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株式会社クラレ

当社は、平成19年6月20日開催の当社定時株主総会において、当社の株式の大量買付行為に関する対応策(以下「原プラン」)の導入について株主の皆様のご承認をいただき、同日付でこれを導入しましたが、その後引き続き、法令改正等の動向、昨今の買収防衛策に関する議論の進展等を踏まえ、原プランの内容について更なる検討を進めてまいりました。
かかる検討の結果として、当社は、本日開催の当社取締役会において、平成21年6月開催予定の当社定時株主総会(以下「本定時株主総会」)において、出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件として、原プランに替えて、以下の概要の当社の株式の大量買付行為に関する対応策(以下「本プラン」)の導入を決定しました。

本プランの内容につき、原プランからの主な変更点は、以下のとおりです。

  • 原プランでは、対抗措置発動の手続として、当社取締役会が特別委員会に対する諮問を行い、その勧告を最大限尊重して、対抗措置の発動の是非を判断することを基本としていましたが、本プランでは、この手続のほかに、所定の場合には、対抗措置の発動の是非につき株主の皆様のご意思を確認するために、株主意思確認総会を招集することもできることとしました。
  • 特別委員会の委員は、原プランでは社外監査役又は社外有識者から選任されるものとしていましたが、本プランでは、社外取締役及び社外監査役の中から選任されるものとしました。
  • 本プランの有効期間を3年としました。
  • 本プランにおいて対抗措置として無償割当てする新株予約権の取得に関し、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう大量買付行為を行う者等が所有する本新株予約権を当社が取得する場合、その対価として現金の交付は行わないことを明示しました。
  • 株券電子化、金融商品取引法等の施行に合わせて、関連部分を変更しました。

本プランの概要は以下のとおりです。なお下線部は、原プランからの主な変更点を示しています。

1. 当社の基本方針の概要及び本プラン導入の目的

昨今、買収対象会社の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ず、いわば敵対的に、突如として株式の大量買付けを強行する動きが顕在化しています。こうした一方的な株式の大量買付けの中には、

  • (i) 株主の皆様に十分な情報が提供されず、株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの
  • (ii) 株主の皆様がその条件・方法等の検討を行ったり、当社取締役会が代替案の提案等を行うための十分な時間が確保されないもの
  • (iii) その他真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの

等、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものもないとはいえません。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念及び企業価値の様々な源泉をなす重要な経営資源を十分に理解した上で、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えています。したがって、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある株式の大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
本プランは、このような基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、買付者及び買付提案者(併せて、以下「大量買付者」)が当社の株式の大量買付行為(注)を行う場合の手続(以下「大量買付ルール」)を定め、大量買付者に対し、株主の皆様のご判断に必要な情報の提供と、当該大量買付行為の評価・検討等に必要な期間の確保を求め、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的とするものです。

2. 本プランの適用開始と有効期間

  • 本プランは、本定時株主総会において、出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て承認可決されることを条件に、原プランの有効期間の満了時(本定時株主総会の終結後最初に開催される当社取締役会の終結時)をもって効力を生じるものとします。
  • 本プランの有効期間は、平成24年6月開催予定の当社第131回定時株主総会の終結時までの3年とします。

3. 大量買付ルールの概要

  • 大量買付者が大量買付行為を行う場合には、その実施に先立ち、大量買付ルールを遵守する旨の誓約その他一定の事項を記載した意向表明書を提出していただきます。
  • 当社取締役会は、意向表明書を受領後10営業日以内に、大量買付者に対し、提出していただくべき情報を記載したリストを交付します。大量買付者には、これに従い、当社株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「大量買付情報」)を提供していただきます。
  • 当社取締役会は、大量買付者による大量買付情報の提供が完了したと客観的合理的に判断する場合には、速やかに、その旨を大量買付者に通知するとともに、株主の皆様に公表します。その後、当社取締役会による大量買付行為の条件・方法等の評価・検討等を行うための期間(以下「取締役会評価期間」)として、最長60日(対価を現金(円貨)のみとする当社の株券等の全てを対象とする公開買付けによる大量買付行為の場合)又は最長90日(その他の大量買付行為の場合)の範囲内で合理的に必要な期間を設定します(なお、当社取締役会は、やむを得ない事由がある場合には、取締役会評価期間を最長30日間延長することができるものとします。)。大量買付者は、下記4.(1)(iii)記載の株主意思確認総会が招集される場合を除き、取締役会評価期間の経過後においてのみ、大量買付行為を開始することができるものとします。
  • 当社取締役会は、取締役会評価期間内において、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から大量買付行為の条件・方法等の評価・検討を行い、大量買付行為に関する意見をとりまとめ、その内容を大量買付者に通知するとともに、適時かつ適切に株主の皆様に公表します。また、必要に応じて、当該大量買付者との間で大量買付行為の条件・方法について協議・交渉するとともに、株主の皆様に対する代替案の策定等を行います。

4. 大量買付行為がなされる場合の対応方針

(1) 対抗措置発動の条件

(i) 大量買付者が大量買付ルールに従わずに大量買付行為を行い又は行おうとする場合
この場合には、具体的な大量買付行為の条件・方法等の如何を問わず、当社取締役会は、当該大量買付行為を当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう敵対的買収行為とみなし、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置を発動することができるものとします。
(ii) 大量買付者が大量買付ルールに従って大量買付行為を行い又は行おうとする場合
この場合には、当社取締役会が仮に当該大量買付行為に対して反対であったとしても、原則として、当該大量買付行為に対する対抗措置は発動しません。
但し、当該大量買付行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると明白に認められる場合には、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置を発動することがあります。
(iii) 株主意思確認総会を招集する場合
  • 上記(i)、(ii)及び下記5.(2)にかかわらず、当社取締役会は、所定の場合には、対抗措置の発動の是非につき株主の皆様のご意思を確認するために、株主意思確認総会を招集することができるものとします。
  • 当社取締役会は、株主意思確認総会を招集する場合には、対抗措置の発動の是非について当該株主意思確認総会の決議に従うものとします。
  • 大量買付者は、当社取締役会が株主意思確認株主総会を招集することを決定した場合には、当該株主意思確認総会終結時まで、大量買付行為を開始することができないものとします。

(2) 対抗措置の内容

当社取締役会は、上記(1)(i)又は(ii)において発動することとされる対抗措置として、差別的行使条件及び差別的取得条項を定めた新株予約権(以下「本新株予約権」)の無償割当てを行うこととします。
なお、上記の差別的取得条項には、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう大量買付行為を行う者等が所有する本新株予約権を当社が取得する場合、その対価として現金の交付は行わないことを含みます。

5. 特別委員会の設置及び諮問等の手続

(1) 特別委員会の設置

大量買付者に対して対抗措置を発動するか否か等について、当社取締役会による判断の合理性及び公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置します。特別委員会の委員は3名以上とし、社外取締役及び社外監査役の中から選任されるものとします。

(2) 対抗措置発動の手続

  • 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問します。
  • 特別委員会は、この諮問に基づき、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。
  • 当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、特別委員会による勧告を最大限尊重するものとします。
  • (注) 本プランにおける大量買付行為とは、(1)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け、若しくは(2)当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為又はこれらに類似する行為を指します

本資料(下記の流れ図を含む)は、本プランの概要をわかりやすく説明するための参考資料として作成されたものです。本プランの詳細については、同日付の別途開示資料をご覧下さい。

参考:大量買付ルールの流れ図