの工業化 (平成21年度「繊維学会技術賞」)
1999年6月 <クラロンK-Ⅱ>新規PVA系繊維の開発と工業化 (平成10年度「繊維学会技術賞」)
1997年6月 分散染料可染レーヨン糸の開発 (平成8年度「繊維学会技術賞」)
1981年6月 超ミクロクレーター繊維<クラベラSN-2000>の開発 (昭和55年度「繊維学会技術賞」)

以上

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