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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤文大)は、バラスト水管理システム<MICROFADE(マイクロフェード)>(定格処理能力:125~4000m³/h)の(※)施行前試験合格書(型式承認)を日本国政府から2012年5月30日付にて取得し、本格的に販売を開始いたしますのでお知らせします。

販売ルート

国内外に幅広いネットワークを持つ株式会社カシワテック(本社:東京都港区、社長:山下義郎)を通じて、販売および技術サービスを開始します。
国内、海外の造船所および船主向けにシステム、消耗品、交換部品を販売します。また海外主要港に消耗品、交換部品供給拠点を整備します。

販売目標

「バラスト水管理条約」(仮称)発効後、新造船、既存船の順次搭載が義務化されます。
ピークとなる2017年ごろには年間売上高200~300億円を目指します。

<MICROFADE(マイクロフェード)>について

  • 高精度フィルターによるろ過工程と低濃度活性物質注入による殺滅工程を複合したシステム。
  • 独自の高精度フィルターによりバラスト水中のLサイズ、Sサイズのプランクトンをほとんど除去する。残ったプランクトンや菌類を低濃度の活性物質を注入することにより殺滅する。(Lサイズ:50µm以上 Sサイズ:10~50µm)

特長

  • (1) 省電力:システムの運転時の電力使用量が少なく、発電機の追加を最小限に抑えることができ、特に制約の大きい「既存船」には有効なシステム。
  • (2) 省スペース:常温保存が可能な固形薬剤の採用により、特殊なタンク等の設置が不要。
  • (3) 安定的な性能:バラスト水管理システムはさまざまな海域(海水・汽水・淡水)で使用されるが、海域の水質、水温、塩分濃度や濁度により性能が左右されない。
  • (4) 搭載の容易性:工事日数を短くでき、搭載コストを抑えることができる。

以上の特長を有することから、小型船から大型船まで幅広い船型、また「新造船」および「既存船」の広い船種に適合するが、とりわけ需要の大きい「既存船」市場で高い評価を得ている。

船舶搭載イメージ

  • 型式承認は、2004年にIMO(国際海事機関)で採択された「船舶バラスト水及び沈殿物の制御及び管理のための国際条約」(「バラスト水管理条約」:仮称)に定める「バラスト水管理システムの承認に関するガイドライン(G8)」に基づいている。

ご参考

バラスト水とその問題について

  • バラスト水とは貨物船舶のバランスを保つための重しとして専用タンクに積み込む海水のこと。一般的に採水した国とは異なる国で排出されることが多いため、水中の生物が排出された海域で繁殖し、生態系に影響を及ぼすことが国際的な問題になっています。
  • この問題に対処するため、2004年2月にIMO(国際海事機関)でいわゆる「バラスト水管理条約」が採択され、船舶へのバラスト水管理装置の搭載が義務付けられることが予定されています。
  • 同条約では、外航船は、建造年およびバラストタンクの容量に応じ段階的に排出基準が適用されることが定められており、2017年には全ての外航船に同基準が適用される見込みです。

バラスト水管理条約の発効条件と現状

発効条件
IMO(国際海事機関)加盟国のうち30カ国以上の批准、かつ合計保有船舶量(グロストン)が世界の35%以上になった日から12ヵ月後に発効する。
現状
批准国35カ国、合計保有船舶量27.95%

株式会社クラレの概要

社長 伊藤文大
本社 東京都千代田区大手町1-1-3
売上高 368,975百万円(2012年3月期)
資本金 88,955百万円(2012年3月末)
主要事業 樹脂(ポバール樹脂・フィルム、PVB樹脂・フィルム、EVOH樹脂・フィルム)、
化学品(メタクリル樹脂、イソプレン系化学品、ポリアミド樹脂、メディカル関連製品)、
繊維(ビニロン、人工皮革、不織布、面ファスナー、ポリエステル繊維)、
その他(活性炭、水処理用高機能膜・システム)の製造、販売

株式会社カシワテックの概要

社長 山下義郎
本社 東京都港区高輪4-5-4
売上高 6,600百万円(2011年5月期)
資本金 220百万円(2012年3月末)
主要事業 船舶用消火・防災装置の設計・販売、他。

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以上