kuraray 株式会社クラレ


<エバール>

どうして<エバール>は気体遮断性に優れているの?

更新日:2003/9/17

<エバール>って一体どういう物質なんですか?

この2つが、適度に混じって無数につながっています。

<エバール>は、1972年にクラレが世界で初めて工業化に成功した独自のポリマーで、正式名称「エチレン-酢酸ビニルランダム共重合体けん化物」というプラスチックの一種です。その構造は、炭化水素(CH2)がつながった鎖に、アルコールでおなじみの水酸基(OH)がたくさんぶら下がったものです。分子構造から見ると、皆さんの大好きなお酒の親戚のような化合物といえますね。その独特の構造から「気体を通しにくい」「透明性が高い」「薬品に触れても変化しにくい」「光沢性に富む」など、ほかのプラスチックにない様々な特長をもち、食品包装を中心に多くの分野で用いられています。

では、どうして<エバール>は気体を通しにくいのですか?

まず気体がプラスチックを通る仕組みから説明しますね。気体がプラスチックを通過するには、

  • (1) 気体がプラスチックに入りやすい(なじみやすい・親和性がある)
  • (2) プラスチック中に気体が通れるような隙間が多い(分子間に隙間が多い)
  • (3) 結晶がない(結晶には隙間がないため気体は通れない)

といったことが必要とされています。

ところが<エバール>は、

  • (1) 極性が強い(分子内で電子密度の高い部分と低い部分とがはっきり分かれている)ため、水と油の関係のように極性のない酸素などの気体とはなじみが悪い
  • (2) ぶら下がった水酸基(OH)同士が強く引きあうため、分子の間にほとんど隙間がない
  • (3) 結晶性である

などの性質を併せもっているため、気体はなかなか通過することができないわけです。

<エバール>イメージ

なるほど…!では<エバール>が環境にやさしい、のはどうしてですか?

何といっても<エバール>は塩素をまったく含まないため、燃焼時にダイオキシンなどの有害・有毒物が出ず、「炭酸ガス」と「水」に戻る、ということが挙げられます。その他、

  • (1) 包装材として使うと食品などの保存性を大幅に高められる上に、容器を薄くできるため全体としてのゴミの量を減らすことができる
  • (2) 自身が毒性をもたず安全
  • (3) 燃焼カロリーが小さいため、焼却しても炉を傷めない

など環境保護に対応できる多くの性質をもっているんですよ。

  • <エバール>はクラレの商標です