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NBC株式会社
株式会社クラレ

「V-スクリーン」の概要

1. 技術概要

スクリーン印刷用のスクリーンには、ナイロン、ポリエステルなどの合成繊維やステンレス線が使用され、高精密な印刷精度を要求されるスクリーン印刷においては、ステンレス・スクリーンを用いるケースが主流。

PDPの生産工法の中で用いられているスクリーン印刷法(*1)は、特に高精度が要求されるため、電極、蛍光体印刷にはステンレス・スクリーンを、誘電体印刷には、ステンレスまたはポリエステル・スクリーンを使用している。

NBCとクラレは共同で超高強力繊維<ベックリー>を使用した高精密印刷用「V-スクリーン」を開発した。これにより、ステンレス・スクリーンに比べ、引張り強度が優れ、弾性回復力が高いため、印刷回数が増えても、印刷寸法精度がほとんど低下しない。

「V-スクリーン」イメージ 写真-1:20μmライン&スペース
(330メッシュ-23μm印刷面、専用感光性樹脂 VALUE PHOTO EMULSION TYPE-V1使用)

*1 スクリーン印刷法
印刷する基板の上にパターンが形成されたスクリーンを置き、開口部分だけにガラス・ペーストを付着させる方法。材料の無駄が出ないのでコストの低減が図れる。

2. 製品特長

(1) 高強力・高印刷耐久性
紗の引張り強度が高いため、高張力の紗張り品作製が可能。取扱性も良好。印刷耐久性にも優れる。
(2) 大型版に対応可能
細線でも強度が高いため、320cm幅の製織まで対応が可能。
(今後更に370cm幅まで対応予定)
(3) 低反射率
露光時の乱反射が少ないので、感光性樹脂の解像性が良好。そのため鮮明な印刷が可能。
(4) インキ抜け良好
インキとの親和性が低い(耐薬品性に優れている)のでインキ抜けが良好。細線印刷や薄膜・厚膜印刷にも高性能を発揮。
(5) 印刷精度良好
高張力、低クリープ特性から、高印刷精度を実現。

3. 展開分野

電子部品、半導体、プリント配線板などの精密回路印刷、PDPをはじめとするFPD(フラットパネルディスプレイ)などの高精度印刷。

4. 生産概要

(1) 生産工場
NBC 山梨工場(山梨県都留市井倉757)
(2) 生産品種
  • 380メッシュ 23μm(<ベックリー>糸)
  • 330メッシュ 23μm(<ベックリー>糸)
  • 250メッシュ 30μm(<ベックリー>糸)
  • 220メッシュ 36μm(<ベックリー>糸)
  • 160メッシュ 45μm(<ベックリー>糸)
  • 100メッシュ 70μm(<ベックリー>糸)
  • 50メッシュ 100μm(<ベックリー>糸)

5. 販売計画

2003年 3億円
2004年 6億円
2005年 10億円