トップステートメント

トップステートメント

代表取締役社長 川原 仁

私たちクラレグループは、1926年の創立以来、事業活動を通じた社会的課題の解決に正面から取り組んできました。創業者である大原孫三郎と第二代社長・大原總一郎は技術革新による事業の発展に努める一方で、企業の社会的責任を重視し、環境問題への対応や人々の生活水準の向上などに貢献してきました。この姿勢は現在もなお、企業ステートメントにおける私たちの使命として掲げている「独創性の高い技術で産業の新領域を開拓し、自然環境と生活環境の向上に寄与します。―世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる―」として脈々と受け継がれています。

クラレグループは長期ビジョン『Kuraray Vision 2026』を実現すべく、2022年2月度から5ヵ年の中期経営計画「PASSION 2026」をスタートしました。計画の中では、クラレグループがスペシャリティ化学企業として、顧客、社会、地球に貢献し、持続的に成長するために「機会としてのサステナビリティ」、「ネットワーキングから始めるイノベーション」、「人と組織のトランスフォーメーション」の3つの挑戦を掲げています。
 「機会としてのサステナビリティ」では、同時に策定した「サステナビリティ長期ビジョン」の実現に向け、クラレグループのマテリアリティに基づくサステナビリティ関連の各施策をPlanet、Product、Peopleに分類した「3Pモデル」で整理した上で、サステナビリティ中期計画としてKPIを設定し推進しています。

Planet施策において、クラレグループは、全社を挙げて2050年カーボンネットゼロの実現に向けた取り組みを推進しています。中間地点である2030年までのGHG排出量(Scope1、2)はベンチマークとした2019年対比で30%削減を目標に定め、具体的な取り組みを展開しています。さらに、クラレグループの製品・サービスには社会のGHG排出量の削減に貢献するものが多数あります。脱炭素の潮流をリスクだけではなく事業成長の機会とも捉え、さらなる価値を創出し、提案していきます。
 Product施策では、経済的価値に加えて自然環境または生活環境の向上への貢献価値が高い製品や技術に資源を重点的に配分していくことで、ポートフォリオを継続的に高度化させることを目的とした「クラレPSA (Portfolio Sustainability Assessment)システム」を2022年より運用しています。クラレPSAシステムは、製品開発のステージゲートや設備投資の判断基準の指標、マーケティングや用途開発の方向性検証、製品の訴求ポイントの確認などにも活用できるシステムとして期待しています。
 People施策について、私は、クラレグループの競争力の源泉は「人の力」つまり人的資本に尽きると考えています。「PASSION 2026」では人事システムにおけるグローバルな仕組みづくりとして「人事基盤・人材データの整備」「長期視点に基づく人材育成」「多様性を促進する人事施策」を重点的に進めます。

私たちの事業活動において「安全」はすべての礎となる絶対条件であり、安全第一で行動することが事業継続の大前提です。生産現場では、ともするとコストや計画に基づいた生産が最優先事項となりがちです。しかし、「安全」がしっかり確保されてこそ生産が安定し、最終的には利益への貢献が実現します。2019年より各事業カンパニー、事業部による海外生産拠点の保安管理体制の基盤構築活動を継続していますが、2022年より化学プラントと活性炭プラントを対象とするグローバルプロセスセーフティマネジメント監査チームを新たに設置し活動を開始しました。

「PASSION 2026」で掲げた3つの挑戦は、まさに従業員一人ひとりが互いにコミュニケーションを取り合って連携・協力し、“One Kuraray”となって新しい価値を世の中に創出する手段として、いずれも重要なテーマ設定であると考えています。クラレグループは創立100周年を迎える2026年に向けて全社一丸となり、情熱をもって3つの挑戦に取り組みます。
 クラレレポート2023、およびこのWebサイトでサステナビリティ関連の種々の施策の2022年度の進捗状況を報告しています。ご確認ください。今後とも皆さまの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。