kuraray 株式会社クラレ


<クラロンK-Ⅱ>

<クラロンK-Ⅱ>はどこが画期的なんですか?

更新日:2003/9/17

水を一切使わない製造方法

<クラロンK-Ⅱ>はどんなところが画期的なんですか?

ビニロンと<クラロンK-Ⅱ>の製造方法

ではビニロンと比べてみましょう。<クラロンK-Ⅱ>は、ビニロンと同じようにポリビニルアルコール(以下ポバール)を原料とする合成繊維ですが、ビニロンと違って製造工程で水を一切使いません。図のようにビニロンは、ポバールに水を加えて加熱溶解して水溶液とした後、小さな穴をもつ紡糸ノズルから高濃度芒硝(ぼうしょう)水溶液中に吐出させ、浸透圧の原理で水分を抜いていきます。水分は表面から抜けていくため、表面層は急速に固まり固い皮ができ、内側にはスポンジ状態というように繊維断面に密度ムラが生じます。結果、断面がゆがんだスキンコア構造をもつ繊維となるのです。一方<クラロンK-Ⅱ>では、一切水を使いません。ポバールを有機溶剤(DMSO)で加熱溶解後、ノズルを通して冷たいメタノール中に紡糸します。瞬時にポバール溶液はゲル状態となり、全体から均一に溶剤が抜けていくので、均一な構造の丸断面繊維ができるのです。ここがビニロンとの決定的な違いです。

製造方法の違いによって、繊維にどんな差ができるんですか?

<クラロンK-Ⅱ>は繊維構造が均一であることから、ビニロンよりも高強力を得やすくなります。また水を一切使わないことから、20゜Cくらいの常温の水でも溶けるタイプの繊維も製造可能となりました。

原料ポバールの特徴を繊維に反映

<クラロンK-Ⅱ>の特徴は?

原料であるポバールを変えることによって、(1)水溶性タイプ、(2)高強力タイプ、の繊維を製造できることです。

(1)と(2)は相反する特徴じゃないですか?

「水に溶けて強い」のではなく、(1)と(2)は別々なんです。原料のポバールを使い分けることで、性質の異なる<クラロンK-Ⅱ>を製造しています。通常、ポバールの性質は「けん化度」で区別されていて、分子構造中、水酸基(OH基)が多いほど「けん化度」が高いといいます。水溶性タイプは「けん化度」の低いポバールから、高強力タイプは「けん化度」の高いものから製造します。ですから<クラロンK-Ⅱ>は、原料ポバールの特徴を繊維に十分反映させることができる製造技術ともいえると思います。

<クラロンK-Ⅱ>はどんな製品に使われていますか?

(1)水溶性タイプは、ウールや綿などあらゆる繊維素材と組み合わせ、独特な機能を付与します。最終製品では<クラロンK-Ⅱ>が水に溶けてなくなるのでその分軽くなり、かつ、ふんわりとした感じや伸縮性が得られます。一方、(2)高強力タイプは、屋根や壁などのFRC製品(繊維補強セメント製品)に使われています。従来はアスベスト(石綿)が主流でしたが、環境意識の高まりからアスベストに替わっての需要が増えてきています。さらに高じん性型セメント系複合材料に適した<パワロン>はECCと呼ばれ、特殊なコンクリートにも使われており、この分野での拡大に期待が寄せられています。

  • <クラロンK-Ⅱ>、<パワロン>はクラレの商標です。