更新日:2006/10/1
奥の綿100%の糸に比べて、手前の<セルナーレ>を合わせた糸はふわふわです
綿を糸にして生地にすれば、綿100%のシャツができますよね。綿やウールは衣料によく使われますが、天然繊維のためその特長を差別化するのは難しいものです。そこで、糸に付加価値を持たせるのが複合加工糸です。<セルナーレ>は天然繊維と化学繊維の両方にぴったりで、糸にふんわりした軽さや通気性を持たせることができるんです。
<セルナーレ>はクラレが開発した特殊水溶性樹脂<エクセバール>を溶融紡糸した<ミントバール>を原料にしています。そのため、染色などの工程で熱水をかけると<ミントバール>の部分だけが溶けてなくなり、残った糸との間にすき間ができます。それがふくらみとなり、軽くてやわらかい風合いに仕上がるのです。
<ミントバール>溶解前
<ミントバール>溶解後
<ミントバール>が溶けた後は、糸と糸の間にふくらみができています
下のイラストのように<ミントバール>を相手方の糸と複合して撚りをかけていきます。<ミントバール>が相手方の糸の中の方にもぐりこむよう、特殊な方法で加工していくのです。この手法によって溶かしたときに糸にふくらみとやわらかさを与えることができます。
通常の綿と<セルナーレ>の撚りの違い
<セルナーレ>を使った紳士用スーツ
糸と糸との間にすき間ができることによって、伸縮性を持たせられる点です。世の中にはポリウレタンのように伸縮性を持つ繊維がありますが、化学繊維を着ることに対して抵抗を示すのは女性よりも男性の方が多いんです。シャツやスラックスが綿を基調としているせいかもしれませんね。衣服は伸縮性がある方が気心地もいいし、縫製しやすいメリットがあります。そういったことから<セルナーレ>は綿やウールなどの天然繊維に伸縮性を付与できるのが強みです。
<セルナーレ>は軽さと通気性、風合いの良さからユニフォームや紳士用スーツにも採用され始めています。今後も衣料用途をターゲットとして、さまざまな衣服に展開していきたいと考えてます。