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当社はこのほど、ポリアリレート系のスーパー繊維<ベクトラン>カラー糸5色を取り揃え、2008年3月初旬より本格的に展開していきます。

<ベクトラン>は高強力高弾性率繊維で、優れた低クリープ性・非吸湿性・極低温下での高強力物性・耐湿磨耗性など、他のスーパー繊維には見られない種々の特長を持っています。日本国内では、水産資材などの既存用途に加えて、イヤホンコード・成層圏飛行船膜材のテンションメンバー、バレーボールやテニスのネットロープ、プラスチックの補強材料、海洋調査用ロープ、海上水輸送用実験バッグなどに採用され、また、海外では、NASAの火星探査車着陸用特殊エアバッグを始め、最近では防護手袋・ロープ・膜体の基布など、ベクトランの性能が活かせる用途での利用が進んでいます。

<ベクトラン>は製法の特異性から原着（*）という着色が可能なスーパー繊維です。従来のブラック・グリーン・ブルー・レッドに、さらに今回開発したブラウンを加え、計5色のカラー糸を取り揃えました。

<ベクトラン>カラー糸は、高強力・細径化・軽量化・低伸度・耐候性・耐磨耗性・振動減衰性などの特長を活かし、色によって異なる様々な分野で使用可能です。ブラック糸は主として漁網・防球ネット・アコーディオン式網戸のワイヤ代替用などに採用されており、今後さらに大型定置網などへの展開が期待されます。またグリーン糸はゴルフ練習場ネット・防球ネットに採用され、軽量・作業性向上・見えにくさ・風の抵抗を受けにくいなどの点で高く評価されています。ブルー糸はバレーボールやテニスのネットワイヤ代替として採用されており、従来のワイヤで問題となっていたささくれ立ちがなく、かつ繊維のため柔らかで使いやすいため、広く受け入れられています。レッド糸は振動減衰性を活かし、卓球ラケットの基布として使用され、適度な反発とソフトな打球感を実現しています。そして今回開発した新色ブラウン糸はゴルフ練習場ネット・防球ネット・漁網などへの展開を見込んでいます。

<ベクトラン>カラー糸として、今後さらにオレンジ・ピンクなどの新色を検討・開発し、色のバリエーションを拡充して、産業用・工業用・スポーツ用からさらに新しい用途へと幅広く展開していきます。

• （*） 原着とは原材料樹脂に着色物質を添加して繊維を着色する方法。略して「原着」という。溶融紡糸により繊維化するベクトランでは、添加する着色物質に顔料を使用する。顔料を選択することで種々の色の繊維を作ることができる。原着糸は一般的に洗濯や太陽光による退色性に優れ、かつ原着糸と接触する他のものへの色移りが少ないなどの特長を持つ。