研究開発/商品・用途開発
専門技術を通じて
モノづくりに貢献できる喜び
つくば研究センター 成形・加工研究所
山田 佳実
2005年入社
発達科学部 人間環境科学科
私の仕事

テレビやパソコン、携帯電話など、今や現代生活の隅々にまで浸透している液晶ディスプレイ。その内部には、光を均一に拡散させるために欠かせないシートが組み込まれています。クラレでは、特殊フイルムの製造技術を駆使して、機能性に富んだ製品作りを推進。液晶ディスプレイの高機能化に大きく貢献しています。

液晶ディスプレイに不可欠な高機能フィルム

クラレは、ポバールや〈エバール〉、イソプレン関連製品といった特長ある素材の開発、製造を行っている化学メーカーです。それに加えて、近年は素材を生かして、機能性に富んだ部材の開発にも力を注いでいます。私たちの部署が開発を手がけているオプトデバイスの製品もその一分野といえます。
私が携わっているのが、液晶ディスプレイの構造に欠かせないシートの開発です。クラレは光学系の製品開発を積極的に進めていて、他社にはない製品を生み出しています。
液晶ディスプレイには、画像を映し出すための照明(バックライト)が内蔵されていますが、画面全体を均一に明るくするには拡散板と呼ばれるシートが重要な役割を果たします。現物は一見、何の変哲もない透明状の板ですが、実は微細な成形加工が施されていて、きわめて高い精度でバックライトの光を均一に拡散できるようになっています。クラレはシートを作るのに必要な素材をつくっているとともに、拡散板に成形する高度な精密加工技術を持っています。

技術課題をクリアしながら商品化をめざす

現在、私が担当しているのは、新たなバックライトの部品となるシートの開発です。これはバックライトのユニットを構成する導光板や集光部材を一体化した製品。従来、それぞれ別のシートを重ねていましたが、クラレはマイクロレンズ構造という超微細加工技術によって一体化に成功しました。
これによって、バックライトユニットの薄型化をはじめ、コストの削減、品質の向上などを可能にしました。そして、何よりも大きな効果は光の取り出し効率が大幅にアップした点です。液晶ディスプレイメーカーからは高く評価されていて、普及が着実に進んでいます。用途もパソコン用ディスプレイや液晶テレビにとどまらず、幅広い分野に及んでいます。
私は、このようなバックライトに用いるシートをはじめとする光学部材を開発するための光学的な設計および評価を担当しています。部材を開発する上での課題について、光学シミュレーションや光学測定などを通じて、解決策を探るとともに、性能のさらなる向上をめざしています。
開発に際しては、営業担当とともにお客様であるディスプレイメーカーの方々と何度も打ち合わせを行い、製品に対するニーズを的確につかむことに努めています。その後、自社の研究部門や生産・開発部門のメンバーと、開発に向けた取り組みを進めていきます。仕事を通じて、お客様や社内のメンバーから頼りにされていると感じることがやりがいにつながっていて、製品化に向けて全力をあげて取り組んでいるところです。

いずれは新商品の開発を手がけていきたい

仕事の中で重要なのは、計画性とスピード。製品の開発には数多くの人が携わっているため、スケジュールを常に意識して、連携を取るように心がけています。また、液晶ディスプレイは数ヶ月単位でリニューアルされるという開発サイクルの短い分野であるため、何事においてもスピードが求められます。そのため、開発途上で課題の解決策が見つからないときなどはプレッシャーを感じることがあるものの、商品化が徐々に進んできていて達成感があります。
どんな仕事であれ、時には厳しいこと、辛いことがありますが、何事も考え方次第。私はいつでも「仕事を楽しむ」という姿勢を大切にしています。その方が、前向きな気持ちになりますし、何か新しいことを生み出す上で良いアイデアが出てくるような気がするのです。
今は担当している開発を成功させることが一番の目標。新商品を世の中に送り出すことに集中しています。その先は新たな商品の提案・開発を手がけていきたいと考えています。そのためには、技術者としての視野を広げることが大切。自分の専門領域である技術情報については、常にキャッチするように心がけています。
私は就職活動時にクラレを訪問した際、社員のだれもが自社の技術に誇りを持っている点に強く魅かれました。私自身も先輩方の業績を引き継ぎ、後輩に誇れるような技術を生み出していきたいと願っています。

学生へのメッセージ

「今これをやっておけ!」

今までにないモノを作り出すためには、物事の原理をとことん究明することが欠かせません。そのために、学生時代は専攻の研究領域だけでなく、その基礎となっている学問をしっかり学ぶことが肝心です。
クラレでは物事の原理原則を重んじる一方、既成概念にとらわれることなく、新しいことに挑戦していく社風が培われています。研究開発にしても「自分がこうしたい」と願えば、それを認め会社だといえます。もちろん、自分から言い出した以上は、しっかり成果を上げることが求められますが…。
いずれにしても、組織としての許容度が大きな会社であり、自分自身が主体的に動くことができる(そして求められる)会社であるのは間違いありません。