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クラレプラスチックス株式会社
(クラレグループ)

クラレプラスチックス株式会社(本社:大阪市、社長:佐々木 讓)は、橋梁や高架道路などのコンクリート構造物の内部に浸透した雨水を除去する、排水促進導水パイプ<クラドリップDC>を開発し、3月29日より発売を開始します。
<クラドリップDC>は、当社が昨年発売したユニークな導水パイプ<クラドリップ>を、コンクリート専用に改良したものです。樹脂製のパイプを特殊な不織布で被覆加工し、施工時におけるセメントペーストの流出を抑え、強度劣化の原因となるジャンカ(セメントと砂利の分離)の発生を防止します。
施工後は優れた吸水、排水性を発揮し、構造物の長寿命化とメンテナンスの向上に貢献します。橋梁などの床版(橋脚の上に載る道路敷設床部分)に埋設することで、腐食の原因となる雨水などの滞留を防ぎます。金属製パイプの場合には懸念される、電位差による腐食も発生しません。
当社の雨水対策用の導水パイプは、国内シェア7割(当社推定)の実績を持つ排水舗装用<クラドレン>、インターロッキング舗装の歩道や側道に用いられる<クラドリップ>に続き3品目となります。

開発の背景

  • 土木・建築分野では、コンクリート構造物の「長寿命化」に関する技術・製品が求められている。
  • 当社の雨水対策用のパイプ製品(<クラドレン>、<クラドリップ>)はユーザー評価が高く、これらの技術を応用したコンクリート専用パイプの開発をユーザーより求められていた。

製品の構造

  • 内管(<クラドリップ>)は、ファイバー(細糸)とモノフィラメント(太糸)を“組ひも工芸”のように編んだ、ユニークなハイブリッド構造。
  • 外側は、コンクリート養生シートに使用される特殊な不織布で被覆し、再び組ひも工芸のように繊維で固定。接着剤を使用していないため、優れた柔軟性や吸水性を発揮。

<クラドリップDC>の外観

不織布被覆構造

機能・特長

  • コンクリート打設後の一定期間、パイプを覆う不織布がセメントペーストの流出を抑える。
  • 施工完了後は、毛細管現象による高い吸水性能を発揮。
  • 樹脂素材のため、電位差による腐食が発生しない。
  • 細かい砂や土、モルタル等を通さず、雨水などの浸透水のみを確実に排水。
  • 経糸のない独自構造のため、柔軟性が高く施工しやすい。
  • 埋設時の形態安定性業界トップレベルを実現。
  • フレキシブルに編組された中空構造(接合部を有さない)のため、コンクリートの熱膨張と収縮に確実に追従。

主な用途

  • 橋梁や高架道路の床版(道路敷設床部分)、ジョイントプレート等(鋼材の継ぎ手部分)
  • コンクリート建設物(ダム工事、建築物基礎工事、トンネル等)
    今後の展開として地盤改良・液状化対策等も目指します。

参考資料

製品仕様

呼称 内径(mm) 外径(mm) 長さ(m) 重量(g/m)
10 10.0±1.0 15.0±1.0 25 50

施工現場事例:ジョイントプレート(鋼材の継ぎ手部分)

設計価格

  • 内径 10φ @2,750円/m

材質

  • ポリエステルファイバー
  • リサイクルポリエステルモノフィラメント
  • 不織布

売上目標

  • 初年度:1億円 3年後:3億円

当社の排水促進導水パイプ製品シリーズ

品名 用途(橋梁の場合)
<クラドリップDC> コンクリート構造内部(長寿命対策、モニタリング孔)
<クラドリップ> 砂・土・砕石・モルタル・インターロッキング舗装の歩道、側道など
<クラドレン> 排水性舗装のアスファルト道路など

断面イメージイラスト(橋梁)

会社概要

社名 クラレプラスチックス株式会社
本社 大阪府大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビルオフィスタワー
代表者 代表取締役社長 佐々木 讓
資本金 1億8千万円(クラレ100%)
設立 1934年1月
主な事業内容 ゴム・化成品、ラミネート製品、帆布・テント・オーニング、樹脂コンパウンド、導水管 などの製造、販売

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以上