当社は、超極細繊維不織布と高強力不織布を特殊加工にて複合することにより、透湿防水性に優れ、透明性も兼ね備えた新しいタイプの建築用ハウスラップ<バイソル>を開発し、11月10日から発売します。
ハウスラップは、住宅の防水性や防風性を高めるために、外壁と断熱材の間に使用されるもので、ポリエチレン不織布や透湿フィルムと不織布の複合品などが使われています。
近年の住宅は、工法や用いられる建材の改良などにより、気密性、断熱性が向上しています。その結果、暖房・冷房効率が向上し、省エネルギーにも一役かっています。その一方で、高気密化、高断熱化しており、湿気が住宅の中にこもりやすく、水分が溜まり、住宅の劣化、耐久性低下の原因にもなっています。このような劣化・耐久性の低下を防ぐためには、水分を外に逃がすことが必要になり、ハウスラップにも防水性能を維持した上で、高い透湿性が求められています。
今回開発した<バイソル>は、“超極細繊維不織布”、“特殊接着不織布”、“高強力不織布”の3層構造となっています。
表面には、透湿性に優れるメルトブローン製法の超極細繊維不織布を使用しています。さらに特殊接着不織布を用いた特殊加工をしたことで、超極細繊維不織布の持つ透湿性などの特長を損なうことなく、防風性・防水性・透明性を付与しました。これにより施工時に下地が透けて見え、従来品の一部で課題となっていた、作業性の改善につながります。また従来の方法では、高強力不織布と接着する際に表面の超極細不織布が持つ透湿性が損なわれるため、当社は中間層に用いる特殊接着不織布を今回新たに開発しました。
当社は1989年に超極細繊維不織布<ミクロフレックス>を事業化して以来、食品包装材料、フィルター用途など超極細繊維不織布の特長を生かせる分野での拡大を図ってきました。
<バイソル>は建築用ハウスラップですが、3層構造であるため、使用部材の組み合わせを変えることで、最終製品の性能を用途に応じて変更することが可能です。今後当社はこの製品で構築した技術を生かし、各種素材開発を進め、農業用、医療用をはじめ、各種包装材料として多用途に展開し、同事業の拡大を図っていきます。
表面層 | ポリプロピレン製・メルトブローン不織布 |
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中間層 | 特殊接着不織布 |
裏面層 | ポリプロピレン製・スパンボンド不織布 の3層構造 |