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株式会社クラレ

当社はこのたび、国土交通省新技術探索システム(NETIS:New Technology Information System(*))に補強用ビニロン繊維<クラテック>の登録を行いました(登録番号:CG-070010)。今回登録した補強用ビニロン繊維<クラテック>は、セメントとの接着性などが良好、耐薬品性・耐候性レベルが高いなどの特長を生かし土木・建材用途で幅広く使用されていますが、これを機に法面吹付けモルタル向け公共工事などへの展開を積極的に図ってまいります。

現在、法面吹付けモルタルには補強材としてラス金網(φ2-50□)が使用されていますが、流し込みのコンクリート打設とは異なり、表面積が非常に大きいこと(広くて薄い)、一般的な養生が困難なこと(常に風雨や直射日光にさらされる)、地山影響を直接受けること(水・温度・地質等)などから、乾燥収縮等によるひび割れが発生しやすいなどの課題があります。そのため大きな補修費用が掛かる要因ともなっています。また施工時には、長期間近隣道路などを交通規制する必要があり、生活環境への影響を及ぼすこともありました。

2003年に当社が開発した引張強度が高くセメントと化学的に接着するビニロン繊維<クラテック>(品番:RFS400×18)は、モルタルに混入し法面に吹付けることで、高いひび割れ抑制効果を実現し、凍結融解などに対する耐久性も向上させています。さらに、従来工法であるラス金網を省略した場合、省力化・省人化にともなう工期短縮・コスト低減や美観保持などの効果も合わせて実現しました。
当社は今後、補強用ビニロン繊維<クラテック>を使用することでの経済性効果、生活環境の保護、保全効果向上を目指し、新設される法面だけではなく、補修が見込まれる老朽化した既設法面にも拡大させていきたいと考えています。

  • NETIS登録NO.:CG-070010
    技術名称:「法面モルタル補強用ビニロン繊維<クラテック>」
  • (*) NETISとは民間等で開発された優れた新技術を登録し、公共事業において積極的かつ円滑に活用していくための情報提供システムで1998年に設定された。

法面吹付けモルタル向け補強用ビニロン繊維<クラテック>概要

1. 特長

  • 収縮によるひび割れを低減。
  • 凍結融解などに対する耐久性の向上。
  • 省力化・省人化、ならびに工期短縮、美観保持が可能。(従来工法のラス金網を省略した場合には、近隣道路などの交通規制期間を短縮することができる)
  • 一般的な吹付けシステムでの練混ぜが可能。(現場設置の簡易プラント)

2. 採用実績

全国の一般道路法面・高速道路法面・産業廃棄物処分場のモルタル吹付などで、50万m²以上の実績あり。

3. 公示価格

1キロ当り 1,500円(消費税抜き・運賃込み・沖縄及び離島を除く)
1袋15kg入り

吹付け厚さ7cmの場合、m²当りの繊維価格は1,050円。
(推奨繊維添加量10kg/m3の場合)

4. 販売目標

NETIS登録後初年度 200トン 3億円
3年後 500トン 7.5億円