社長メッセージ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

2019年度における世界経済は、長期化する米中貿易戦争と各地域における地政学的リスクの顕在化に伴い、期を追うごとに不確実性が増大し、減速の傾向が浮き彫りになりました。かかる状況下、当社グループの業績においても、売上高は前年同期比27,188百万円(4.5%)減の575,807百万円、営業利益は11,620百万円(17.7%)減の54,173百万円、経常利益は12,896百万円(21.1%)減の48,271百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は1,956百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益33,560百万円)と前年同期を下回る結果となりました。なお、当連結会計年度において、2018年5月に米国子会社で発生した火災事故に対する訴訟に関し、和解費用を含む合理的に見積りが可能な損失など(50,590百万円)を特別損失に、受取保険金(10,360百万円)を特別利益に計上しました。

中期経営計画「PROUD 2020」におけるこれまでの2年間は、イソプレンにおけるタイ新工場の投資決定や、世界最大の活性炭メーカーであるカルゴン・カーボン社の買収と統合シナジーの発現など、将来の安定したポートフォリオの構築への取り組みを強化してきました。また、光学用ポバールフィルムや水溶性ポバールフィルムの設備増強など、成長に向けた戦略の具体的施策についても着実に実行しました。一方、業績面では世界景気減速の影響を受け、当社の主要用途である、自動車、ディスプレイ、電気・電子デバイス産業が調整局面に入り、需要が減退したため、計画を下回る結果となりました。「PROUD 2020」の最終年度となる2020年度の世界経済は成長がさらに鈍化し、当社事業を取り巻く環境も向かい風が続くことを想定しており、「PROUD 2020」に掲げた業績目標の達成は困難な状況です。このような状況の中、主要経営戦略の具体的施策を確実に実行していくとともに、設備投資を行った事業における早期の業績貢献化や、買収した活性炭事業におけるシナジー発現の加速など、キャッシュフローの創出に一層注力します。また、市場環境の変化などにより見直しが必要な事業においては戦略の修正を行い、2021年から新たに始まる次期中期経営計画に繋げていく所存です。
当社グループは創立100周年に向かって持続的に成長するスペシャリティ化学企業として、大きく飛躍するために今後も挑戦し続けます。

また、当社は株主の皆様に対する利益配分を経営の重要課題とし、事業展開の原資である内部資金の確保にも配慮しつつ、業績および利益状況等を勘案して継続的かつ安定的な配当を行なうこととしております。

2018年度から2020年度の中期経営計画「PROUD 2020」期間中においては持続的な業績向上を通じた利益配分の増加を基本方針に、親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向を35%以上、一株当たり配当金40円以上を目標としています。

株主の皆様には、今後とも一層のご理解とご支援賜りますようお願い申し上げます。

2020年2月13日
代表取締役社長 伊藤 正明