更新日:2011/12/13
「VIP」
真空(Vacuum)断熱(Insulation)板(Panel)の頭文字です。グラスウールと呼ばれるガラス繊維などの断熱性のある芯材を、優れたガスバリア性を付与した複合フィルムで作った外装袋に入れて、中を真空にした板のことです。
「VIP」断面イメージ図
外装袋のバリア材は通常金属のアルミ箔が使用されますが、金属は熱伝導性が非常に高く、袋の閉じ口部分から熱が伝わりやすくなります。そのアルミ箔をバリア性に劣らず、しかも熱伝導性の低い<エバール>に置き換えることで、より高度な断熱性能が得られるからです。
断熱性アップのイメージ図
冷蔵庫の冷却性能はエアコンプレッサーと呼ばれるパーツの性能に左右されます。そして、冷やした空気を冷やされたまま可能な限り保持するのが断熱材の役割です。
断熱材としてはグラスウールやポリウレタンフォームが有名ですが、真空断熱板はそれらに比べ10倍以上の断熱効果があります。仕組みは魔法瓶と同じで、熱が真空では伝わりにくい原理を応用したものです。大げさに言えば、一度冷やした温度を保っていられれば、エアコンプレッサーにも負担が掛からず、余分な電力がかからないということです。
はい。その上、上述の通りグラスウールやポリウレタンフォームの断熱材に比べ、10倍以上の断熱性能があるので、同じ断熱性能に必要な断熱材の厚みも10分の1以下になり、冷蔵庫の大容量化にも貢献しています。
実は、この技術は20年以上も前から家電メーカーで研究されていました。ようやくのことで、2002年に初採用されました。2006~2007年くらいから世間でも省エネが注目されて採用数が増え出し、2009~2010年に導入された家電エコポイント制度を受けて、各社がこぞって消費電力を下げるために、真空断熱板の導入を始めたのです。今では、ほとんどの大手家電メーカーさまの大型冷蔵庫(400㍑以上)に採用されています。
はい。90年代前半にフロンガス代替関連で開発されましたが本格採用にいたらず、2002年の初採用後も数量は大きく伸びず、紆余曲折がありました。
今後は、小型冷蔵庫や自然冷媒ヒートポンプ給湯機、貯湯(ちょとう)タンクのほか、自動販売機などにも展開していきたいと思います。
もちろん、中国、アメリカ、ヨーロッパなど海外も視野に入れています。特に、ヨーロッパでは2012年以降、冷蔵庫の使用電力に規制をかけ、2020年まで段階的に厳しくなる施策が導入される予定ですので、さらなる市場の伸びが期待されます。