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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤文大)は、レトルト(※1)食品包装用の透明ガスバリアフィルム<クラリスタ(※2)>に高い防湿性を付与した<クラリスタCF>を開発、本格的な販売を開始しました。現在主流となっているアルミ箔を使用した積層フィルムからの代替を推し進めるとともに、レトルト包装化の進む流動食や点滴輸液、薬などの医療分野やペットフードなど、食品包装以外の分野にも積極的に展開していきます。

  • ※1 レトルト(加圧・過熱殺菌処理)とは
    レトルトは一般的に、袋詰めなどにした食品等を加圧・加熱・殺菌する装置。殺菌温度は120℃、30~60分が一般的だが、食味を保つために105~115℃のセミレトルトが行われたり、殺菌時間短縮のために125~135℃のハイレトルトなども行われている。

1.開発の背景

  • 単身者の増加や高齢化の進行などにより、自分で食事を作らず、レトルト食品や総菜等を購入して食べる人が増加している。
  • 電子レンジでの加熱調理が可能、焼却時の残渣が発生しない、金属探知機による異物検査が可能といった理由から、現在主流であるアルミ箔を使用した積層フィルムからガスバリア性のあるプラスチックフィルムをアルミ箔の代替として使用した透明積層フィルムの伸長が期待される。

2.<クラリスタCF>の特長

<クラリスタCF>使用例
スタンド袋・平袋形態のレトルト袋用の
バリアフィルム材料として最適

  • プラスチックフィルムとしては最高レベルのバリア性能(酸素・水蒸気)を発揮。
  • レトルト処理後も高いバリア性を維持するため内容物の変化が少ない。
  • 幅広いレトルト条件に対応。
  • 延伸、屈曲、摩擦などの物理的ストレスがかかってもバリア性の低下が少ない。
  • 電子レンジでの加熱調理が可能、
  • 透明性が高く、内容物の視認に好適。
  • 印刷、ラミネートなどの加工性が良好。
  • 溶剤系インク、水性インクともに直接印刷が可能。
  • 金属探知機の使用が可能。
  • 焼却時の残渣、有毒ガスの発生がない。
酸素および水蒸気に対するバリア性能
項目 レトルト(加圧加熱殺菌)条件 クラリスタC クラリスタCF 透明蒸着PET
酸素透過度
(cc/㎡.day.atm)
レトルト前 - 0.3 0.4 0.3
レトルト後 120℃、30分 0.4 0.4 0.5
水蒸気透過度
(cc/㎡.day.atm)
レトルト前 - 6 0.2 0.8
レトルト後 120℃、30分 6 0.2 2.0

3.販売目標

20億円/年

※2<クラリスタ>とは

クラレが2005年に独自に販売を開始したレトルト食品包装用の新しい透明ガスバリアフィルム。有機素材と無機素材のハイブリッド(複合材料)であるのが技術的な特徴。高いガスバリア性、耐レトルト性、透明性、二次加工性を併せ持つ素材として、各種のレトルト(加圧・加熱殺菌処理)食品のほか、医薬品、ペットフード、飲料といった包装に展開が期待されている。

以上

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