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株式会社クラレ

「エバール ヨーロッパ社」イメージ

当社は、世界的に続いているEVOH樹脂(当社商標:<エバール>)の需要拡大に対応するため、エバールヨーロッパ社(ベルギー)に年産12,000トンの設備(増設後生産能力:年産24,000トン・2003年第3四半期完工予定・投資額:85億円)を増設します。

<エバール>は当社が世界で初めて開発した機能性樹脂で、その優れた気体遮断性を生かし、1972年の生産開始以来、食品包装材分野を中心に事業を拡大させてきました。また近年では自動車のガソリンタンクなど、非食品分野へも用途を拡大させており、当樹脂の需要は日米欧を中心に年率10%以上の拡大を続けています。現在、当社は岡山事業所(岡山県岡山市・生産能力:年産10,000トン)、エバルカ社(米国・生産能力:年産23,000トン)、及びエバールヨーロッパ社(ベルギー・生産能力:年産12,000トン)と日米欧で合計45,000トンの生産設備を有していますが、このままでは拡大を続ける需要に対応できないため、このたびの増設を決定しました。

<エバール>事業は、本年4月より始まった中期経営計画“G-21”の中で、当社が世界の中で独自性を発揮し、拡大を図る“基幹事業”のひとつとして位置付けられています。また<エバール>は“戦略領域”として注力していく分野の中の“エコフレンドリー領域”における中核製品であり、当社が目指す“独自技術によるエコフレンドリー企業”というコンセプトを具現化する事業と言えることから、このたびの増設では環境により配慮するため、生産プロセスの改良も加えています。

また当社は近い将来、エバルカ社(米国)で増設(年産12,000~24,000トン)することも視野に入れています。今後、欧米それぞれで<エバール>事業の拡大を図り、当社の発展につなげていきます。

エバールヨーロッパ社での設備投資の概要

1. 場所

ベルギー フランダース州 アントワープ

2. 生産能力

現状 年産 12,000トン
今回決定分 年産 +12,000トン(02年1月着工・03年第3四半期完工予定)
年産 24,000トン

3. 設備投資額

85億円

(参考)

1. EVOH樹脂の需要量(当社推定) 単位:万トン

  2000年度 2005年度
北米・中南米 2.7 4.5
欧州 1.5 3
日本・アジア他 1.3 2
合計 5.5 9.5

2. <エバール>の主な特長

  • 高い気体(酸素)遮断性(通常のポリエチレンの約7,000倍)
  • 優れた耐有機溶剤性
  • 塩素などを含まないため、ダイオキシンなどの有毒物が発生する恐れがない

3. <エバール>の主な用途とその比率

マヨネーズ・ケチャップなどの食品包装材 75%
ガソリンタンクなど、非食品包装材 25%

4. エバールヨーロッパ社の概要

正式名称 EVAL EUROPE N.V
本社 ベルギー フランダース州 アントワープ
生産能力 年産12,000トン
社長 秦 順之
資本金 12億BEF

5. エバルカ社の概要

正式名称 EVAL COMPANY OF AMERICA
本社 米国 イリノイ州 ライル
生産能力 年産23,000トン
社長 Thomas.W.McHugh
資本金 415万US$