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クラレトレーディング株式会社
株式会社クラレ

「エバール」イメージ

EVOH<エバール>フィルムは、優れたガスバリアー性で食品分野を中心に高い評価と信頼を得てきました。当社はこのたび、そのハイ・ガスバリアー性を維持しつつ遮光性を付与することで、酸素及び“光”による内容物の酸化・変退色防止フィルムとして優れた性能を発揮する新しい遮光性<エバール>フィルムを開発致しました。

当社が世界で初めて開発した<エバール>フィルムは、その高いガスバリアー性(汎用ポリエチレンの約1万倍)他の優れた特長が市場で評価され、かつお節パックなど食品包装材料を中心に幅広い分野で使用されております。ただ、この従来の<エバール>フィルムは、多くの食品の劣化の原因となる酸素に対して、その高いガスバリアー性から非常に有効な素材ですが、透明性が高いことから、光(特に紫外線)を遮る必要のある食品の包装材としては、他の遮光性の高い素材と複合して使用する必要がありました。

現在、遮光性とガスバリアー性が必要な食品の包装材としては、アルミ箔にPET、PPなどを複合した素材が多く用いられています。アルミ箔は高い遮光性とガスバリアー性を持ちますが、金属であるため、廃棄の際の残渣(重量の40%程度)問題などから通常可燃物として処理ができず、また金属探知器による品質管理に対応しておりません。そのため、環境問題の高まりから金属に替わる、環境に対する負荷が少ない、遮光性とガスバリアー性を兼ね備えた合成樹脂製包装材料が近年求められていました。

このたび開発した遮光性<エバール>フィルムは、<エバール>樹脂に特殊な遮光性材料を加えてフィルムにしています。その結果、アルミ箔に近い遮光性とガスバリアー性を持つ、初めての合成樹脂製のフィルムを製品化することができました。

当社は、これまでも高ガスバリアー性能を持つ<エバール>フィルムを食品包装分野をはじめ、各種産業用途への拡大を図ってまいりました。今回発売する遮光性<エバール>フィルムも食品包装分野から、メディカル関連、化粧品関連、飲料紙容器などへの拡大を図っていきます。

遮光性<エバール>フィルムの概要

1. 特長

  • (1) ガスバリアー性能と遮光性能の一体化
  • (2) 3層構造で使用可能(OPP/<エバール>フィルム/PE)
  • (3) 焼却処理可能で可燃ゴミとしての処理が可

2. 用途

内容物の酸素及び光による劣化防止を必要とする包装材料用途
(食品包装材、メディカル関連、飲料紙容器など)

3. 品番

EF-WB

4. 製品規格

厚み(μm) 15
幅(cm) 50~120
巻長(m) 2000、4000

5. 製販売ルート

全国のコンバーターなどへフィルムを販売

6. 販売目標

初年度 1億円(数量 約70t)
3年後 3億円(数量 約190t)

上記写真の説明

今回開発した遮光性<エバール>フィルムは、くろき製茶株式会社の茶包材にアルミ箔代替素材として採用が決定し、5月15日より本格発売されます。

社名 くろき製茶株式会社
本社 〒885-0016
宮崎県都城市早水町14-1(0986)25-6500
社長 黒木 圭一郎
資本金 10百万円
創業 1963年1月
年商 約7億円(2000年度)
  • <エバール>は株式会社クラレの登録商標です。