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株式会社クラレ

当社は鹿島事業所(茨城県鹿島郡神栖町)のLIR(液状ポリイソプレンゴム)の生産設備を年産1,000トン増設し、年産4,600トンとすることを決定しました。この設備は2004年7月から稼働する予定です。

LIRは1977年にクラレ独自のポリマー製造技術を結集して開発した粘性のある液状のポリイソプレンゴムで、現在では変性品や共重合品へもバリエーションを広げ、タイヤを中心としたゴム製品、粘接着剤などに広く使われています。LIRは主に天然ゴムまたは合成ゴムの反応性可塑剤として使われますが、この分野で通常使われるプロセスオイルの分子量が数百程度であるのに対し、当社が展開するLIRはその分子量領域が30,000~50,000と高く、この極めて高い分子量を生かして独自の市場を築いています。

ゴム製品の分野ではLIRを使用することにより、天然ゴムまたは合成ゴムの力学特性を低下させることなく粘度を下げることができるため、加工性、生産性の向上が図れます。このためタイヤ生産が拡大している中国を中心としたアジア地域での需要が活発化しています。さらに高機能化が進む各種ゴム部品の精密成形分野での機能添加剤としての需要が拡大しています。
一方、世界的な脱有機溶剤の流れの中、非溶剤系の接着剤として、粘接着剤や変性銘柄によるゴム製品と繊維・金属類との接着、UV硬化型接着剤原料としての需要も見込まれています。

これらの状況を背景に、LIRの需要は今後も10~20%の拡大が期待できることから、当社は引き続き次の増強も検討しています。今後もユーザーと密着した開発体制を強化し、新たな需要の創造を続け、LIRを当社エラストマー事業の一翼を担う製品として強化・拡大していきます。

概要

場所 当社 鹿島事業所(茨城県鹿島郡神栖町 事業所長:執行役員 草野 学)
生産能力
現状 年産 3,600トン
今回増設 +1,000トン 稼働開始予定:2004年7月
年産 4,600トン
設備投資額 約4億円