kuraray 株式会社クラレ


<ゼクルス>(排水処理システム)

<ゼクルス>はどうやって自然の力で余剰汚泥の発生を抑えるの?

更新日:2007/9/14

省スペースで効率良く処理

家でも外出先でも使うお水。特に私たちクラレグループの生産活動で毎日使っていますね。

排水処理システムに求められているのは、小さいスペースで低コストなこと。<ゼクルス>は低コストで省スペース化を図れる上、自然の力で排水処理できる新しい排水処理システムなんです。

どうやってお水をきれいにするんですか?

従来の排水システムと比べて説明しましょう。従来は活性汚泥法と言って、微生物を槽に棲まわせて排水に含まれる有機物を分解させていました。つまり、不要な有機物をエサとして食べてもらうんです。しかし、このサイクルを続けると微生物が増殖し、排水量との適切な微生物濃度を整えられなくなる欠点がありました。これらは余剰汚泥(過剰に増殖した微生物)として引き抜く必要があるため、排水処理の費用の約半分が産業廃棄物の汚泥処分に掛かっていました。

<ゼクルス>は微生物の増殖と死滅を一定にさせることで余剰汚泥の発生を抑えます

新しい<ゼクルス>は?

<クラゲール>は1個あたり約10億個もの微生物を棲まわせることができます

特長は微生物がたくさん棲みつく<クラゲール>の槽を最初の槽に組み込んでいる点です。
<クラゲール>はクラレのポバールを原料にした微生物固定化担体で、電子顕微鏡で拡大すると表面から内部にわたって20ミクロンほどの小さな穴が無数に空いています。<クラゲール>1個あたり約10億個もの微生物を棲まわせることができるため、従来の生物処理槽の5分の1の省スペースで有機物の分解効率を上げることができるのです。

微生物の増殖と死滅を一定に

それで省スペース化を図ったんですね。その後の流れは?

<ゼクルス>は1槽めの生物処理槽で<クラゲール>に棲む微生物が有機物を分解するので、2槽めの汚泥減容槽はエサがない飢餓状態となります。さらに次の3槽めの沈殿槽で分離した余剰汚泥である微生物を再度投入するので、飢餓状態が加速され、微生物が死滅していきます。 しかし、ここで1槽めから流入してくる元気な微生物が死骸となった微生物(有機物)を食べるため、余剰汚泥をほぼゼロになります。即ち自然の分解力で微生物の増殖と死滅を一定にさせることで、余剰汚泥の発生を抑えるというわけです。
通常エサが少ない3槽めの沈殿槽では汚泥分離するのが難しいのですが、<ゼクルス>は微生物を死滅させることで微生物が有する粘着成分をうまく引き出し、汚泥を凝集させて分離に成功しました。他社メーカーは余剰汚泥をオゾンや薬品などで分解し、再びエサとして最初の槽に戻すのですが、これは排水負荷が大きくなるため大容量の生物処理槽の設備投資が必要になり、薬品コストもかさんでしまうのです。

今後の展望は?

排水処理システムの技術は確立できました。
次は<ゼクルス>を武器に環境事業としてどう展開していくかです。今後、プラントとして各種工業排水や下水道における実績を伸ばしていきたいと思います。