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株式会社クラレ

当社はこのたび、株式会社フクヨー茨城の不織布製造部門の分社化に当たり、新たに設立される不織布生産会社に対し51%を出資します。

不織布業界はこれまで産業資材の他、紙おむつなどの衛生材料、ウェットワイパーを中心に需要を伸ばしてきました。特に近年ではそれらの需要に加え、各種家庭用ワイパーや日用雑貨などの生活関連分野、医療分野などへの展開も進み、市場は年率約10%で拡大を続けています。

当社は生産子会社のクラフレックス株式会社(岡山県)で乾式不織布を、当社西条工場(愛媛県)でメルトブローン不織布を生産し、販売しています。乾式不織布は<クラフレックス>の商標でスパンレース不織布を中心に、衛生材料やウェットワイパー分野から各種ワイピング材、建材・フィルター分野など巾広く展開し、着実に拡大を続けています。また近年は当社の各種差別化原綿(<ランプ>・<クラロンK-Ⅱ>・<シャインアップ>など)を用いた不織布の開発に注力し、不織布でも当社の独自性を追求するため“素材からの差別化”を進めています。

この度設立される新会社は株式会社フクヨー茨城(本社:茨城県常陸太田市 社長 高橋 貢)の不織布製造部門を分離・独立させたもので、その新会社に当社は51%出資します。株式会社フクヨー茨城は96年にピジョン株式会社向けの不織布生産・加工会社として設立され、当社は株式会社フクヨー茨城に対し出資、及び不織布生産に関する技術指導を行っていました。

これにより当社としては最終製品の最大の消費地であり、不織布製品加工業が拡大しつつある関東地区に生産拠点を設けることができるとともに、今後事業を拡大していく上で、適地生産・適地販売のメリットを生かした物流費の削減などが可能となります。

株式会社フクヨー茨城としては、不織布生産を当社に任せることにより、本来の不織布製品加工業に専念できるとともに、当社の不織布生産・開発技術の活用や連携強化により、短期的には収率向上などによるコストダウンや品質の向上を図ることができ、中・長期的には当社の差別化原綿を用いた不織布製品の開発を進められることから、高付加価値製品の開発やそのスピードアップが可能となります。

ピジョン株式会社では、品質及びコスト競争力が強化された不織布製品の安定的な供給を確保することにより、同社製品の拡販を図る事ができます。これらの目的を実現するため、3社により不織布生産会社を設立し、3社連携によるシナジーの発現・強化を図ることに致しました。

当社は今後も素材開発・用途開拓を進め、更に当事業を拡大させて行く所存です。

1. 新会社の概要

名称 クラフレックス茨城株式会社(予定)
設立 2001年4月(予定)
社長 濱 幹広(現 クラフレックス株式会社 社長 が兼務予定)
資本金 3,000万円(クラレ51%・フクヨー茨城39%・ピジョン10%)
所在地 茨城県常陸太田市岡田町2068-1(現 フクヨー茨城 敷地内)
生産能力 スパンレース不織布・年産2,900トン

2. 目的

クラレ

  • (1) 今後の需要拡大に対応した能力増強が可能となる。
  • (2) 資本参加を機にクラフレックス株式会社(岡山)の役割(新製品開発機能)を強化し、差別化・付加価値製品の開発を加速させる。
  • (3) 最終製品の最大消費地に生産拠点を設け、物流費の削減などを含めた総合的なコスト競争力を強化する。

フクヨー茨城

  • (1) 不織布生産会社と連携することで不織布製品でのコストダウン、品質の安定・向上が図れる。
  • (2) クラレの差別化原綿を使用した機能性・高付加価値不織布を活用した製品の開発が可能となる。

ピジョン

  • (1) コストなどの競争力が強化された製品の展開が可能となる。
  • (2) 不織布生産会社及び不織布加工会社との連携を図ることで、競争力・開発力の強化を図り、事業拡大に繋ぐことができる。

(ご参考)

株式会社クラレ

社長 和久井 康明
本社 大阪市 北区 梅田1-12-39 Tel:06-6348-2111
資本金 890億円
不織布 乾式不織布10,500トン/年
生産能力 メルトブローン不織布1,800トン/年

株式会社フクヨー茨城

社長 高橋 貢
本社 茨城県 常陸太田市 岡田町2068-1 Tel:0294-74-1700
資本金 3.6億円

ピジョン株式会社

社長 松村 誠一
本社 東京都 千代田区 神田富山町5-1 Tel:03-3252-4111
資本金 52億円