(株)クラレ(本社:東京都、社長:和久井 康明)は、アキレス(株)(本社:東京都、社長:山中 靜哉)から遮熱性能を有する特殊なフィルムの供給を受け、クラレプラスチックス(株)(本社:大阪市、社長:岸 勝彦)で積層加工した優れた遮熱効果を発揮するテント・シート膜材<ヴァンクール>を開発、4月20日より全国販売します。
<ヴァンクール>は、太陽光などから出る放射熱を効率よく反射させる中空セラミックバルーンと白色顔料を含有した「遮熱層」と「着色層」の特殊な多層構造を持った遮熱効果の高いテント・シート膜材です。暑さの原因となる、放射熱のなかの近赤外線を効果的に遮り、侵入してくる熱を大幅にカットするので、テント内、シート下の温度上昇を抑えることができます。
当社では04年7月に太陽光下における実験を実施しました。屋根材に通常膜材を使用したパイプテントと<ヴァンクール>を使用したパイプテントを設営し時系列的に温度測定したところ、外気温が35℃を越えるような真夏日で、通常のパイプテント内では40℃をはるかに上回るような場合であっても<ヴァンクール>であれば35~40℃程度に抑えられ、最大で7℃の差が発現しました。
04年7月7日 計測 | 04年7月8日 計測 | ||||||
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9時 | 12時 | 15時 | 9時 | 13時 | 15時 | ||
外気温度 | 35℃ | 34℃ | 37℃ | 33℃ | 39℃ | 38℃ | |
テント内 対象物(*) | 通常品 | 44℃ | 43℃ | 48℃ | 41℃ | 49℃ | 47℃ |
<ヴァンクール> | 40℃ | 40℃ | 43℃ | 39℃ | 42℃ | 42℃ | |
差 | 4℃ | 3℃ | 5℃ | 2℃ | 7℃ | 5℃ |
当社では、(1)作業環境・生活環境の改善、(2)空調設備への負担軽減、(3)ヒートアイランド対策などに効果の見込める素材として多方面への展開を計画していきます。具体的な用途としては、店舗装飾用オーニング、家庭用オーニング、イベント用テント、トラックキャンバス、作業所上屋など幅広い分野への適用が想定されます。今回はその第一弾として、装飾用オーニング分野とイベント用分野を想定した製品を上市します。
塩ビ着色層、遮熱層(セラミックバルーン+白色顔料)、ポリエステル基布、塩ビ層の4層
(尚、用途によっては表面層には汚れ防止層が入る場合がある。)
厚さ | 0.6mm |
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幅 | 94cm |
重量 | 640g/m² |
上代価格 | 9,000円/m(税込み 9,450円/m) |
流通ルート | テント縫製店ルート、オーニングメーカールート |
売上目標 | (初年度) 20百万円(3年後) 200百万円 |
厚さ | 0.6mm |
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幅 | 93cm(小型)、104cm(大型) |
重量 | 630g/m² |
上代価格 | 93cm 8,000円/m(税込み 8,400円/m) 104cm 10,000円/m(税込み 10,500円/m) |
流通ルート | テント縫製店ルート、イベント業者ルート |
売上目標 | (初年度) 30百万円(3年後) 300百万円 |
本社 | 東京都新宿区大京町22 |
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社長 | 山中靜哉 |
資本金 | 146億4千万円 |
従業員数 | 1931名(04年3月末現在) |
業務内容 | プラスチック加工をコア技術とした、機能性フィルム、合成皮革、住宅・土木建築関連、自動車関連、電子部品関連、福祉関連製品、シューズ等の製造・販売 |
本社 | 大阪市北区梅田1-12-39(新阪急ビル9F) |
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社長 | 岸勝彦 |
資本金 | 1億8千万円 |
従業員数 | 200名 |
業務内容 | ゴム・プラスチックのホースおよび各種成形品、導水管、ラミネート製品、セプトンコンパウンドおよび成形品の製造・加工・販売 |