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株式会社クラレ

「防球ネット」イメージ

当社はこの度、学校のグランドなどで使用されている防球ネット(野球のボールなどが飛び出さない様に張られたネット)を使用済み後に回収し、倉敷事業所(岡山県倉敷市)の発電用ボイラーの燃料として活用するサーマルリサイクルシステムをアサヒネット(株)・イケセン(株)・大橋産業(株)・清立商工(株)・ナニワ産業(株)の5社と構築し、2月1日より防球ネットの回収を開始します。

環境に対する認識の高まり、各種リサイクル法の導入や、リサイクル製品の浸透など、社会の様々な場面で、使用後の各種製品をそのまま廃棄せず、何らかの形で再利用しようとする動きが定着しています。このような状況の下、当社は98年以降、生産活動に伴い発生する廃プラスチック類を始め、企業ユニフォーム・ふとん・マネキンなどの各種サーマルリサイクルシステムを構築してきましたが、この度はグランドや公園などで使用される防球ネットのリサイクルシステムを構築いたしました。

当システムでは使用済みの防球ネットを回収し、発電用ボイラーの燃料として使用します。更新などにより不要になったネットは撤去された後、その場で運搬し易い大きさ(2m X 2m程度)に切断されるとともに、金属など回収できない部材が除去されます。金属などの除去が完了したネットは、当社倉敷事業所に送られ、減容・固化されて発電用ボイラーの固形燃料となります。販売店がネットの回収、金属などの除去、当社までの輸送を受け持ち、当社が固形燃料化とサーマルリサイクルを担当します。また販売店から倉敷事業所への運送業務は、当システムに賛同頂いた日本通運株式会社に委託します。

当社は主にビニロンを防球ネット向けに供給しています。ビニロンを用いた防球ネットは高い耐候性や落ち着きのある発色などの特長が評価され、市場に確固たる地位を築いています。しかしその一方でリサイクル品に対するニーズが高まってきたことから、この度のシステム構築に合わせて、防球ネット向けにもPETボトルから再生したポリエステル糸<エコクラペット>を展開していきます。この<エコクラペット>とサーマルリサイクルを組み合せることで、原料でのリサイクルと製品のリサイクルというダブルリサイクルが可能となります。

今後、当社は参加企業を増やし、このサーマルリサイクルシステムの拡充を図るとともに、“独自技術によるエコフレンドリー企業”を目指し、より一層環境に役立つ事業を展開していきます。

1. サーマルリサイクルについて

A) 回収・サーマルリサイクルの手順

「回収・サーマルリサイクルの手順」イメージ

  • (1) 防球ネットの施工現場で切断・金属除去などの処理をされたネットは販売店(メンバー5社)から、クラレ倉敷事業所に送付される。
  • (2) クラレ倉敷事業所内で破砕減容し固形燃料化した後、発電用ボイラーで熱エネルギーとして回収する。
  • (3) ネット切断・金属除去、回収、クラレ倉敷事業所までの輸送費用は販売店が負担し、固形燃料化・熱源回収費用はクラレが負担する。

B) 回収対象ネットについて

当システムに基づいて納入される時に、不要となる防球ネット。(他社製品を含む)
ボイラーの炉を傷める可能性がある塩素含有素材や難燃素材を含んだネットは除く。

C) 回収開始時期

2月1日

D) 回収目標

2002年度 50万m²

2. <エコクラペット>使用防球ネット

A) 素材
PETボトルを原料とする再生ポリエステル長繊維(365dtex モノフィラメント)
B) 特長
  • (1) 糸が太い(モノフィラメント)ため耐侯性に優れ、丈夫で長持ちする。
  • (2) 糸が太い(モノフィラメント)ため耐侯性に優れ、丈夫で長持ちする。
  • (3) エコマーク取得済み
C) 販売価格
400円/m²(ユーザー入り 消費税別)
D) 販売目標
2002年度 100トン

(ご参考)

会社名 アサヒネット株式会社
社長 羽馬 貞夫
資本金 20百万円
本社 大阪市此花区
業務内容 合繊製ネット販売、工事
会社名 イケセン株式会社
社長 池田 博
資本金 35百万円
本社 大阪市浪速区
業務内容 合繊製ネット販売、工事
会社名 大橋産業株式会社
社長 大橋 和正
資本金 10百万円
本社 京都市南区
業務内容 合繊製ネット販売、工事
会社名 清立商工株式会社
社長 村上 泰啓
資本金 20百万円
本社 大阪市東成区
業務内容 合繊製ネット販売、工事
会社名 ナニワ産業株式会社
社長 米田 宗義
資本金 15百万円
本社 大阪市浪速区
業務内容 合繊製ネット販売、工事