ニュース

クラレファスニング株式会社
(クラレグループ)

<ニュー・エコマジック>

面ファスナーの<マジックテープ>や<マジロック>を製造・販売するクラレファスニング(株)(本社:大阪市、社長:高岡 光彦)は、2009年度中に織製面ファスナー<マジックテープ>の全製品を環境対応型の新生産方式による<ニュー・エコマジック>に全面移行することをこのほど決定しました。

京都議定書が1997年に採択され、環境に関する社会要請の高まりを背景に、クラレグループは2001年度から始まった5ヵ年中期経営計画の中で「環境中期計画」を定め、環境保全活動を推進してきました。当社もこの方針に基づき、環境対応型の製品開発に積極的に取り組んできました。

当社は、裏面に補強用バックコート剤として有機溶剤を用いるポリウレタン系樹脂を使用していた織製面ファスナーを、2002年に有機溶剤を全く使用しない無溶剤型バックコートへ全面切り替えしました。さらに、2004年にはバックコート剤そのものを使用せずに高品位・高品質が得られる「環境により優しい面ファスナーの新生産方式」を確立し、その後<ニュー・エコマジック>のブランドで販売してきました。

この新生産方式では、以前の有機溶剤型バックコート剤使用生産方式に比べ、素材製造から廃棄に至る全ステージにおける温暖化ガス排出量(CO2換算)で、約30%(標準品ベース、当社計算値)の削減効果が得られます。温暖化負荷の低減を目指す自動車・情報機器関連・大手スポーツアパレル等からの引合いが増加しており、またユーザーの要望に応えて、制電タイプ、耐熱タイプ、高破断タイプなどの<ニュー・エコマジック>差別化シリーズを商品化してきました。

2008年度中には、さらにフック側のソフトタイプ、ループ側のナップタイプ(起毛タイプ)、フックとループを兼ね備えた<フリーマジック>タイプなどへも新生産方式による生産を拡大していく予定で、全アイテムが揃うのを機に<ニュー・エコマジック>へ全面移行します。

当社は、今後とも、「環境により優しい面ファスナーの新生産方式」で、品質と機能を高め、より一層の市場拡大と環境への貢献を図っていく所存です。

商品概要

1. 特長

  • (1) <ニュー・エコマジック>標準品の全ステージにおける温暖化ガス排出量(CO2換算)は、バックコート剤(ポリウレタン系樹脂)を使用しないため、以前の有機溶剤型バックコート剤使用標準品と比較して約30%の削減効果を発揮する(当社計算値)。
    • 温暖化ガス排出量は、フックテープとループテープの対(幅25mm、長さ1m)当たりの全ステージ合計。
  • (2) PRTR制度の第一種指定化学物質(トルエン、ジエチルアミノエタノール、アクリルアミド、エチレンイミン等)やRoHS指令の規制物質(カドミウム、6価クロム、鉛、水銀、臭素系難燃剤)を含まない。
  • (3) ポリエステル素材であるため水に濡れても係合強力が低下せず、アウトドアスポーツ衣料用途にも好適。(従来のナイロン製では60%に低下)
  • (4) ポリウレタン系樹脂を使用しないため、難燃加工を施さなくても鉄道・自動車などの難燃基準に適合。
  • (5) ポリエステル素材でしかもバックコート剤(ポリウレタン系樹脂)を使用しないため、黄変の心配がなく、耐薬品性・耐候性も向上。
  • (6) ポリエステル単一素材からなるため、マテリアルリサイクルも可能。
  • (7) 従来品に比べ、軽く、薄く、風合いがソフトであるため、より広範囲な用途に展開できる。
  • (8) 従来品に比べ、縫製や接着剤による取り付けが容易。
  • (9) 従来の生産工程と比べ、リードタイムの大幅な短縮が可能となる。

2. フック&ループの仕様及び規格

(1)巾 16・20・25・30・38・50・100 mm
(2)長さ 25 m/ロール
(3)素材 ポリエステル100%
(4)色 40色(指定色も別途承り)

3. 販売目標(巾 25mm)

2007年度:10百万m 2009年度:50百万m

クラレファスニング(株)の会社概要

1. 本社 大阪市北区梅田1-12-39(新阪急ビル9F)
2. 社長 高岡 光彦
3. 資本金 1億円
4. 従業員数 134名(2007年3月末)
5. 業務内容 織製面ファスナー<マジックテープ>、成形面ファスナー<マジロック>、その他面ファスナー関連製品の開発・製造・販売。
  • <マジックテープ>は、織製面ファスナーでは日本のシェア60%でトップ)
  • <マジックテープ>、<マジロック>、<エコマジック>、<フリーマジック>、<ニュー・エコマジック>などは、(株)クラレの面ファスナーの登録商標です。