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株式会社クラレ

当社は、新規開発の製造技術による光学特性に優れたマイクロディスプレイタイプ(以下MDタイプ)リアプロジェクションテレビ(以下RPTV)用新規スクリーンの量産を2006年4月より開始いたします。

今回開発した技術・製品特長

長年培った高度な押出し精密成形技術を駆使。

  • 世界で初めて、両面賦形による0.15mmピッチのスクリーン量産技術を確立
  • 押出しによりアクリル樹脂シートの両面にレンズ等の微細形状が成形され、その後同一工程内でブラックストライプ(以下BS)印刷が施される一貫生産工程
  • 本製品は微細なピッチを実現しているため、モアレ(干渉縞)問題を回避し、透過型液晶(LCD)、デジタル・ライト・プロセッシング(DLP)、反射型液晶(LCOS)といった全てのMDタイプに対応可能
  • 新規開発の製法では、高い品質安定性を実現するだけでなく、大幅な生産性の改善を達成
  • 押出し技術を利用した両面賦形スクリーンとしては、従来、0.25mmピッチまでの製品が一般的で、画素ピッチとの干渉縞(モアレ)などの問題があり、一部のMDタイプに使用することができませんでした。
  • 0.15mmピッチ以下のスクリーンについては、PETフィルムを使用した製法もありますが、基材であるPETフィルムの表面に紫外線硬化樹脂を用いたレンズ成形、ならびにBS印刷が施されているため、生産速度の限界や工程数の多さ等の課題があります。

RPTVの市場について

近年、デジタル放送やDVDの普及により高品位な映像が身近になり、ホームシアターをはじめ、大画面テレビのニーズが急速に高まっています。大画面テレビ市場では、既存のブラウン管(以下CRT)テレビの他に、液晶テレビ(以下LCD)テレビ・プラズマディスプレイ(以下PDP)テレビ、RPTVなどがありますが、特に50インチ以上の大画面テレビでは価格優位性および省電力などからRPTVが注目を集め、米国、中国などを中心にRPTVが広がりを見せています。(50インチ以上の大画面テレビ市場規模は世界で570万台:2005年推定)

MDタイプのRPTVについて

RPTVの方式には、MDタイプとCRTタイプがあり、最近ではより高精細な画像を表示でき、薄型対応が可能なMDタイプが拡大しています。世界のRPTV市場に占めるMDタイプは、2004年で210万台、2005年で260万台にまで拡大する見込みです。

当社のRPTV用スクリーン事業について

当社は1988年のRPTV用スクリーン事業参入以降、ハイコントラスト化等、数多くの新規スクリーン提案を通してRPTVの高画質化に貢献してきました。現在、同分野では世界市場の約35%シェアを占めるまでに至っており、今後とも材料開発、光学設計、精密加工技術を進化・連動させ、年々激化する大型ディスプレイ市場に於いてRPTVの発展に寄与できるよう努力していきます。