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株式会社クラレ

本日から取壊される倉敷事業所(酒津)の 2本の煙突

当社では、研究開発体制の整備・強化の一環として、2005年8月より倉敷事業所の再編を進め、2007年5月にクラレ発祥の地・倉敷市酒津にあった大部分の機能を同玉島へ移転しました。そしてこの度、本計画の最終段階として酒津に残されたシンボルとも言える2本の煙突を取壊すこととなりました。
また、併せて「クラレ資料館」を開設しますので、下記の通りお知らせいたします。

煙突取壊し工事について

1) 解体対象

解体煙突 2基(鉄筋コンクリート製)
建設時期 西側 1931年、東側 1933年
規模 西側 高さ:47.5メートル、胴回り:下部4.15メートル、頂部2.85メートル
東側 高さ:47.5メートル、胴回り:下部4.70メートル、頂部3.05メートル
使用目的 ボイラー用煙突 (レーヨン停止後も残存部署に供給していた)
稼動停止時期 西側 2007年11月、東側 1997年12月

2) 解体工事

工事スケジュール 2008年7月14日〜8月末日
施工会社 株式会社 藤木工務店

「クラレ資料館」について

1) 目的

  • 1. 創業時代から残る旧総合事務所を整備して「事務所棟」として周囲の樹木とともに残し、新設する「クラレ資料館」とともに本店所在地としての事務所機能、OBを含めたグループ社員のコミュニケーションスペース機能として活用する。
  • 2. 「クラレ資料館」は「事務所棟」に隣接する講堂跡地に設置し、これまでに累積した資料類、映像・画像、建物模型など当社の足跡を示す資料・物品類を保管する。資料類は順次データ化し、バーチャル資料館システムを通じて検索・閲覧を行う。公開目的のいわゆる「展示館」ではないため、展示品は最小限に留めている。

2) 建物概要

  • 鉄骨造り 平屋建て
  • 建築面積 229m²(床面積 171m²)

在りし日の倉敷事業所(酒津)の総合事務所と煙突

在りし日の倉敷事業所(酒津) 航空写真

ご参考

1. 倉敷事業所(酒津)の沿革

当社は、1926年創業者大原孫三郎が倉敷絹織(株)として設立して以来、今年で82周年を迎えた。当時本社工場と言われた倉敷事業所(酒津)は当社の中では最も歴史の古い事業所で、1928年4月完成、翌5月にはレーヨン糸の生産が開始された。

倉敷事業所における各製品の生産開始時期
1928年 レーヨンフィラメント(1987年休止)
1938年 レーヨンステープル (1987年休止)
1972年 <エバール>フィルム(1985年、岡山事業所へ移設)
1980年 歯科材料(2001年、クラレメディカル(株)へ分社)
1981年 人工腎臓用中空糸(2007年、旭化成クラレメディカル(株)へ統合)
1985年 コンタクトレンズ(2005年、(株)ファシルへ移管)
1989年 メルトブローン不織布(1996年、西条事業所へ移管)

2. 倉敷事業所再編の経緯

倉敷における当社の事業拠点は、開発・生産拠点の「酒津」、研究開発拠点の「くらしき研究所」、生産拠点の「新倉敷=玉島」の3ヵ所で構成されていた。しかし、(1)技術開発が高度化・複雑化する中で開発機能の統廃合が必要になったこと、(2)酒津の建物・施設の老朽化が進み、今後の変化に対応できなくなったこと、(3)酒津周辺が市街地化し、事業所を運営していくことが困難となったことなどから、2005年7月に開発機能・生産設備・間接部門などを玉島へ移転・統合することに決定し、2007年5月に玉島(現倉敷事業所)に「生産・技術開発センター」を新設した。

3. 「クラレ資料館」の主要展示内容

  • 写真記録、昭和45年の工場模型、取壊し前の研修所模型、創業以来の銘板・看板、創刊から現在までの社内報、各種製品サンプルなどの展示
  • バーチャル資料館システムによる過去の社内報、テレビCM映像などの検索・閲覧。
  • 館内には、取壊しの始まった工場煙突の直径を示す原寸大の床面表示や食堂の柱・通風孔の現物など、往時を偲ぶ工夫を凝らしている。