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クラレプラスチックス株式会社
(クラレグループ)

クラレプラスチックス株式会社(本社:大阪市、社長:佐々木 讓)は、このほど(*1)全館空調システム用高断熱ダクトに高い不燃性を付加した、業界初の脱グラスウール製不燃ダクト<ファイアーブレイク(FIRE BREAK)>(特許公開中)を開発し、2010年3月1日から新発売します。

これまで一般的に不燃材料として使用されていたグラスウール製のダクトは、断熱層の厚みを必要とするため外径が大きくなりやすく、天井裏などの狭い場所では施工しにくいなどの問題点が指摘されていました。
このたび当社が開発した不燃ダクト<ファイアーブレイク>は、グラスウールを一切使用せず、ダクト外面にアルミガラスクロス、内面に特殊断熱材である発泡体や特殊配合の樹脂芯材、最内面に消音性を付与するための通気性不織布を配置した独自の構造になっています。そのため、ダクトのカットが容易であり、またダクト外径の小型化を実現することにより、施工性の向上にも寄与します。
(特許公開中。出願番号2007-111170、公開番号2008-267690。構造図参照)。

<ファイアーブレイク>の構造

<ファイアーブレイク>

<ファイアーブレイク>は、国土交通省の改正建築基準法(2000年6月施行)による(*2)建材不燃認定試験に脱グラスウール製不燃ダクトとして初めて合格し、国土交通省認定番号(NM-2543)を2009年10月に取得しております。
また、実際の火災を想定し当社が実施した<ファイアーブレイク>へのガスバーナー炎着火試験においても20分後燃焼なしという結果を得ました(外面状態も一部アルミ箔に小さな亀裂が見られるものの大きな損傷は見られない)。

当社では、今後不燃性が厳しく要求される全館空調システム用のダクトとして、住宅メーカー、電機メーカー、空調システムメーカー、住宅施工会社などに展開していく方針です。

<ファイアーブレイク>施行例

  • *1 「全館空調システム」…ダクト接続により24時間365日、全館のすみずみまで冷暖房を行き渡らせるとともに、新鮮な空気を室内に供給するもの。ひとつのシステムで「換気」「空気清浄」「除湿」「加湿」「冷暖房」などを行うことができる。
  • *2 ビルやマンション、木造耐火住宅などの空調、給排気に使用されるダクトの材質は「不燃であること」と法律で規定されており、国土交通省における建材不燃認定試験の合格が義務付けられています。
建築基準法に規定された不燃材料発熱性試験(約800℃で加熱開始後20分間での評価)
  • (1) 総発熱量が8MJ/m2以下のこと
  • (2) 防火上有害な裏面までの貫通する亀裂および穴あきがないこと
  • (3) 最高発熱速度が、10秒以上継続し、200kW/m2を超えないこと

製品概要

特長
  • 着火しても燃えない高い不燃性(国土交通省不燃認定品:認定番号NM-2543)を有する。
  • 高気密・高断熱性住宅向けの全館空調用ダクトとして高い断熱性をもつ。
  • 業界初の脱グラスウール製で、カット時グラスウールの飛散がないため施工環境がよく安全性が高い。
  • 内面に使用した樹脂芯材は扁平で平滑構造となっているためダクト内の圧力損失が低く、ダクト内の空気の流れがスムーズになって、送風機への負荷が小さくなる。
  • 最内面に通気性のある不織布を採用しているので優れた消音性がある。
  • 軽量で柔軟性・保形性があり、かつ外径が細いので狭いスペースでも施工しやすい。
  • 製品形態はワイヤーを使用していない樹脂芯材製長尺品であり、簡単に自由な長さにカットして使用できる。
用途
  • ビル、マンション、住宅、店舗などの冷暖房空調、給排気用ダクト
  • 不燃認定が必要な箇所のダクト
サイズ
  • 内径 50 mm、75mm、100mm、150mm、の4種
参考小売価格(消費税抜き)
  • 内径 100mm 7,200円/m
売上目標
  • 初年度:2億円 3年後:10億円

クラレプラスチックス株式会社の会社概要

本社 〒530-8611大阪市北区梅田1-12-39(新阪急ビル)
社長 佐々木 讓
資本金 1億8千万円
従業員数 203名(2009年3月末)
業務内容 ゴム・プラスチックのホースおよび各種成形品、導水管、フィルム・ラミネート製品、
<セプトン>コンパウンドおよび成形品の製造・加工・販売

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以上