営業
世界全体を視野に、
今までにない一般消費財の
創造に貢献していく
Kuraray Europe GmbH BU Elastomer Sales Manager
松本 章
2000年入社
法学部 法律学科卒
私の仕事

ドイツの拠点を中心として、現地のスタッフとともに欧州での市場開拓に携わっています。これまでに、当社にとって未開拓だった東南アジアの市場攻略を担当したほか、インド、オセアニアを含めた、各地域におけるクラレのプレゼンス向上に努めてきました。新たに重要市場である欧州を担当する中で、世界全体を見渡した上での各地域におけるマーケティングの重要性を感じています。

海外営業ができて当たり前の部署。入社3年目から世界を飛び回る

クラレには、<セプトン>をはじめとする熱可塑性エラストマーという商品があります。これは、当社が蓄積した独自技術をさらに発展させて開発したもので、広い温度範囲でゴム状の性質を発揮する一方で、加熱すると溶融して、熱可塑性樹脂としての流動的な特性を見せます。その特性を生かすことで、各種の成形品用コンパウンドをはじめとして、粘着剤や接着剤のベースポリマー、プラスチック改質剤といった幅広い用途分野で使用されています。
当社はこの分野で技術開発を優位に進めるとともに、早くから海外での営業に取り組んできました。現在、北米をはじめ、欧州、中国・韓国などのアジア市場において市場を着実に広げています。高性能な<セプトン>に対する市場の評価は高く、今後も年10%程度の成長が見込まれています。
セプトン事業は早くから海外展開を行ってきたことから、海外との商談はできて当たり前という雰囲気が部署内にあります。私が<セプトン>の海外営業を手がけるようになったのは入社3年目から。当初は東南アジアやインド、オセアニアといった、当社がまだ手付かずだった市場を担当しました。そして現在、Kuraray Europe GmbHにてドイツ人上司のもと、欧州市場におけるエラストマー商品のマーケティング活動に従事しています。上司、同僚、部下ともドイツ人という組織体制で、優秀なスタッフのおかげで気持ちよく仕事に取り組んでいます。

素材を活用して新たな一般消費財を生み出していくことも使命

エラストマー商品は市場の中でも川上に位置するものだけに、取り引きをするお客様は素材メーカーなど限られています。商品に関する引き合いは多く、希望する仕様やコスト、数量、納期についてのリクエストがひっきりなしに舞い込みます。こう述べると、いかにも楽な仕事と思われるかもしれませんが、求められる条件に会社として応えることができるかどうかを見極めるのが営業の重要な仕事といえます。しかも、比較的短期間で営業の成果を出すことが求められるため、日々プレッシャーとの闘いです。
もう一つ取り組むべき課題は、新商品の市場への導入です。商品(素材)の新機能を活用して、一般消費財に新たな価値を付与すること、もしくはまったく新しい一般消費財を生み出すこと。これが私の使命です。こちらは息の長い取り組みである上、ビジネスとなる確率が低いものの、中長期的にみて市場でのプレゼンスを高めていく上で欠かせない活動です。
こうした仕事で成果を出していくには、逆説的ですが、できるだけ仕事をしない時間を作ることが欠かせません。ルーチンの仕事を軽視するわけではありませんが、これに時間をとられ過ぎると、創造的なことや根本的な戦略を考える時間がなくなってしまいます。良いアイデアは往々にしてリラックスしている時に現れてくれるものなので、ルーチンワークから自分を解放する時間をできるだけ作ることが重要なのです。

これからは世界市場全体を見渡して考えるという発想が重要

日本ではいまだに国内営業、海外営業といった区分けをしますが、日本の外に出てみると、実はあまり意味のないことだというのがわかります。これまでは日本が成長市場であったことから、両者に分ける必然性がありました。しかし、日本市場が成熟して縮小に転じた現在、世界におけるローカル市場の一つにすぎないといっても過言ではないでしょう。
今後は世界という全体を見渡した上で、各市場の特性を考えたマーケティングが重要になっていきます。そこで気をつけなければならないのは、全体最適を考えた商品政策と販売体制の構築です。例えば、日本市場ばかりを重視した、いわゆる過剰な部分最適に陥ってしまうと、経営資源の配分が上手く機能せず、グローバル展開に支障を来しかねません。これからの時代、世界を舞台にして活躍したいと考える人は、この全体最適という視点を大切にしてほしいのです。
海外で仕事をするというと、何か特別なことと思われるかもしれませんが、極端な話をすれば、使用する言語が異なるだけで仕事の本質は変わりません。コミュニケーションが重要というのは国内外とも同様です。ただ日本の場合は「以心伝心」で何となく意思疎通ができていると思い込みがちですが、海外では何をしてほしいのか、何をしたいのか、を相手に明確に発信しなければ、何も始まりません。
それと海外でがんばっていくためには「しっかり食べる」ことです。特に交通インフラが整備されていない新興国での仕事は体力勝負ですから、とにかく食べることが重要です。面白いことに、どこの国でも地元の料理を美味しそうに食べると歓迎されるものです。そこから営業に欠かせない人間関係を築くことも多く、海外ビジネスで成功するための秘訣といえるでしょう。

学生へのメッセージ

「今これをやっておけ!」

学生時代は専攻分野をしっかり勉強して、自分の強みとすることが大切です。それに加えて、海外に出ていくと実感するのが、幅広い教養と、それに基づく自分としての価値観の大切さです。海外でしかるべき地位の人と会話をすると、特にそのことを思わざるを得ません。
中でも、自国を含めた歴史についての教養は大切ですよ。もし「歴史はちょっと苦手だなあ」という人は、今から勉強しておいて損はないです。もちろん、歴史に限らず、政治や哲学、芸術といった分野でそれなりの蘊蓄を持って話ができると、相手から一目置かれるようになるでしょう。基本として、専攻の勉強が何より大切ですが、加えて幅広い観点から「知」を身につけてほしいものです。