社長メッセージ

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
はじめに、令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興を心より祈念しております。

クラレグループは、2022年度からスタートした5ヶ年の中期経営計画「PASSION 2026」に掲げる3つの挑戦、①機会としてのサステナビリティ、②ネットワーキングから始めるイノベーション、③人と組織のトランスフォーメーション、を継続推進することで、顧客、社会、地球に貢献し、持続的な成長を目指しています。

2023年度を振り返ると、欧州では金融引き締めの継続による経済活動の停滞、中国では不動産市場低迷などによる成長の鈍化、加えて各地における地政学的な緊張などにより、年後半にかけて景気の減速傾向が強まりました。かかる環境下、当社グループの業績は、売上高は前期比246億円増の7,809億円、営業利益は117億円減の755億円、経常利益は150億円減の690億円、親会社株主に帰属する当期純利益は119億円減の424億円となりました。

2024年度においても、各地における地政学リスク、中国の景気低迷など不透明な状況が続くものの、インフレ圧力の緩和により金融政策の見直しが図られることで、年後半には景気は緩やかに回復に向かうことが期待されます。これらを踏まえ、2024年度の業績は、売上高8,300億円、営業利益830億円、経常利益770億円、親会社株主に帰属する当期純利益470億円を計画しており、前期比増収増益を目指します。イソプレン タイ拠点に加えて、新たに立ち上がる米国での活性炭製造設備、光学用ポバールフィルム生産設備、水溶性ポバールフィルム ポーランド新工場などを早期に安定稼働させ、収益拡大につなげてまいります。

当社は株主の皆様に対する利益配分を経営の重要課題と位置付け、中期経営計画「PASSION 2026」(2022年度~2026年度)期間中においては、親会社株主に帰属する当期純利益に対する総還元性向35%以上、かつ1株につき年間配当金40円以上を基本方針としています。
この方針のもと、2023年度の中間配当金は1株につき25円、期末配当金は25円とさせていただく予定であり、当期の年間配当金(予想)は50円となります。
2024年度の配当につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益470億円を前提に、中間配当金25円、期末配当金25円とし、年間配当金50円とさせていただく予定です。

株主の皆様には、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

2024年2月8日
代表取締役社長 川原 仁