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クラレケミカル株式会社
(クラレグループ)

活性炭総合メーカーのクラレケミカル(株)(本社:大阪市、社長:港野 尚武)は、硬くて低微粉・低発塵の球形活性炭を開発しました。既存の破砕・顆粒・粉末・繊維状の各活性炭に加え、新しい形状の製品として球形活性炭<クラレコールSW>を2007年2月21日より新発売します。

この<クラレコールSW>は、当社の中国現地法人「可樂麗化学(寧夏)環境化工有限公司」(中国寧夏回族自治区石嘴山(しいずいさん)市)の工場で前工程処理したあと、当社鶴海工場(岡山県備前市)で後工程を通過し最終製品まで仕上げます。中国工場の生産能力は2006年11月には、1,000トン/年から2,000トン/年に倍増されており、これまでの造粒活性炭に加えこの球形活性炭を生産することで、中国工場の生産拡大に弾みをつけるものです。これにより、日本・フィリピンに続く第3の生産拠点である中国での生産体制を確固たるものにするステップとします。

一般的に粒状炭は破砕状・顆粒状・造粒状ですが、それらはシャープなエッジ部が存在するため、吸着装置への充填時や使用中におけるエッジ部の欠損などによる微粉の発生、またそれが原因となり圧力損失の上昇・偏流が起きやすくなる傾向があります。

しかし、今回開発した球形活性炭<クラレコールSW>は、球形状でありシャープなエッジ部が存在しないので、低微粉・低発塵でありそのような心配も少なくなります。さらには、硬くて耐磨耗性に優れているので取り扱いやすく、繰り返し再生して使用できるので経済的です。また、作業環境対応性に優れた優しい製品です。

用途としては、水処理とガス処理での幅広い使用が可能です。水処理では、上水・下水・浄水器・工業用水・し尿排水などの各種浄水の有機物除去に、またガス処理では、有害ガス・悪臭ガスの除去などに使用可能です。

商品概要

1. 特長

  • (1) 球形状なので、吸着塔への充填、抜取作業が効率よく行われます。
  • (2) 微粉の発生が少ないので、従来の破砕炭より作業環境にやさしく、実稼動を速やかに立ち上げることが可能です。
  • (3) 発塵の心配が少なく、粒子径が揃っているので不規則充填による偏流や通水抵抗の増大が抑えられます。
  • (4) 表面硬度、耐磨耗性に優れていますのでハンドリングよく使用できます。
  • (5) 使用時の割れ・欠けによる微粉生成も抑えられます。
  • (6) 再生により繰り返し使用できます。

2. 規格

(1)サイズ 直径 0.85~2.4 mm
(2)比表面積 約1,000 m²/g
※ 比表面積とは活性炭1g当たりの微細孔の壁の表面積。活性炭の吸着性能を表す。
(3)硬さ 98.5%(活性炭の硬さの試験方法 JIS K1474による)

3. 上代価格

800円~1,000円/kg

4. 販売目標

初年度 1億円
3年後 2億円

クラレケミカル(株)の会社概要

1. 本社 大阪市北区梅田1-12-39 新阪急ビル
2. 社長 港野 尚武
3. 資本金 6億円
4. 従業員数 218名(平成18年3月末時点)
5. 事業内容 粒状活性炭・繊維状活性炭・活性炭成型体・活性炭含浸シート・球状高吸水性樹脂等の製造販売、窒素ガス製造装置・活性炭再生炉の設計製造販売