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株式会社クラレ

株式会社クラレ(本社:東京都千代田区、社長:伊藤文大)は、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同開発した高性能土木建築用防水シート「エバブリッド」で、社団法人発明協会の平成23年度全国発明表彰「発明賞」を受賞しました。同賞は、科学技術的に秀でた進歩性を有し、かつ顕著な実施効果を上げている発明に贈られるものです。 表彰式は6月20日、ホテルオークラ東京(東京都港区)で行われました。

1.高性能土木建築用防水シート「エバブリッド」について

  • 「エバブリッド」は、トンネルなどの地下構造物を建築する際敷設する、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂系の防水シートです。「エバブリッド」の表面には特殊EVA樹脂が配合されており、硬化過程のコンクリートと化学的に接着(一体化)し、地下構造物内部への漏水の発生を防ぎます。
  • 地下構造物には内部への漏水を防止する目的で、地下構造物の外周に防水シートを施すなどの対策を行っています。しかし、従来の防水シートは、地下構造物を構築するコンクリートと接着(一体化)していませんでした。そのため、施工時の接合不良や破損などにより地下構造物内部に地下水が浸入した場合、防水シートとコンクリートとの隙間を水が通り、コンクリートのひび割れから地下構造物の内部に漏水が発生することがありました。このたび発明賞を受賞した防水シート「エバブリッド」は、化学的に地下構造物を構築するコンクリートと一体化するため、隙間から水が入り込むことを防ぎ、高い防水性を発揮します。その結果、漏水補修の手間やコストの削減に貢献します。

漏水防止のメカニズム

  • 「エバブリッド」は、2000年の開発・販売開始以来有用性が認められ、現在は開削トンネル、地下鉄駅舎などの建設現場で利用が拡大しています。
  • 株式会社クラレは、これからも独創性の高い技術で現場のニーズにお応えする製品を開発し、生活環境の向上に寄与してまいります。

開発担当者(=受賞者)

矢口 直幸 公益財団法人鉄道総合技術研究所 材料技術研究部 防振材料・主任研究員
舘山 勝 公益財団法人鉄道総合技術研究所 構造物技術研究部・部長
伊勢 智一 株式会社クラレ 新事業開発本部新事業企画部・主管
花森 一郎 元 株式会社クラレ 繊維資材事業部産資開発部・主管

2.全国発明表彰について

社団法人発明協会が毎年、優れた発明を完成した人、実施化に尽力した人、発明の指導・奨励・育成に貢献した人を顕彰する制度です。大正8年の第1回帝国発明表彰に始まり、現在は文部科学省、経済産業省、特許庁などが後援。最も優秀な発明に贈られる「恩賜発明賞」以下、「21世紀発明賞」、「特別賞(内閣総理大臣発明賞、文部科学大臣発明賞など9賞)」、「発明賞」などを選考委員会が決定、表彰を行います。

3.ご参考

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以上