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ポバールフィルム(偏光板)

「ポバールフィルム」は、どうして偏光板に欠かせないの?

更新日:2004/4/1

光の波の方向を曲げる液晶

偏光板は、液晶表示の中でどのような働きをしているのですか?

液晶表示の主要構造は、おおまかに言うと、液晶という物質を偏光板で挟んだ形となっています。その中で偏光板は光を通したり、遮断したりする働きをしているのです。

具体的に言うと?

「偏光板」イメージ

自然の光には、タテ方向の波とヨコ方向の波があり、偏光板はそのうち一方向の光の波を遮り、もう一方向の光の波だけを通すという性質をもっているのです。一方、液晶は読んで字のごとく、液体と結晶の双方の性質を示します。液晶は電圧をかけた状態では光の波をそのままの方向で通し、電圧をかけない状態では光の波の角度を曲げて通すようになっています。つまり、電圧がかかった部分を暗く、かからない部分を明るく見せることができます。これが液晶表示の仕組みです。

偏光板は一定方向の光の波だけを通します。液晶は電圧がONの時は光の波をそのままの方向で通し、OFFの時は光の波の角度を曲げて通します。よって、電圧がONの部分を暗く、OFFの部分を明るく見せることによって、画像を表示します。

条件を満たすポバールフィルム

では、ポバールフィルムはどうして偏光板に不可欠なのですか?

偏光板の主材料となるフィルムは光の偏光度と透過率が高くなければなりません。そのためには、(1)フィルム本来の透明度が高い、(2)延伸時の配向性が良い、(3)ヨウ素(一方向の光を吸収し、偏光機能を起こさせる性質をもつ)を吸着しやすい、といった条件が必要です。ポバールフィルムは、これらの条件を全て満たしているわけです。

「延伸時の配向性が良い」「ヨウ素を吸着しやすい」というと…?

偏光板は、フィルムを延伸して配向軸を揃える、ヨウ素を吸着させるなどの工程を経て作られます。ポバールフィルムの原料であるポバールの分子配列は、延伸すると配向軸が良く揃う、つまり分子の列がきちんと並ぶので、一方向の光の波だけを通すブラインドのような役目を正確に果たすのです。また、ポバールはヨウ素と非常にくっつきやすいので、光の偏光度が高いのです。

今後、求められることは何ですか?

偏光板は、パソコンLCDモニターの拡大などにより需要が増加しています。それに対応するため、フィルム設備を増設し、2002年4月より新設備も稼動しています。今後とも市場のニーズにあった付加価値の高いフィルム製品を生み出す事業をめざします。