研究開発/商品・用途開発
ポリマー技術の強みを活かし、
新素材の開発をめざす
くらしき研究センター 電池材料研究所
太田 有紀
2010年入社
工学府材料物性工学専攻修了
私の仕事

従来の電池素材にはない付加価値、さらには製造方法に関しても環境に優しい方法を検討しています。採用に至るまでにはいくつものハードルを越える必要がありますが、電池の未来を思い描いて研究に邁進しています。

リチウムイオン電池の部材であるバインダーの開発に取り組む

学生時代、あるメーカーのインターンシップをきっかけに、材料開発という仕事の面白さに気づきました。そこで就職活動の際、素材メーカーを中心に検討しました。クラレに着目したのは、会社の規模が大きすぎず小さすぎず、“適正”だと思ったから。そして、この会社なら若手にも重要な仕事を任せてくれるはずと感じたからです。加えて、面接時に話をした社員がいずれも自然体かつユニークな方々ばかりで、「これはフィーリングが合うはず」と思い、入社を決意しました。
最初の配属は、くらしき研究センターの合成研究所。ここで太陽電池の材料に関する研究開発を手がけることとなりました。そして入社2年目には、有機ELの世界的研究拠点である山形大学への派遣となり、共同研究を通じて最先端の研究に触れる機会を得ることができたのです。まさに入社早々から重要なテーマを任され、スタート時点から責任は重いものの、研究開発職としてやりがいのある日々を過ごしてきました。
現在は電池材料研究所に移り、リチウムイオン電池の部材であるバインダーの開発に取り組んでいます。それまでは将来を見すえた基礎研究でしたが、今度は電池メーカーというお客様のニーズに応える研究開発への挑戦です。電池の中には電極をはじめとしてさまざまな部材が用いられています。クラレでは、独自のポリマー技術を活かすことで画期的な部材の開発に挑戦しており、リチウムイオン電池の可能性を大きく広げることにつながると考えています。

物質としての安定性の確保が求められる、先端材料

先端材料はその機能や性能が画期的であればそれでOK、というほど簡単なものではありません。実用化を追求していく中では、性能や品質はもちろんのこと、物質としての安定性の確保が求められるほか、材料としての加工性の良さなど、クリアすべき課題は山積です。私が担当しているプロジェクトに関しては、性能評価などの実験スケジュールを立てる一方、機能発現機構の解明、安定供給のための品質管理処方、さらには特許関係の整備など、お客様の採用に向けた取り組みを加速させています。製品化に向けた挑戦はこれから本格化していきます。

自分のアイデアが製品として育っていくことで感じる充足感

クラレの仕事の魅力は、グラム単位のラボスケールの試作からトン単位の量産プラントの段階まで、新製品を世の中に送り出すプロセスに一貫して携わるチャンスに恵まれていること。自分のアイデアから生まれた試作品が、製品として育っていく様子を間近で見ることができる。そこにこの上ない充実感があると私は考えています。
私の当面の目標は、開発中の材料がリチウムイオン電池向けに採用されることです。市場が大きい分野である反面、開発競争が激しいところでもあり、顧客ニーズにいかに応えていくかが課題です。将来は研究開発の仕事に従事し続ける中で、社会にインパクトをもたらす材料の開発に挑んでいきたいと考えています。それとともに、女性の研究職の数がまだまだ少ない現在、後輩が安心して活躍できる道をしっかり作っていくのも私の使命だと思っています。

学生へのメッセージ

「今これをやっておけ!」

大学の研究と企業の研究開発はめざすものが異なるとはいえ、共通しているのは、自分の課題に責任を持って取り組むということです。たとえ、それが小さなことであっても確実に成果を出すということが、組織の中で信頼される人材の基本であると思います。また、どの分野でも同じですが、チームの中でのコミュニケーションを大切にしましょう。これは就職してからでは遅いので、学生時代のうちに他人と良好な人間関係を築くように心がけてください。