クラレは1978年1月、歯科材料製品第1号として<クリアフィル ボンドシステムF>(虫歯治療に用いる接着材・充填材のセット)を発売しました。以来<クリアフィル>をメインブランドとして、コンポジットレジン(充填材)、ボンド(接着材)、セメント(合着材)の3分野を中心に虫歯治療や審美修復*などに用いる製品を展開しています。その品質は医師や学界から高く評価され、接着材・充填材分野では国内トップシェアを誇ります。
近年の歯科治療では、「自然な歯をできるだけ損なわず、最大限に生かす」治療思想と、「できるだけ天然の歯質に近い審美的な修復」が主流となっています。
<クリアフィル>シリーズの接着充填材料は、虫歯の悪い部分だけを除去して、天然歯により近い色調で修復することができます。<クリアフィル>登場により、それまでの「アマルガム」と呼ばれる合金製詰め物から、樹脂をベースとするコンポジットレジンへと修復技術は急速に置き換わりました。
さらに当社の製品開発は、高性能を長期間維持できることに重きを置き、患者様のクオリティ・オブ・ライフ向上につながる歯科治療の発展に貢献しています。
<クリアフィル>製品には、クラレグループが長年培ってきたモノマー合成技術、高分子化学技術が応用されています。
<クリアフィル>は日本で生まれ、発展してきたリーディングブランドです。近年では海外の評価も高まり、急速に成長しています。海外での売上高は過去7年間で約3.8倍、売上に占める海外比率は60%に達しています。国内市場が少子化に伴って成熟化する一方、海外での成長余地はまだまだ大きく、新興地域での市場成長力とも相俟ってさらに拡大が期待されます。
日本 | 米国 | 欧州 | |
---|---|---|---|
コンポジットレジン | 30% | 5%以下 | 10% |
ボンド | 40% | 20% | 10% |
セメント | 20% | 5%以下 | 5%以下 |
3分野の市場規模 | 100億円 | 400億円 | 250億円 |
以上