ニュース

株式会社クラレ

当社が世界に先駆けて事業化したプラスチックの中で最高レベルの気体遮断性(ガスバリア性)を持つEVOH樹脂<エバール>。その<エバール>のフィルムは、良好なヒートシール(熱溶着)性を生かし、薬効成分や香りを守るバリアシーラント(バリア性内面材)として包装袋の内側に貼り合わされて使用されています。<エバール>フィルム使いのバリアシーラントは、効率よく品質を保つことができ、採用事例が拡大しています。

<エバール>フィルム バリアシーラント用途採用品例

©2014 Peanuts Worldwide LLC
www.SNOOPY.co.jp
※ アース製薬㈱さま ご提供

※ エーザイ(株)さま ご提供

1.採用拡大の背景

  • 医薬品、防虫剤、芳香剤の多様化、日用品市場における香りブームにより、薬効成分・香りの吸着を抑制し、長期にわたり内容物の成分を保持する機能性包装材料のニーズが拡大している。
  • 現在、包装材の内面材(シーラント層)は、一般的なポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系フィルムが使用されている。
  • これらは、薬効成分・香りの吸着量が大きいため、長期間内容物を維持するためには、あらかじめ内容物を増量する必要がある。
  • また、内面材の外側にバリア層を配置した場合、薬効成分・香りの種類によっては内面材を透過し、バリア層との間で剥離現象(デラミネーション)の発生や、開封性が悪化する問題がある。(参考資料①参照)
  • <エバール>フィルムをバリアシーラントとした高機能包装材料の評価が市場で高まっており、需要拡大が見込まれる。

2.バリアシーラント用<エバール>フィルムの主な特長

  • 包装材の内面材(シーラント層)に使用することで、内容物に含まれる薬効成分・香りの吸着を抑制し、オレフィン系フィルムと比較して薬効成分・香りの長期保持が可能。(参考資料②参照)
  • 薬効成分・香りの透過を抑えることにより、包装材のデラミネーション(剥離現象)を抑制する。
  • 厚みのバリエーションが豊富で、層構成の自由度が高い。
  • <エバール>シーラント専用のジッパー付き保香包装袋も開発済み。(同製品のプレスリリースはこちら

3.採用が拡大している分野・用途

  • 薬品分野:医薬品分包、湿布薬、塩素系消毒剤、防虫剤、害虫忌避材など
  • トイレタリー分野:芳香剤、消臭剤、衛生用品、各種香料など

【参考資料】

①包装材のデラミネーションの断面イメージ図

②バリアシーラント用<エバール>フィルム(EF-E)と代表的なシーラント材の性能比較

EVOH樹脂<エバール>とは

<エバール>は当社が1972年に世界で初めて開発・事業化した高機能性樹脂で、プラスチックとしては最高レベルのガスバリア性(汎用ポリエチレンの約10,000倍)を有します。優れた気体遮断性を生かし、食品の保存性に優れた包装材料を始め、化粧品、薬品の容器、また軽量化や成形加工を容易にしながら厳しい燃料ガスの排出規制に対応できるため、自動車ガソリンタンクへも採用されています。さらに、壁紙や床暖房用パイプなど住宅・生活関連分野などへも展開しており、世界的に需要が拡大しています。
同製品の紹介ページはこちら

※ 報道関係者様向け画像ダウンロードサービス

報道関係者様に限り、画像をクリックしてダウンロードの上ご利用いただけます。
ご利用に際しては、当社IR・広報部までご一報ください。

以上