株式会社クラレ
当社は、本日開催された取締役会において、以下のとおり、当社株式の大量買付行為に関する対応策(以下「本プラン」)の導入を決定しましたので、その概要をお知らせします。本プランは、平成19年6月開催予定の当社定時株主総会において、出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て可決されることを条件に、当該定時株主総会の日をもって効力を生じるものとします。
1. 当社の基本方針の概要及び本プラン導入の目的
昨今、買収対象会社の経営陣との十分な協議や合意のプロセスを経ず、突如として株式の大量買付けを強行する動きが顕在化しています。こうした大量買付けの中には、
- (i)株主の皆様に十分な情報が提供されず、株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの
- (ii)株主の皆様がその条件・方法等の検討を行ったり、当社取締役会が代替案の提案等を行うための十分な時間が確保されないもの
- (iii)真摯に合理的な経営を行う意思が認められないもの
等、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものもないとはいえません。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念、企業価値の様々な源泉及び各利害関係者との信頼関係を十分に理解した上で、当社の企業価値・株主共同の利益を中長期的に確保・向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えています。したがって、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうおそれのある株式の大量買付けを行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
本プランは、このような基本方針に照らして不適切な者により、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の大量買付行為(注)を行う場合の手続(以下「大量買付ルール」)を定め、大量買付者に対し、株主の皆様の判断に必要な情報の提供と、当該大量買付行為の評価・検討等に必要な期間の確保を求めるものであり、当社の企業価値・株主共同の利益を向上させることを目的とするものです。
2. 本プランの適用開始と有効期間
- 本プランは、平成19年6月開催予定の当社定時株主総会において、出席株主の皆様の議決権の過半数のご賛同を得て可決されることを条件に、当該定時株主総会の日をもって効力を生じるものとします。
- 本プランの有効期間は、平成21年に開催される当社定時株主総会の終結後最初に開催される取締役会の終結時までとします。
3. 大量買付ルールの概要
- 大量買付者が大量買付行為を行う場合には、大量買付ルールを遵守する旨の誓約その他一定の事項を記載した意向表明書を提出していただきます。
- 当社取締役会は、意向表明書を受領後10営業日以内に、大量買付者に対し、提出していただくべき情報を記載したリストを交付します。大量買付者には、これに従い、当社株主の皆様のご判断及び当社取締役会の評価・検討等のために必要かつ十分な情報(以下「大量買付情報」)を提供していただきます。
- 当社取締役会は、大量買付者による大量買付情報の提供が完了したと客観的合理的に判断する場合には、その旨を大量買付者に通知するとともに、速やかに株主の皆様に公表します。その後、当社取締役会による大量買付情報の評価・検討等を行うための期間として、60日(対価を現金(円貨)のみとする当社の株券等の全てを対象とする公開買付けによる大量買付行為の場合)又は90日(その他の大量買付行為の場合)の期間(以下「取締役会評価期間」)を設定します。大量買付者は、この取締役会評価期間が経過した後にのみ、大量買付行為を開始できるものとします。
- 当社取締役会は、取締役会評価期間内において、必要に応じて外部専門家の助言を得ながら、当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の観点から、大量買付行為に関する意見をとりまとめ、その内容を大量買付者に通知するとともに、適時かつ適切に株主の皆様に公表します。また、必要に応じて、当該大量買付者との間で大量買付行為の条件・方法について協議・交渉するとともに、株主の皆様に代替案の提示を行います。
4. 大量買付行為が行われる場合の対応
(1) 対抗措置発動の条件
- (i)
- 大量買付者が大量買付ルールに従わずに大量買付行為を行う場合
- この場合には、具体的な大量買付行為の条件・方法等の如何を問わず、当社取締役会は、当該大量買付行為を当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう敵対的買収行為とみなし、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置を講じることができるものとします。
- (ii)
- 大量買付者が大量買付ルールに従って大量買付行為を行う場合
- この場合には、当社取締役会が仮に当該大量買付行為に対して反対であったとしても、原則として、当該大量買付行為に対する対抗措置は講じません。但し、当該大量買付行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なうものであると認められる場合には、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させるために必要かつ相当な対抗措置を講じることがあります。
(2) 対抗措置の内容
当社取締役会は、上記(1)(i)又は(ii)において講じることとされる対抗措置として、差別的な行使条件及び取得条項の付された新株予約権の無償割当てを行うこととします。
5. 特別委員会の設置及び諮問等の手続
(1) 特別委員会の設置
大量買付者に対して対抗措置を講じるか否かについて、当社取締役会による判断の合理性及び公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置します。特別委員会の委員は3名以上とし、社外監査役又は社外有識者から選任されるものとします。
(2) 対抗措置発動の手続
- 当社取締役会は、対抗措置の発動に先立ち、特別委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問します。
- 特別委員会は、この諮問に基づき、必要に応じて外部専門家等の助言を得ながら、当社取締役会に対して対抗措置の発動の是非について勧告を行います。
- 当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、特別委員会による勧告を最大限尊重するものとします。
- (注) 本プランにおける大量買付行為とは、(1)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合の合計が20%以上となる買付け、又は(2)当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを指します。
本資料(添付の流れ図を含む)は、本プランの概要をわかりやすく説明するための参考資料として作成されたものです。本プランの詳細については、同日付の別途開示資料をご覧下さい。