当社は新しい技術によるLCD(液晶ディスプレイ)用バックライト部品<ミラブライト>を開発しました。これより生産設備を新設し、2005年4月に生産を開始します。
さらに、顧客とタイアップして商品拡大を図り、06年初頭を目処に本格事業化を目指します。
<ミラブライト>は、液晶パネルのバックライトユニットを構成する導光板と拡散フィルムを、マイクロレンズ構造を介して一体化した「機能複合型導光体」です。
従来方式では、バックライト光源から液晶画面へと光を均一に伝える「導光板」、光をさまざまな方向へ広げる「拡散シート」、光を正面方向に揃える「プリズムシート」の三種の異なるシートを組み合わせてユニットを構成します。このように、バックライトユニットでは部品点数が多いため、部品点数を減らすと共に性能を上げることが求められています。
<ミラブライト>は、拡散シートとプリズムシートの機能を果たす特殊フィルム(OPフィルム)を、メタクリル樹脂製の導光板と貼り合わせ、一体化したものです。
従来の四層構造と同じ機能を単一層で満たすため、バックライトユニットの薄型化、品質の安定化、部材・組立コストの低減、収率向上などに結びつきます。
加えて、OPフィルムのマイクロレンズ構造は、導光板からの光を全反射で正面に導くため、光の取り出し効率が従来品より約20%向上します。(クラレ調べ)
将来的にはバックライトの技術革新=フィルム状バックライトの実用化を見通し、これに対応する超薄型の導光体(第二世代<ミラブライト>)の開発にも取り組んでいきます。
当社は現在、バックライト向けにメタクリル樹脂シートおよび導光体用メタクリル樹脂を事業化していますが、今後も成長が望まれる薄型ディスプレイ分野において、より加工度の高い部材開発へとダウンストリーム展開を進めています。
2003年3月に設置した「オプトデバイス商品開発センター」を中心に、市場に直結した開発体制を強化し、各種ディスプレイ部材の商品開発を進めています。
今回の開発品はこうした活動の一環から生まれたものです。当開発品は、本格事業化から3年程度で売上高30億円規模の事業に育成する計画です。
生産能力 | 月産10万セット(15インチ・ディスプレイ換算) |
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投資額 | 約3億円 |
事業所 | 鹿島事業所 |
稼動時期 | 2005年4月予定 |
2005年4月 | 小規模生産開始 商品拡大推進 |
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2006年 | 本格事業化(月産 12万セット) |
2008年 | 設備増強(月産 24万セット) 事業規模 30億円/年 |