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株式会社クラレ

当社は、総額7億円を投じ、ポリアリレート系のスーパー繊維<ベクトラン>の現行生産設備の能力増強工事(400トン/年)を、クラレ西条株式会社(愛媛県西条市)で実施していましたが、このほど11月5日から本格稼動を開始しました。これにより、<ベクトラン>の年産能力は600トンから1,000トンになりました。
このポリアリレート系繊維<ベクトラン>は、一般的にはスーパー繊維と呼ばれる高強力高弾性率繊維で、優れた低クリープ性・非吸湿性・極低温下での高強力物性・耐湿磨耗性など、他のスーパー繊維には見られない種々の特長を持っています。
日本国内では、水産資材などの既存用途に加えて、イヤホンコード・成層圏飛行船膜材のテンションメンバー、バレーボールやテニスのネットロープ、プラスチックの補強材料、海洋調査用ロープ、海上水輸送用実験バッグなどに採用され、また、海外では1997年と2004年に火星に着陸したNASAの探査機の特殊エアバッグを始め、最近では防護手袋・ロープ・膜体の基布など、ベクトランの性能が際立って活かせる用途での利用が進んでいます。
当社は、2005年4月に米国サウスカロライナ州にあるCAMI社(Celanese Advanced Materials Inc.)の<ベクトラン>事業を買収したことによって、大市場である欧米市場を自ら手掛け、市場ニーズ・情報をより早く的確に捉えることができるようになり、さらには一貫生産・販売を行うことで、日・米・欧3極におけるベクトラン事業拡大のスピードアップが可能になりました。
当社は、今回の400トン/年の増強によりベクトラン事業のグローバルな拡大を加速化させ、土木・建築資材、光ケーブル、さらには新規用途の分野でも一層の成長を目指していきます。

今回本格稼動を開始した設備増強の概要は次の通りです。

1. 増強場所
クラレ西条株式会社 愛媛県西条市朔日市892
(社長:橋本 克矢、資本金:1,000万円、クラレ100%)
2. 生産能力
増強分400トン/年(600トン/年→1,000トン/年)
3. 設備投資額
7億円