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ザ・パック株式会社
松浦産業株式会社
株式会社クラレ

「バイオロープ」イメージ

包装メーカー大手のザ・パック、ハンドルメーカーの松浦産業、クラレの3社は、トウモロコシを原料とするポリ乳酸繊維<プラスターチ>製のペーパーバッグ用ハンドル「バイオロープ」を共同開発し、このハンドルを装着した環境に優しいペーパーバッグをザ・パックより1月20日に本格発売開始します。製品すべてが循環型素材で構成されており、プレマーケティングでは環境意識の高い企業を中心に高い評価を得ています。

今回の「バイオロープ」を使ったペーパーバッグは「自然に優しいパッケージ」を推進するザ・パックと「エコロジーマテリアル」化を進める松浦産業、「エコフレンドリー企業」を目指すクラレの共同企画によるもので、各社の環境に対する姿勢を具現化したものです。

ペーパーバッグを構成する素材である紙やインクなどのエコロジー化はすでに進んでいましたが、ハンドル部分は堅牢性(色落ちのしにくさ)の点から石油を原料とする素材が主流で、廃棄時の処理、石油資源の浪費などの問題がありました。
今回のペーパーバッグ用ハンドル「バイオロープ」に採用した<プラスターチ>は、トウモロコシなどの植物を乳酸発酵して得られるポリ乳酸を原料とする植物由来の生分解性合成繊維で、トウモロコシ15粒でペーパーバッグ1個分のハンドルがつくり出されます。この<プラスターチ>を材料とするハンドル部分の開発成功により従来の問題点を解消することができ、すべてが循環可能な素材で構成された新しいペーパーバッグが誕生しました。また、クラレ独自の技術を駆使し堅牢性を向上させたことで、従来のポリ乳酸繊維では難しかったマルチカラー展開が可能となり、デザイン性の点においても市場ニーズに対応した製品となっております。
ハンドル部に使用されている石油由来繊維量は約3000t/年にも達しており、「バイオロープ」へ置き換えてゆくことを通して環境貢献してまいります。

<プラスターチ>の概要

1. 素材

ポリ乳酸繊維

2. 特長

(1) 植物を出発原料とするバイオマス素材
石油資源の浪費を防ぎ、石油資源の燃焼によるCO2の増加を抑制します。
バイオマス資源は燃焼しても地球上の総炭素量を増加させないカーボンニュートラルな素材です。
(2) 生分解性
コンポストや土中埋設されても、微生物により最終的には水と二酸化炭素に分解され、ゴミとして蓄積されません。
(3) 堅牢性
クラレ独自の紡糸技術と練り込み技術を駆使し、高発色性と高堅牢性を実現しています。

「バイオロープ」を使用したペーパーバッグについて

1. 発売時期

2004年1月20日、ザ・パックより販売開始

2. 価格(消費税 別)

従来商品と同等

3. 販売目標

初年度 1億円(製品価格換算)
次年度 3億円(製品価格換算)

(参考)

ザ・パック株式会社の概要

社長 白根 稔
本社 大阪市東成区東小橋2丁目9-9 (06)6972-1221(代表)
資本金 22億円(03年3月末)
事業内容 ショッピングバッグ、プラスティック製品、印刷紙器、段ボール製品、ファッション
アパレル、カレンダー、各種プレミアム製品、販売促進企画、デザイン企画 等
パッケージングの企画、製造、販売

松浦産業株式会社の概要

社長 松浦 公之
本社 香川県善通寺市上吉田町270-1 (0877)62-2555(代表)
資本金 8,000万円(03年3月末)
事業内容 紙袋ハンドルの製造販売

株式会社クラレの概要

社長 和久井 康明
本社 大阪市北区梅田1-12-39 (06)6348-2111(代表)
資本金 890億円(03年3月末)
事業内容 合成繊維・合成樹脂・化学品などの製造販売