当社は、PVB(ポリビニルブチラール)フィルム(商標<TROSIFOL>(トロシフォル))の能力増強工事(年産8,000トン)を欧州現地法人クラレヨーロッパ(Kuraray Europe GmbH 本社:ドイツ・フランクフルト(Frankfurt)以下KEG)で実施していましたが、このほど試運転が完了し、本格稼動を開始しましたのでお知らせします。
(PVBフィルムの生産能力は年産26,000トンから年産34,000トンへ増加)
PVBフィルムは、当社が1958年に世界で初めて工業化したPVA(ポリビニルアルコール)樹脂を原料として作られるPVB樹脂をフィルム化したものです。PVBフィルムは、その強力な接着性と優れた透明性、高い膜物性などの特長を生かし、ガラスが衝撃を受けても大きく破壊されにくくし、破壊された場合でも飛散を防止する合わせガラス用中間膜として、建築用窓ガラス、自動車フロントガラス分野などで広く用いられています。
KEGは、合わせガラス用中間膜の生産・開発・販売において世界の約16%のシェアを持ち、特に欧州の建築用途においてはリーディングカンパニーの位置にあります。
ドイツ | ベルリン 国会議事堂のガラスドーム(写真1) |
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ドイツ | ボン ドイツポスト本社の窓ガラス(写真2) |
アメリカ | グランド・キャニオンに設置された馬蹄型の空中橋“スカイウォーク”の 側面部分のガラス(写真3) |
クラレグループは、PVA樹脂からPVB樹脂、同フィルムに至るまで一貫生産体制を整備し、酢ビ・ポバール系のダウンストリーム展開を強化・拡大しております。
今後ともクラレグループは、ユーザーと密着した開発体制を強化し、市場のニーズに十分に対応できる新製品の開発、新市場の創造に努め、PVBフィルム事業の強化・拡大に注力していきます。
生産能力 | 年産8,000トン(増設分) |
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場所 | ドイツ トロイスドルフ(Troisdorf) |
設備投資額 | 1,000万ユーロ |
KEGのPVBフィルム生産能力(増設後) | 合計 年産34,000トン(これまでの26,000トン+増設分8,000トン) |
(1)社 名 | Kuraray Europe GmbH |
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(2)資本金 | 3,100万ユーロ(※クラレ 100%出資) |
(3)社長 | Dr. Gerd Lepper(ゲルド・レッパー) |
(4)本社 | ドイツ フランクフルト |
(5)事業内容 | PVA樹脂、PVB樹脂およびフィルムの生産販売 繊維製品、化成品、歯科材料の輸入および販売 |
(6)従業員数 | 約540名 |